皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究

文献情報

文献番号
201911042A
報告書区分
総括
研究課題名
皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-049
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 隆(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 金澤 伸雄(和歌山県立医科大学 医学部 皮膚科)
  • 森脇 真一(大阪医科大学 皮膚科学)
  • 米田 耕造(大阪大谷大学 薬学部臨床薬理学講座)
  • 古村 南夫(福岡歯科大学 口腔歯学部)
  • 大畑 千佳(久留米大学 医学部皮膚科)
  • 照井 正(日本大学 医学部 皮膚科学系皮膚科学分野)
  • 鶴田 大輔(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
  • 川上 民裕(東北医科薬科大学 医学部)
  • 下村 裕(山口大学 大学院医学系研究科 皮膚科学講座)
  • 中野 創(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 新谷 歩(大阪市立大学大学院医学研究科 医療統計学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
12,126,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患、10疾患群、25疾患について厚生労働省政策研究を中心に各種の臨床研究を進めることを目的とする。
それらの疾患のうち、本研究班が主体的に研究する疾患は、(1)自己炎症性皮膚疾患群としてウェーバー・クリスチャン症候群、スイート病、シュニッツラー症候群、顆粒状C3皮膚症の4疾患、(2)コケイン症候群、(3)掌蹠角化症・掌蹠角化症症候群、(4)家族性良性慢性天疱瘡(HHD)・ダリエ病(DD)、(5)疱疹状皮膚炎、(6)家族性化膿性汗腺炎、(7)ゴーリン症候群・カウデン症候群、(8)穿孔性皮膚症群として、反応性穿孔性皮膚症、キルレ病、穿孔性毛包炎、蛇行性穿孔性弾力線維症の4疾患、(9)遺伝性毛髪疾患、(10)疣贅状表皮増殖異常症の10疾患群、19疾患である。このうち、コケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡は指定難病である。
さらに、上記の4種の自己炎症性皮膚疾患以外の遺伝性自己炎症性疾患である、中條・西村症候群、クリオピリン関連周期熱症候群、ブラウ症候群、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・痤瘡症候群、TNF受容体関連周期性症候群の5疾患、およびスタージ・ウェーバー症候群の計6疾患については、それぞれの疾患を主体的に研究する研究班と連携して皮膚科的な見地から研究を進める。
上記疾患について、日本皮膚科学会などと連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を作成・改定し、患者・家族のQOLを含むアンケート票送付などの全国疫学調査を行い、レジストリ・レポジトリを作成・拡充する。さらに、日本皮膚科学会と連携して臨床ガイドラインを作成し、和文・英文の論文として公開する。全期間を通じて、厚生労働省担当者・医療関係者・患者への医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。また、一部の重要疾患については新規指定難病の指定を目指す。
研究方法
まず、日本皮膚科学会などと連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を作成・改定する。また、全国疫学調査などの疫学研究を進め、REDCapシステムを用いたレジストリと生体資料などのレポジトリの作成・拡充を進める。さらに、日本皮膚科学会と連携して臨床ガイドラインを作成する。この間、常に医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。また、一部の疾患について新規指定難病の指定を目指す。医療統計学の専門家である新谷歩先生の参画によりREDCapシステムを用いたレジストリを作成することも本研究班の特徴である。
結果と考察
令和元年度の結果として、まず、医療情報提供などいろいろな厚生労働省政策について貢献した。また、全疾患の診断基準と重症度分類を作成・改定した。さらに、大多数の疾患について、全国疫学調査の結果を解析し、必要な時は追加の調査を行った。多くの疾患について、臨床ガイドラインの作成を開始し、日本皮膚科学会と連携してブラッシュアップ作業を行い、化膿性汗腺炎の臨床ガイドラインを発表した。一部の重要疾患については指定難病申請の作業を進めた。
指定難病のコケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡についてはREDCapを用いたレジストリを作成・拡充した。さらに、他疾患についてもREDCapを用いたレジストリ作成の準備を行った。同時に、生体資料などのレポジトリの作成・拡充している。
考察としては、令和元年度も、医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献し、全疾患にの診断基準と重症度分類を作成・改定し、全国疫学調査により我が国の患者状況を把握することができた。さらに、多くの疾患について臨床ガイドラインの作成を進めている。また、
多くの疾患についても、REDCapシステムを用いたレジストリ作成を進め、生体資料などのレポジトリも拡充した。
結論
令和元年度も、指定難病を中心に、多くの疾患に関して、厚生労働省政策貢献ができた。また、全疾患について診断基準・重症度分類を作成・改定し、完成度の高いものができた。さらに、大多数の疾患において全国疫学調査を施行した。その結果を詳細に解析することにより、それらの疾患について、我が国の患者数、診断法、診断の困難性、治療方法、QOLなどの状況を把握することができた。これらの情報は、今後の厚生労働省政策に重要と考えた。さらに作成したレジストリとレポジトリも今後の研究に有用となる。
さらに、多くの疾患について臨床ガイドラインの作成の作業を進め、一部は日本皮膚科学会と連携してブラッシュアップし、日本皮膚科学会雑誌に掲載することができた。しかし、残りの疾患についても臨床ガイドライン作成を進める必要がある。また、一部の重要疾患については新規指定難病の申請の予定である。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201911042B
報告書区分
総合
研究課題名
皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-049
