国際食品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生規制の国際化戦略に関する研究

文献情報

文献番号
201723032A
報告書区分
総括
研究課題名
国際食品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生規制の国際化戦略に関する研究
課題番号
H29-食品-指定-013
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 豊福 肇(山口大学共同獣医学部)
  • 石見 佳子(医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
  • 渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
  • 山口 治子(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター安全性予測評価部)
  • 松尾 真紀子(東京大学公共政策大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
7,360,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品基準等を策定する国際政府間組織であるコーデックス委員会総会及び各部会への対処方針の検討に必要な論点をまとめ、迅速に日本政府に提供することにより、日本政府が、わが国の現状を踏まえたコーデックス基準等の策定に貢献することを支援する。また、経済連携協定の交渉及び協定に基づく技術的協議を含めた国内外対応に必要な国際的な知見や動向を必要に応じて整理・分析し、今後考慮すべき事項を提言する。
研究方法
コーデックス委員会の総会、各部会及びその関連会議の過去の議論、各国の立場、日本政府の対応を各部会報告書等の詳細な検討により整理すると共に、リスクアナリシスを実施するための各種データ等、科学的根拠となる知見を、各国政府機関や学術領域から収集し分析する。その結果をとりまとめ、各部会等へ提出するコメント及び対処方針の作成並びに議場での政府職員の対応を支援し助言するとともに、部会報告の作成に協力する。また、政府職員の国際対応能力向上のための研修のあり方について検討するとともに、一般の方々を含めた関係者のコーデックス活動への理解を深めるための食品安全に関するシンポジウム等を開催する。
結果と考察
食品安全に関する国際的な動向を整理するため、コーデックス委員会の各部会、特に食品中の動物用医薬品の残留基準値等を設定する「残留動物用医薬品部会(CCRVDF)」、食品中の微生物ハザードの管理に関する作業を行う「食品衛生部会(CCFH)」、食品の輸出入における検査や管理システムについて作業する「食品輸出入検査・認証制度部会(CCFICS)」、食品表示を目的としたビタミン、ミネラル等の栄養参照量(NRVs, Nutrient Reference Values)の設定のための一般原則や非感染性疾患のリスクに関連する栄養素のVRVs-NCDについて議論する「栄養・特殊用途食品部会(CCNFSDU)」、食品及び飼料中の汚染物質と天然由来の毒素に関連する国際規格策定や汚染低減策を検討する「食品汚染物質部会(CCCF)」、コーデックス規格の実行に不可欠な、分析・サンプリング法の承認やガイドラインの策定を行う「分析サンプリング法部会(CAMAS)」等における議論を調査・分析した。その結果に基づき、我が国の食品安全行政の課題を指摘し、今後の方針について助言を行った。また、国内におけるコーデックス委員会への対応の一環として、食品流通の国際化に伴う食品安全行政の国際対応に必要な知識に関する厚生労働省の食品安全担当職員への研修プログラムの提供および講義等を実施した。さらにコーデックスの活動内容に対する認識を深めてもらうためのリスクコミュニケーション活動として国際シンポジウムを開催し、多数の参加者を得て活発な討論を行った。
本年度に開催されたコーデックス委員会の総会および各部会の多くの議題は次回会合以降で議論継続となっている。そのための作業部会等も新たに立ち上げられているため、次年度も継続的に議論の調査・分析を進めていく必要がある。あわせて、食品安全行政の国際対応に関する研修プログラムの検討、研修教材の提供及び講義、およびリスクコミュニケーションのための国際シンポジウムの開催も必要であり、継続的に実施する必要がある。
結論
コーデックス委員会総会及び各部会におけるコーデックス基準等の策定作業に関連し、本年度の研究で得られた科学的知見や各国の立場を踏まえ、日本政府の対処方針作成及び議場での発言に資する情報を提供することができた。食品衛生に関する政府の取組の国際整合の観点から、コーデックス委員会の議論について引き続き調査・分析を進めていく必要がある。また、本研究成果をフィードバックさせ、国際交渉等に対応する政府職員のための研修プログラムを提供するとともに、コーデックス委員会に関する理解を深めるための国際シンポジウムを企画、開催した。研修を受講した食品安全行政担当職員及びシンポジウム参加者のアンケート結果から、これらの取組が有用であることが示され、今後も内容をアップデートしつつ、このような機会を提供することが重要である。

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201723032Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,360,000円
(2)補助金確定額
7,349,000円
差引額 [(1)-(2)]
11,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,328,757円
人件費・謝金 1,551,550円
旅費 2,288,725円
その他 1,180,835円
間接経費 0円
合計 7,349,867円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2019-03-18
更新日
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