ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究

文献情報

文献番号
201911017A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-024
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
衞藤 義勝(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 規夫(大阪大学・医学部)
  • 高橋 勉(秋田大学・医学部)
  • 高柳 正樹(平成帝京大学・健康医療スポーツ学部)
  • 辻 省次(東京大学・医学部)
  • 檜垣 克美(鳥取大学・医学部)
  • 鈴木 康之(岐阜大学・医学部)
  • 奥山 虎之(国立開発法人国立成育医療研究センター)
  • 坪井 一哉(名古屋セントラル病院)
  • 松田 純子(川崎医科大学・医学部)
  • 下澤 伸行(岐阜大学・医学部)
  • 今中 常雄 (広島国際大学・薬学部)
  • 小林 博司(東京慈恵会医科大学・医学部)
  • 加我 牧子(東京都立東部療育センター)
  • 横山 和明(帝京大学・薬学部)
  • 渡邊 順子(久留米大学・医学部)
  • 石垣 景子(東京女子医科大学・医学部)
  • 成田 綾(鳥取大学・医学部)
  • 井田 博幸(東京慈恵会医科大学)
  • 大橋 十也(東東京慈恵会医科大学。医学部京慈恵会イアk大学・医学部)
  • 小林 正久(東京慈恵会医科大学・医学部)
  • 福田 冬季子(浜松医科大学・医学部)
  • 中村 公俊(熊本大学・医学部)
  • 濱崎 考史(大阪市立大学・医学部)
  • 秋山 けい子(一般財団法人脳神経疾患研究所)
  • 矢部 普正(東海大学・医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
18,612,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ライソゾーム病、ペルオキシソーム病、ALD患者の全国調査、患者の現状調査又QOLの二次調査を行った。更にLSDの内、シスチノーシス、ゴーシェ病、ファブリ病の診療ガイドラインをマインズの手法に従い作成し、難病の診療に貢献した。又LSD、ALDの拠点病院構想を作成し、難病患者の診療ネットワーク構築を具体的に検討し、患者の啓蒙活動に役立てた。新生児スクリーニング体制のガイドラインを作成、今後の早期診断、治療への提言を行つた。LSD、ALDの遺伝子治療を含めた新規治療の啓蒙活動を行い、今後の新規治療に向けて貢献した。更にALD、
LSDのレジストリーに向け、研究体制を検討した。                  
研究方法
1)LSD、ALDの患者全国調査はサーベイモンキーを用いて具体的な二次・三次調査を施行した。LSD患者の推計値を計算した。
2)LSDのガイドライン作成はALD、ゴーシェ病、ファブリ病、MPS I型は各班で委員長、副委員長を決め、各ガイドライン作成班を編成し、マインズの手法に沿い、作成出版した。また現在ニーマンピツクC病並びにMPS IV型のガイドラインを作成している。
3)拠点病院構想、トランジション問題に関して患者並びに難病担当医用にパンフを作成し
よりこの問題に関しての理解を深める努力をした。
4)新生児スクリーニングガイドライン作成、遺伝子治療アンケート調査委員会を編成しライソゾーム患者に対するアンケート調査を検討した。
5)難病プラツトフォームを利用したレジストリシステムの構築を施行した。

結果と考察
           
①ライソゾーム病(LSD)&ペルオキシゾーム病(PD)、ADLのQOLを含む一次調査後の各ライソゾーム病の我が国における推定患者数を疾患別に統計専門家に依頼調査した。又三次調査の調査内容を検討し、二次調査表を各施設に配布し、調査した。(酒井)②ライソゾーム病、ペルオキシゾーム病の診断の手引き、治療ガイドラインの作成(下澤):LSDは現在31種近くの疾患が含まれ、前年度に引き続いてファブリ病(小林正久委員長)、ゴーシェ病(成田綾委員長)、ムコ多糖症I型(小須賀委員長)をマインズの手法に基づいて診療ガイドラインを作成した。前年度作成したポンぺ病、MPS II型は学会承認を得た。今年度はシスチノーシス、ファブリ病、ゴーシェ病のガイドラインを出版し、学会承認予定。③ライソゾーム病に特化した診断、治療の難病拠点病院体制について、岡山地区等を例にとり患者の意見も含め、全国規模で作成、拠点病院の役割、遺伝子診断体制の整備など診断、治療体制を具体的に検討した。④LSDの新生児スクリーニング対象疾患のガイドライン並びに戦略を作成し、新生児スクリーニング対象疾患としてポンぺ病、MPS I、 ALD、ファブリ病を挙げガイドラインを作成した。⑤LSD&ALDの遺伝子治療を推進するため、遺伝子治療推進体制の基盤作りの為アンケート調査内容をLSD患者に家族に対して施行した。⑥今後のLSD、ALDのレジストリー体制を検討した。
考察
 LSD、ALDの患者数全国調査から全国患者数の推計数を算出し、各LSDの三次調査で現状解析をおこなった(酒井ら)。ゴーシェ病、ファブリ病、シスチノーシスの診療ガイドラインを出版し、日本先天代謝異常学会、全国小児科教授、専門医などに配布し、又学会承認を得て一般販売を予定している。次年度は ニーマンピックC病、MPSIV型、MPS I型のガイドライン作成する予定であり、我が国のLSD患者の診療に役立てる。ALD、LSDの拠点病院構想を具体化し、地方自治体と連携する。新生児スクリーニング体制の充実、遺伝子治療等新規治療法の啓蒙活動は今後難病センターへの情報提供に有用である。 
結論
結論              
 本研究班の活動は今後LSD、ALDの患者の診療医師並びに患者会、難病センターへの情報提供に有用であり、我が国でのLSD、ALDの患者並びに医療従事者に重要な情報を提供する。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
その他
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-11-15

