健康危機管理・テロリズム対策に資する情報共有基盤の整備に関する研究

文献情報

文献番号
201525004A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機管理・テロリズム対策に資する情報共有基盤の整備に関する研究
課題番号
H25-健危-一般-012
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
3,389,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては、国内外のネットワークを確立し、そのネットワークを通じて国内外の最新の指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の知見を集約し、厚生労働省に提示し、厚生労働省の健康危機管理・テロリズム対策の強化に資することを目的とする。東日本大震災以降、緊急医療のみならず、公衆衛生や心のケア等医療関係の様々な分野の支援体制が確立してきている。しかし、様々な支援体制が確立しても、相互の連携体制がない場合、却って被災地に負担を強いる結果になる可能性がある。効果的かつ効率的な連携のためには、情報共有が重要な課題となる。しかし、これらの支援体制ごとに縦割りの情報システムが構築された場合、このような連携の妨げになるばかりでなく、現場の作業負担が増え、混乱の基となる。そこで、本研究においては、このような災害時の保健医療関係活動の情報システムの共有の具体的手法の開発を行うことを目的とする。 東日本大震災においては、災害時の保健医療関連活動におけるコーディネートが課題となった。効果的な災害支援活動においては、指揮調整機能の確立が最も重要である。そこで、今回、災害・健康危機発生時における保健医療関連分野の分野横断的、フェイズ横断的なコーディネートのあり方についてそのモデルを提示することを目的とする。
研究方法
・厚生労働省の健康危機管理・テロリズム対策機能強化に関する研究 健康危機管理・テロリズム対策諸外国の指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の情報を同定・収集・分析・提供する。・健康危機管理情報システムの共有に関する研究 災害医療、公衆衛生、心のケアの情報システム共有の具体的手法の開発を行う。・災害・健康危機管理のコーディネートのあり方についての研究
災害・健康危機管理のコーディネートのあり方を検討し、必要な技能を得るための研修カリキュラムを開発、試行し、その実効性について検証する。
結果と考察
化学・生物防護科学技術会議(CBD S&T Conference 2015)からの情報を整理し、厚生労働省に提示したこと、8月に発生したタイ、バンコクにおけるテロ事件に対するタイ政府機関の対応方法についての情報を共有しディスカッションを行ったこと、さらに国内におけるNBCテロ対策の専門家によるネットワークを構築し、会合によりその実効性を高めたことが成果である。今後の課題としては、世界各地でテロ実験が頻発していること、また次年度には主要国首脳会談が開催されることなどを鑑みると、引き続き、健康危機管理・テロリズム対策諸外国の指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の情報を同定・収集・分析・提供する必要があると考えられる。改定された広域災害救急医療情報システム(EMIS)を政府総合防災訓練などで用い、情報共有の課題について検証した。特に、避難所情報の評価、また支援チームの情報など避難所以外における共通項目の検討を行った。また、実災害で用いられた事例についても検証し、その有用性を明らかにした。今後は、EMISと災害時保健医療クラウドシステムの連動を試行し、問題点を抽出すること、また、支援チームの情報などの共通項目の検討も必要であると考えられる。昨年度開発した研修カリキュラムを実施し、それら研修についての標準的な研修カリキュラムを提示したことが成果である。 同様に研修を実施した保健医療科学院の健康危機管理研修会、都道府県における研修から情報を収集し、問題点等を検討している。今後は、保健医療科学院の健康危機管理研修会等における問題点を整理し、継続して開催する災害医療コーディネート研修についても検証を行い、標準的な研修カリキュラムの改訂等を行うと共に、情報処理・連絡機能の担い手への組織的な研修のあり方を提示することが課題である。
結論
生物・化学防護に関する科学技術会議といった海外において行われる会合からの情報を整理し、厚生労働省に提示した。国内におけるNBCテロ対策の専門家によるネットワークを構築し、会合によりその実効性を高め、健康危機管理情報システムの共有に関する基本指針を提示し、それを基に改定されたEMISの避難所評価項目を訓練や実災害における運用の成果も踏まえ、整理した。災害・健康危機管理のコーディネートのあり方については、標準的な研修カリキュラムを提示した。また、市町村レベルでのコーディネートについてモデルを開発しそれに基づき訓練を行ったこと、コーディネートチームの情報処理要員が必要であることを提示したことが成果である。