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 隆(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 金澤 伸雄(和歌山県立医科大学 医学部 皮膚科)
  • 森脇 真一(大阪医科大学 皮膚科学)
  • 米田 耕造(大阪大谷大学 薬学部臨床薬理学講座)
  • 古村 南夫(福岡歯科大学 口腔歯学部)
  • 大畑 千佳(久留米大学 医学部皮膚科)
  • 照井 正(日本大学 医学部 皮膚科学系皮膚科学分野)
  • 鶴田 大輔(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
  • 川上 民裕(東北医科薬科大学 医学部)
  • 下村 裕(山口大学 大学院医学系研究科 皮膚科学講座)
  • 中野 創(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 新谷 歩(大阪市立大学大学院医学研究科 医療統計学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患、10疾患群、25疾患について厚生労働省政策研究を中心に各種の臨床研究を進めることを目的とする。
それらの疾患のうち、本研究班が主体的に研究する疾患は、(1)自己炎症性皮膚疾患群としてウェーバー・クリスチャン症候群、スイート病、シュニッツラー症候群、顆粒状C3皮膚症の4疾患、(2)コケイン症候群、(3)掌蹠角化症・掌蹠角化症症候群、(4)家族性良性慢性天疱瘡(HHD)・ダリエ病(DD)、(5)疱疹状皮膚炎、(6)家族性化膿性汗腺炎、(7)ゴーリン症候群・カウデン症候群、(8)穿孔性皮膚症群として、反応性穿孔性皮膚症、キルレ病、穿孔性毛包炎、蛇行性穿孔性弾力線維症の4疾患、(9)遺伝性毛髪疾患、(10)疣贅状表皮増殖異常症の10疾患群、19疾患である。このうち、コケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡は指定難病である。
さらに、上記の4種の自己炎症性皮膚疾患以外の遺伝性自己炎症性疾患である、中條・西村症候群、クリオピリン関連周期熱症候群、ブラウ症候群、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・痤瘡症候群、TNF受容体関連周期性症候群の5疾患、およびスタージ・ウェーバー症候群の計6疾患については、それぞれの疾患を主体的に研究する研究班と連携して皮膚科的な見地から研究を進める。
上記疾患について、日本皮膚科学会などと連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を作成・改定し、患者・家族のQOLを含むアンケート票送付などの全国疫学調査を行い、レジストリ・レポジトリを作成・拡充する。さらに、日本皮膚科学会と連携して臨床ガイドラインを作成し、和文・英文の論文として公開する。全期間を通じて、厚生労働省担当者・医療関係者・患者への医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。また、一部の重要疾患については新規指定難病の指定を目指す。
研究方法
まず、日本皮膚科学会などと連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を作成・改定する。また、全国疫学調査などの疫学研究を進め、REDCapシステムを用いたレジストリと生体資料などのレポジトリの作成・拡充を進める。さらに、日本皮膚科学会と連携して臨床ガイドラインを作成する。この間、医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。また、一部の疾患について新規指定難病の指定を目指す。医療統計学の専門家である新谷歩先生の参画によりREDCapシステムを用いたレジストリを作成することも本研究班の特徴である。
結果と考察
結果として、まず、全期間を通じて医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献した。また、全疾患の診断基準と重症度分類を作成・改定した。さらに、大多数の疾患の全国疫学調査を進めた。多くの疾患について、臨床ガイドラインの作成を開始し、日本皮膚科学会と連携してブラッシュアップ作業を行い、化膿性汗腺炎の臨床ガイドラインを発表した。一部の重要疾患については指定難病申請の作業を進めた。
指定難病のコケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡についてはREDCapを用いたレジストリを作成した。さらに、他疾患についてもREDCapを用いたレジストリ作成の準備を行った。同時に、生体資料などのレポジトリの作成・拡充している。
考察としては、全期間を通じて、医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献し、全疾患の診断基準と重症度分類を作成・改定し、全国疫学調査により我が国の患者状況を把握することができた。さらに、多くの疾患について臨床ガイドラインの作成を進めている。また、多くの疾患についても、REDCapシステムを用いたレジストリ作成を進めた。
結論
全期間を通じて、指定難病を中心に多くの厚生労働省政策貢献ができた。また、全疾患について診断基準・重症度分類を作成・改定した。さらに、大多数の疾患において全国疫学調査を施行し、それらの疾患について、我が国の患者数、診断法、診断の困難性、治療方法、QOLなどの状況を把握することができ、これらの情報は、今後の厚生労働省政策に重要と考えた。さらに作成したレジストリとレポジトリも今後の研究に有用となる。
さらに、多くの疾患について臨床ガイドラインの作成の作業を進めることができた。しかし、残りの疾患についても臨床ガイドライン作成を進める必要がある。また、一部の重要疾患については新規指定難病の申請の予定である。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-11-15

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201911042C

収支報告書

文献番号
201911042Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,763,000円
(2)補助金確定額
14,785,000円
差引額 [(1)-(2)]
978,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,242,184円
人件費・謝金 3,590,653円
旅費 1,891,178円
その他 1,424,515円
間接経費 3,637,000円
合計 14,785,530円

備考

備考
自己資金:528円、利息:2円

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-06-14