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201911017B
報告書区分
総合
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-024
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
衞藤 義勝(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 規夫(大阪大学・医学部)
  • 高橋 勉(秋田大学・医学部)
  • 高柳 正樹(帝京平成大学・健康医療スポーツ学部)
  • 辻 省次(東京大学・医学部)
  • 檜垣 克美(鳥取大学・研究推進機構)
  • 鈴木 康之(岐阜大学・医学部)
  • 奥山 虎之(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 坪井 一哉(名古屋セントラル病院)
  • 松田 純子(川崎医科大学・医学部)
  • 下澤 伸行(岐阜大学・医学部)
  • 今中 常雄(広島国際大学・薬学部)
  • 小林 博司(東京慈恵会医科大学・医学部)
  • 加我 牧子(東京都立東部療育センター)
  • 横山 和明(帝京大学・薬学部)
  • 渡邊 順子(久留米大学・医学部)
  • 石垣 景子(東京女子医科大学・医学部)
  • 成田 綾(鳥取大学・医学部)
  • 井田 博幸(東京慈恵会医科大学・医学部)
  • 大橋 十也(東京慈恵会医科大学・医学部)
  • 小林 正久(東京慈恵会医科大学・医学部)
  • 福田 冬季子(浜松医科大学・医学部)
  • 中村 公俊(熊本大学・医学部)
  • 濱崎 考史(大阪市立大学・医学部)
  • 秋山 けい子(一般財団法人脳神経疾患研究所)
  • 矢部 普正(東海大学・医学部)
  • 柳澤 比呂子(一般財団法人脳神経疾患研究所)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院・小児血液学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ライソゾーム病、ペルオキシソーム病、ALD患者の全国調査、患者の現状調査又QOLの二次調査を行った。全国患者数の推計値を算出した。また各疾患ごとの患者推計値を計算した(図1)。
ライソゾーム病患者総2958+315人(下限;2341名〜上限;3576) 
ペルオキソソーム病患者総数303+541人(下限;66名〜上限;541)更にLSDの内、
シスチノーシス、ゴーシェ病、ファブリ病の診療ガイドラインをマインズの手法に従い作成し、難病の診療に貢献した。又LSD、ALDの拠点病院構想を作成し、難病患者の診療ネットワーク構築を具体的に検討し、患者の啓蒙活動に役立てた。新生児スクリーニング体制のガイドラインを作成、今後の早期診断、治療への提言を行つた。LSD、ALDの遺伝子治療を含めた新規治療の啓蒙活動を行い、今後の新規治療に向けて貢献した。更にALD、LSD、特にポンぺ病、NPCのレジストリー構築に向け、難病プラツトフォームの構築を施行した。          
B.研究方法
研究方法
1)LSD、ALDの患者全国調査はサーベイモンキーを用いて具体的な二次・三次調査を施行した。LSD患者の推計値を計算した。
2)LSDのガイドライン作成はMPSII型、ALD、ポンぺ病、チスチノーシス、ゴーシェ病、ファブリ病、MPS I型は各班で委員長、副委員長を決め、各ガイドライン作成班を編成し、マインズの手法に沿い、作成出版した。また現在ニーマンピツクC病並びにMPS IV型のガイドラインを作成している。
3)拠点病院構想、トランジション問題に関して患者並びに難病担当医用にパンフを作成し
よりこの問題に関しての理解を深める努力をした。
4)新生児スクリーニングガイドライン作成、遺伝子治療アンケート調査委員会を編成しライソゾーム患者に対するアンケート調査を検討した。
5)難病プラツトフォームを利用したレジストリシステムの構築を施行した。
結果と考察
結果          
①ライソゾーム病(LSD)&ペルオキシゾーム病(PD)、ADLのQOLを含む一次調査後の各ライソゾーム病の我が国における推定患者数を疾患別に統計専門家に依頼調査した。又三次調査の調査内容を検討し、二次調査表を各施設に配布し、調査した。(酒井)②ライソゾーム病、ペルオキシゾーム病の診断の手引き、治療ガイドラインの作成(下澤):LSDは現在31種近くの疾患が含まれ、前年度に引き続いてファブリ病(小林正久委員長)、ゴーシェ病(成田綾委員長)、ムコ多糖症I型(小須賀委員長)をマインズの手法に基づいて診療ガイドラインを作成した。前年度作成したポンぺ病、MPS II型は学会承認を得た。今年度はシスチノーシス、ファブリ病、ゴーシェ病のガイドラインを出版し、学会承認予定。③ライソゾーム病に特化した診断、治療の難病拠点病院体制について、岡山地区等を例にとり患者の意見も含め、全国規模で作成、拠点病院の役割、遺伝子診断体制の整備など診断、治療体制を具体的に検討した。④LSDの新生児スクリーニング対象疾患のガイドライン並びに戦略を作成し、新生児スクリーニング対象疾患としてポンぺ病、MPS I、 ALD、ファブリ病を挙げガイドラインを作成した。⑤LSD&ALDの遺伝子治療を推進するため、遺伝子治療推進体制の基盤作りの為アンケート調査内容をLSD患者に家族に対して施行した。⑥今後のLSD、ALDのレジストリー体制を難病プラツトフォームのシステムを用いてポンぺ病、ニーマンピツクC病、ムコ多糖症に関して作成するために基盤作りを施行した。
考察
 LSD、ALDの患者数全国調査から全国患者数の推計数を算出し、各LSDの三次調査で現状解析をおこなった(酒井ら)。ゴーシェ病、ファブリ病、シスチノーシスの診療ガイドラインを出版し、日本先天代謝異常学会、全国小児科教授、専門医などに配布し、又学会承認を得て一般販売を予定している。次年度は ニーマンピックC病、MPSIV型、MPS I型のガイドライン作成する予定であり、我が国のLSD患者の診療に役立てる。ALD、LSDの拠点病院構想、を具体化し、地方自治体と連携する。新生児スクリーニング体制の充実、遺伝子治療等新規治療法の啓蒙活動は今後難病センターへの情報提供に有用である。
結論
本研究班の活動は今後LSD、ALDの患者の診療医師並びに患者会、難病センターへの情報提供に有用であり、我が国でのLSD、ALDの患者並びに医療従事者に重要な情報を提供する。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
その他

