相談支援従事者研修のプログラム開発と評価に関する研究

文献情報

文献番号
201616010A
報告書区分
総括
研究課題名
相談支援従事者研修のプログラム開発と評価に関する研究
課題番号
H28-身体・知的-一般-004
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
小澤 温(筑波大学 人間系)
研究分担者(所属機関)
  • 島村 聡(沖縄大学 人文学部)
  • 沖倉 智美(大正大学 人間学部)
  • 高野 龍昭(東洋大学 ライフデザイン学部)
  • 森地 徹(筑波大学 人間系)
  • 大村 美保(筑波大学 人間系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
4,890,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者総合支援法施行3年目の見直しについての社会保障審議会・障害者部会の報告書が公表され、相談支援の人材育成の見直しに関しても検討された。本研究では、この報告書の指摘をもとに、1)相談支援専門員のカリキュラム、教材と教育方法の分析と開発、2)主任相談支援専門員に求められているコンピテンシー(専門的能力)とスーパーバイズスキルの解明、3)相談支援専門員と介護支援専門員、両者の視点をふまえた研修のあり方の分析、4)1)で明らかにされた内容を含んだ研修のモデル実施と全国的な研修への普遍化の検討、の4点を目的とした。このうち28年度は1)、2)の研究目的を中心に検討した。
研究方法
・相談支援専門員に対する研修教材・資料の収集と分析では、これまでの研修に関する実施経過を経年的にまとめながら、文献・資料の整理を行った。
・都道府県で実施されている初任研修・現任研修のカリキュラム改定案の作成および研修担当者・関係者への調査では、都道府県で実施されている研修のカリキュラムの収集を行い、収集した資料をもとに研修カリキュラム案を作成した。作成したカリキュラム案に対しての意見を把握するため47都道府県、2政令指定都市および都道府県レベルで組織している相談支援専門員協会担当者、都道府県の研修に関わっている相談支援専門員に対して質問紙調査を実施した。あわせて、埼玉県、神奈川県の研修に関わっている相談支援専門員、行政関係者からヒアリングを行った。
・収集した教材・資料分析から主任相談支援専門員の専門的能力の解明では、実践的な研究報告書を中心に検討した。
結果と考察
・相談支援専門員に対する研修教材・資料の収集と分析では、障害者自立支援法施行後の文献として研究報告書26文献を収集した。内容は、相談支援体制、相談支援事業所の現状と課題、ケアマネジメント過程、サービス等利用計画作成、人材育成の5分野に関わるものに大別できた。これらの文献の検討の結果、相談支援専門員にはアセスメント力、ネットワーク形成力、利用者の主体性の重視視点が必要なことが示された。
・都道府県で実施されている初任研修・現任研修のカリキュラム改定案の作成および研修担当者・関係者への調査では、研修資料と専門的能力の検討からカリキュラム案を作成し、研修担当者・関係者に改定案に関する質問紙調査を実施し、332票(回収率44.1%)から回答を得た。全体的な傾向として改定案を評価する意見が多かった。
・主任相談支援専門員の専門的能力の解明では、個別支援、地域デザイン、人材育成の3ステージに対応した能力の必要性が示唆された。
結論
 本調査研究から、以下の知見が得られた。
・相談支援専門員にはアセスメント力、ネットワーク形成力、利用者の主体性の重視視点が必要なことが示された。
・初任研修、現任研修のカリキュラム改定案に関しては都道府県の研修担当者・関係者から評価する意見が多かったが、実際の研修運営(指導者の確保等)での課題についての指摘もみられた。
・相談支援の専門性に関しては、個別支援のスキル(主に初任研修レベル)、地域デザイン・資源開発のスキル(主に現任研修レベル)、地域での相談支援人材育成スキル(主に主任相談支援専門員レベル)の3ステージから整理できた。

公開日・更新日

公開日
2017-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2017-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201616010Z