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201525004B
報告書区分
総合
研究課題名
健康危機管理・テロリズム対策に資する情報共有基盤の整備に関する研究
課題番号
H25-健危-一般-012
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては、国内外のネットワークを確立し、そのネットワークを通じて国内外の最新の指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の知見を集約し、厚生労働省に提示し、厚生労働省の健康危機管理・テロリズム対策の強化に資することを目的とする。東日本大震災以降、緊急医療のみならず、公衆衛生や心のケア等医療関係の様々な分野の支援体制が確立してきている。しかし、様々な支援体制が確立しても、相互の連携体制がない場合、却って被災地に負担を強いる結果になる可能性がある。効果的かつ効率的な連携のためには、情報共有が重要な課題となる。しかし、これらの支援体制ごとに縦割りの情報システムが構築された場合、このような連携の妨げになるばかりでなく、現場の作業負担が増え、混乱の基となる。そこで、本研究においては、このような災害時の保健医療関係活動の情報システムの共有の具体的手法の開発を行うことを目的とする。 東日本大震災においては、災害時の保健医療関連活動におけるコーディネートが課題となった。効果的な災害支援活動においては、指揮調整機能の確立が最も重要である。そこで、今回、災害・健康危機発生時における保健医療関連分野の分野横断的、フェイズ横断的なコーディネートのあり方についてそのモデルを提示することを目的とする。
研究方法
・厚生労働省の健康危機管理・テロリズム対策機能強化に関する研究健康危機管理・テロリズム対策諸外国の指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の情報を同定・収集・分析・提供する。・健康危機管理情報システムの共有に関する研究 災害医療、公衆衛生、心のケアの情報システム共有の具体的手法の開発を行う。・災害・健康危機管理のコーディネートのあり方についての研究
災害・健康危機管理のコーディネートのあり方を検討し、必要な技能を得るための研修カリキュラムを開発、試行し、その実効性について検証する。
結果と考察
化学・生物防護科学技術会議(CBD S&T Conference 2015)からの情報を整理し、厚生労働省に提示したこと、8月に発生したタイ、バンコクにおけるテロ事件に対するタイ政府機関の対応方法についての情報を共有しディスカッションを行ったこと、さらに国内におけるNBCテロ対策の専門家によるネットワークを構築し、会合によりその実効性を高めたことが成果である。今後の課題としては、世界各地でテロ実験が頻発していること、また次年度には主要国首脳会談が開催されることなどを鑑みると、引き続き、健康危機管理・テロリズム対策諸外国の指針・ガイドライン、関連する技術の開発の動向等の情報を同定・収集・分析・提供する必要があると考えられる。改定された広域災害救急医療情報システム(EMIS)を政府総合防災訓練などで用い、情報共有の課題について検証した。特に、避難所情報の評価、また支援チームの情報など避難所以外における共通項目の検討を行った。また、実災害で用いられた事例についても検証し、その有用性を明らかにした。今後は、EMISと災害時保健医療クラウドシステムの連動を試行し、問題点を抽出すること、また、支援チームの情報などの共通項目の検討も必要であると考えられる。昨年度開発した研修カリキュラムを実施し、それら研修についての標準的な研修カリキュラムを提示したことが成果である。 同様に研修を実施した保健医療科学院の健康危機管理研修会、都道府県における研修から情報を収集し、問題点等を検討している。今後は、保健医療科学院の健康危機管理研修会等における問題点を整理し、継続して開催する災害医療コーディネート研修についても検証を行い、標準的な研修カリキュラムの改訂等を行うと共に、情報処理・連絡機能の担い手への組織的な研修のあり方を提示することが課題である。
結論
厚生労働省の健康危機管理・テロリズム対策機能強化に関する研究、健康危機管理情報システムの共有に関する研究、災害・健康危機管理のコーディネートのあり方についての研究を行った。その結果、生物・化学防護に関する科学技術会議といった海外において行われる会合からの情報を整理し、厚生労働省に提示したこと、国内におけるNBCテロ対策の専門家によるネットワークを構築し、会合によりその実効性を高めたこと、健康危機管理情報システムの共有に関する基本指針を提示し、それを基に改定されたEMISの避難所評価項目を訓練や実災害における運用の成果も踏まえ、整理したこと、災害・健康危機管理のコーディネートのあり方については、標準的な研修カリキュラムを提示した。また、市町村レベルでのコーディネートについてモデルを開発しそれに基づき訓練を行ったこと、コーディネートチームの情報処理要員が必要であることを提示したことが成果である。

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201525004C

収支報告書

文献番号
201525004Z