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-11-15

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201911017C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ライソゾーム病&ぺルオキシゾーム病の患者の実数、QOL等明らかにし、又ムコ多糖症I, II, ポンぺ病、ゴーシェ病、チスチノーシス、ファブリ病、ALDのガイドラインを作成し、難病指定医に対して
有用な情報を提供した。更にライソゾーム病患者の拠点病院並びにトランジションに関してのパンフを作成、患者の参考資料として作成した。
臨床的観点からの成果
各種ライソゾーム病、ALDのガイドライン作成は難病医療に携わる医師に大変役立ち、早期診断、治療に有用であつた。又新生児スクリーニングのガイドラインの検討し、わが国のライソゾーム病新生児スクリーニングの発展に役立つと考えられた。
ガイドライン等の開発
ライソゾーム病、ALDのガイドライン作成は一般診療医の患者の診断、治療の指針となつた。
その他行政的観点からの成果
ライソゾーム病患者の診断、治療への問題を提起して、今後の患者のQOLを挙げるために、在宅診療、
治療へのアクセスなど行政と共に検討出来た。
その他のインパクト
2017年~2019年毎年市民公開フォーラムを開催して、ライソゾーム病患者、一般市民への啓蒙活動を行り、大きな成果を挙げた。

発表件数

原著論文(和文)
10件
原著論文(英文等)
149件
その他論文(和文)
26件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
363件
学会発表(国際学会等)
90件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
6件
H29,30, R1毎年市民公開フォーラム開催同時に国際遺伝病遺伝子治療フォーラム開催

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Hossain MA, Wu C, Yanagisawa H, Miyajima T, Eto Y.et al.
4. Future clinical and biochemical predictions of Fabry disease in females by methylation studies of the GLA gene. 
Mol. Genet. Metab. Report , 20 , 100497. -100504  (2019)
原著論文2
.Yanagisawa H, Hossain MA, Miyajima T, Eto Y.et al 
8. Dysregulated DNA methylation of GLA gene was associated with dysfunction of autophagy
Mol Genet. Metab. , 19 , 30014-30019  (2019)
原著論文3
Yamashita T, Mitsui J, Shimozawa et al.
Ataxic form of autosomal recessive PEX10-related peroxisome biogenesis disorders with a novel compound heterozygous gene mutation and characteristic clinical phenotype.
Science , 317 , 424-429  (2017)
原著論文4
Kobayashi M, Ohashi T, Ida H.et al.
Mutation spectrum of α-galactosidase A gene in Japanese patients with Fabry disease.
J. Hum . Genet. , 67 , 695-699-  (2019)
原著論文5
Nojiri A, M, Kobayashi H, Ohash T. et al.
Clinical findings of gadolinium-enhanced cardiac magnetic resonance in Fabry patients
J. Cardiol. , 75 , 27-33  (2020)

公開日・更新日

公開日
2021-06-07
更新日
2024-05-23

収支報告書

文献番号
201911017Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,612,000円
(2)補助金確定額
17,978,000円
差引額 [(1)-(2)]
634,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,961,399円
人件費・謝金 1,466,358円
旅費 4,379,945円
その他 8,170,302円
間接経費 0円
合計 17,978,004円

備考

備考
預金利息:1円
自己資金:3円

公開日・更新日

公開日
2021-06-14
更新日
-