特定機能病院、地域医療支援病院のあり方及び病院第三者評価についての研究

文献情報

文献番号
201620053A
報告書区分
総括
研究課題名
特定機能病院、地域医療支援病院のあり方及び病院第三者評価についての研究
課題番号
H28-医療-指定-033
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
熊川 寿郎(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
  • 吉田 穂波(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 松繁 卓哉(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 特定機能病院における事故事例等を踏まえ、平成27年度に厚生労働省が大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォースを開催し、特定機能病院の医療安全管理の改善策をとりまとめ、平成28年4月から新しい仕組みが順次施行される。このためこれらの改善策を推進するための調査、支援等のあり方について検討、実施することを目的とした。また厚生労働省の地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会において、医療提供体制における特定機能病院および地域医療支援病院の役割や位置付けを検討するべきであるという指摘を受けており、様々な調査・データ分析等を行った上で、位置付けを整理する必要がある。そのため、これらを分析するための基礎資料の作成行うことも研究目的の一つである。
研究方法
 研究体制として、国立大学附属病院の代表、私立大学附属病院の代表、公的病院の医療安全担当者などに加えて、患者・国民の視点、看護師、薬剤師、国際的な取組み、などの視点から検討できる方々の協力を得た。そして特定機能病院の医療安全管理体制の改善およびガバナンス、そして地域医療支援病院等の実態調査を、以下の方法で行う。
①特定機能病院の医療安全管理体制について
・管理者、医療安全管理責任者等への研修のあり方について、既存の関連したプログラムをレビューし、現場の医療安全管理に関わる医師や看護師、患者視点の代表者とともの議論を行い、研修プログラム案の作成を行う。
・既存の医療安全講習の内容について、既存のe-learning等のプログラムをレビューし、とりまとめを行う。
・ピアレビューや外部監査委員会の監査の方法について現状をレビューする。
②病院第三者評価について
・日本医療機能評価機構、ジョイントコミッションインターナショナル(JCI)その他の組織が提供している病院第三者機能評価について、項目の比較、サーベイの手法の比較等を行い、まとめる。また、諸外国における審査の影響(患者の病院選択に資する効果や医療の質の向上に関するものを含む。)に係る分析・評価を行う
③特定機能病院および地域医療支援病院の医療提供体制の位置付けについて
・既に公開されている業務報告書等のデータ分析を行い、医療提供体制上の、特定機能病院および地域医療支援病院の位置付けを検討するための基礎資料を作成する。
④特定機能病院等における医薬品安全管理について
・特定機能病院を対象にヒアリングを実施する。
結果と考察
 医療安全管理体制に関わる取組みを推進するため、①特定機能病院の医療安全管理体制については、A ) 管理者等への研修のガイド(案)を作成し、B) 特定機能病院における職員向けの医療安全研修について研究協力者の病院における取組みをレビューし、C) 既存の国立や私立の大学病院におけるピアレビューについてレビューし、その運営・実施に関わる課題等を整理した。D) 外部監査については、研究協力者の特定機能病院における現状についてレビューし、外部監査に求められる視点等についても検討するとともに、他の立ち入り検査やピアレビューなどとの違いについても議論した。E) 医療安全に関するモニタリング指標については、参考となる指標についてレビューし、例示した。②特定機能病院のガバナンスについては、研究期間中にも継続していた特定機能病院のガバナンスに関わる検討会における議論の状況や安全管理体制の経過措置等を考慮しつつ、2年計画の1年目で実施すべき課題について取組むことができた。③地域医療支援病院の医療提供体制の位置付けについては、それぞれ地方厚生局および各都道府県のウェブサイトから、公開されている全ての最新の業務報告書を入手し、病院の現状について把握するための基礎資料を作成した。④病院の第三者評価(医療機能評価機構、JCIなど)については、評価による質・安全向上のエビデンスをレビューし整理した。特定機能病院等における医薬品安全管理については、未承認医薬品等を安全に提供するための体制整備には、各医療機関の実状に合わせることが必要であることから、まず、手順書に定めた上で、その内容については、適宜見直しを行うことが重要であると考えられた。
結論
 特定機能病院の医療安全管理体制の新たに取組みについては、継続して、その実施状況をモニターし、情報等を共有し、効果的・効率的に実現できるように支援することが必要である。とくに特定機能病院の管理者等の研修については、試行しつつより良い研修のモデルを示すことが必要である。また特定機能病院の地域における医療提供体制における位置付け等に関わる分析については、継続した分析が必要である。

公開日・更新日

公開日
2017-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-09-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201620053Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,000,000円
(2)補助金確定額
12,749,203円
差引額 [(1)-(2)]
250,797円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,256,916円
人件費・謝金 2,009,418円
旅費 1,456,618円
その他 7,026,251円
間接経費 0円
合計 12,749,203円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2017-09-11
更新日
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