個人番号カードを活用した医療従事者認証手法に関する研究

文献情報

文献番号
201620041A
報告書区分
総括
研究課題名
個人番号カードを活用した医療従事者認証手法に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-021
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学 科学技術創成研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会)
  • 土屋 文人(国際医療福祉大学 薬学部)
  • 八幡 勝也(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 齋田 幸久(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 安藤 裕(慶應義塾大学 医学部)
  • 山本 隆一(一般財団法人医療情報システム開発センター)
  • 小尾 高史(国立大学法人東京工業大学 科学技術創成研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
6,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国では、保健医療福祉分野向けの公開鍵基盤(HPKI)が運用されているが、カードの発行、管理、運用等に要する過大な費用やカード発行時の本人確認及び公的資格確認のために複雑な手続きが必要などの課題がある。一方、2016年より交付が開始された個人番号カードに実装されている公的個人認証サービス(JPKI)は、利用者本人との対応付けの信頼性は極めて高いため、個人番号カード及びJPKIを利用した医療従事者資格の認証・電子署名が実現すれば、医療従事者本人の存在の信頼性が高まるだけでなく、医療従事者資格の認証・電子署名に必要なシステムの設備投資や運用コストが削減できる可能性があり、今後の医療情報化の推進に大きく貢献すると期待される。そのため本研究では、医療従事者の資格確認や有資格者の電子署名の手段として、個人番号カード及びJPKIを利用することを検討し、その具体的な実現モデルを示すことを目的とする。
研究方法
研究方法としては、まず現状のHPKIやJPKIの利用に関する制度を調査し、課題や対応策を整理する。これらの状況を踏まえ、JPKIとHPKIの連携による医療従事者資格確認を行う実現モデルを提示し、その効果や実現可能性について議論する。また提案手法の応用例として、医療情報連携など具体的なユースケースを設定し、その応用システムの設計を行う。
結果と考察
個人番号カードおよびJPKIを利用して医療従事者資格を確認する方法について検討した結果、技術的には実現可能なモデルを示すことはできたが、現状の制度としては認められておらず、短期的な実現は難しいことを明らかにした。一方、HPKIカードの新規発行申請時における本人確認にJPKI利用者証明を利用することは現行の制度でも可能であり、この仕組みによってHPKI用カード発行時の手間や発行・管理に用いるシステムの設備投資が削減できるとともに、極めて高い信頼性で医療従事者の本人性および実在性を確認できることを示した。
結論
今年度は、個人番号カードおよびJPKIを利用した医療従事者資格の確認手法について検討を行い、具体的な実現モデルを提案し、その効果や実現可能性を明らかにした。平成29年度は、具体的なユースケースを通して予測される提案手法の効果を検証し、改善すべき技術課題を明らかにし、具体的な実現指針を提言としてまとめる予定である。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201620041Z