医療・介護分野における公的個人認証サービスを利用した情報連携に関する研究

文献情報

文献番号
201520037A
報告書区分
総括
研究課題名
医療・介護分野における公的個人認証サービスを利用した情報連携に関する研究
課題番号
H26-医療-指定-034
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学 像情報工学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会)
  • 土屋 文人(国際医療福祉大学 薬学部)
  • 八幡 勝也(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 齋田 幸久(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 安藤 裕(独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院医療情報課)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学 大学院医学系研究科)
  • 小尾 高史(国立大学法人東京工業大学 像情報工学研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成27年1月より配布予定の個人番号カードには、既存の電子署名機能に加えて電子利用者証明(電子認証サービス)機能が利用可能な新たな公的個人認証サービス(JPKI)が搭載される。また、新たなJPKIは、民間事業者であっても政令で定める基準に適合すればその利用が認められることとなる。今後ネットワーク技術の活用が想定される医療介護サービスの実現には、サービス提供時の医師・薬剤師等の法定資格の確認や医療データの提供・利用に関わる責任所在を明確化できる仕組みの構築が必要であり、本研究では、JPKIと医療従事者の資格確認を可能とする認証基盤(HPKI)を連携させることで、その仕組みを利用した新たな医療・介護分野における情報サービスの実現方法について検討する。
研究方法
まず現在政府等で検討が進められているJPKIの民間利用に向けた取り組み状況について調査する。次に、医療・介護分野での個人情報等を扱う業務について、HPKIとの連携の必要性、またJPKIによる電子認証を適用する際に求められるセキュリティや運用効率等の技術的要件を整理する。そして、これら業務についての具体的なサービスモデル及びシステムの設計を行い、プロトタイプシステムを構築した上で、検討した認証の仕組みの有効性の評価と問題点の抽出を行う。さらには、提案する認証基盤を利用した医療・介護分野における情報サービスの実施方法についての提言をまとめるとともに、実用化へ向けての課題を明らかにする。
結果と考察
JPKIを利用した医療・介護に関する情報サービスの具体的なユースケースとして、昨年度検討した保険資格確認と在宅医療・介護における情報管理についてさらなる検討を行い、より高速かつオフラインでも保険資格確認を行えるシステムや、JPKIやHPKIによる認証に加えて、時間、場所、端末情報を確認した上でアクセスを許可する在宅医療での情報共有手法を提案し、そのプロトタイプシステムの構築を行った。さらに、電子処方せんの運用モデルについて検討を行い、JPKIとHPKI連携させることで信頼性の高い薬歴情報を提供可能な電子処方せん及び薬歴情報管理システムを提案した。
結論
提案技術のフィージビリティはプロトタイプの作成等により確認することができた。そして、JPKIを利用するための環境整備、HPKIの普及、医療等IDの整備等が残された課題であることを指摘した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201520037B
報告書区分
総合
研究課題名
医療・介護分野における公的個人認証サービスを利用した情報連携に関する研究
課題番号
H26-医療-指定-034
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学 像情報工学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会)
  • 土屋 文人(国際医療福祉大学 薬学部)
  • 八幡 勝也(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 齋田 幸久(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 安藤 裕(独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院医療情報課)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学 大学院医学系研究科)
  • 小尾 高史(国立大学法人東京工業大学 像情報工学研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成27年1月より配布予定の個人番号カードには、既存の電子署名機能に加えて電子利用者証明(電子認証サービス)機能が利用可能な新たな公的個人認証サービス(JPKI)が搭載される。また、新たなJPKIは、民間事業者であっても政令で定める基準に適合すればその利用が認められることとなる。今後ネットワーク技術の活用が想定される医療介護サービスの実現には、サービス提供時の医師・薬剤師等の法定資格の確認や医療データの提供・利用に関わる責任所在を明確化できる仕組みの構築が必要であり、本研究では、JPKIと医療従事者の資格確認を可能とする認証基盤(HPKI)を連携させることで、その仕組みを利用した新たな医療・介護分野における情報サービスの実現方法について検討する。
研究方法
まず現在政府等で検討が進められているJPKIの民間利用に向けた取り組み状況について調査する。次に、医療・介護分野での個人情報等を扱う業務について、HPKIとの連携の必要性、またJPKIによる電子認証を適用する際に求められるセキュリティや運用効率等の技術的要件を整理する。そして、これら業務についての具体的なサービスモデル及びシステムの設計を行い、プロトタイプシステムを構築した上で、検討した認証の仕組みの有効性の評価と問題点の抽出を行う。さらには、提案する認証基盤を利用した医療・介護分野における情報サービスの実施方法についての提言をまとめるとともに、実用化へ向けての課題を明らかにする。
結果と考察
まず政府におけるJPKIの民間利用に向けた取り組み状況や認証の方式について調査を行い、医療や介護分野におけるJPKIやHPKIの利用が求められるサービスにおける技術的な要件を整理した。また具体的なユースケースとして、保険資格確認、在宅医療・介護における情報管理、電子処方せんについて検討を行い、高速かつオフラインでも保険資格確認を行えるシステム、JPKIやHPKIによる認証に加えて、時間、場所、端末情報を確認した上でアクセスを許可する在宅医療での情報共有手法、JPKIとHPKI連携させることで信頼性の高い薬歴情報を提供可能な電子処方せん及び薬歴情報管理システムを提案し、そのプロトタイプシステムの構築を行った。
結論
提案技術のフィージビリティはプロトタイプの作成等により確認することができた。そして、JPKIを利用するための環境整備、HPKIの普及、医療等IDの整備等が残された課題であることを指摘した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201520037C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では、公的個人認証サービス(JPKI)と医療従事者の資格確認を可能とする認証基盤(HPKI)を連携させ、この仕組みを利用した新たな医療・介護分野における情報サービスの実現方法について検討を行い、具体的なユースケースとして、オンライン保険資格確認、在宅医療・介護における情報管理、電子処方せんについて、これらの具体的な運用モデルを示した。
臨床的観点からの成果
提案技術の実現によって、信頼性の高い患者認証と、医療従事者の資格認証の連携が行えるようになり、医療従事者資格に応じた患者情報へのアクセス制御など、より安全で柔軟性の高い医療情報サービスの実現が期待できる。また、保険資格の即時確認のために必要となる認証基盤や、情報連携のためのネットワークが整備されることとなるため、JPKIとHPKIを連携させた新たな医療情報サービスの導入が促進され、医学の発展と医療サービスの質の向上へ寄与することが期待される。
ガイドライン等の開発
本研究におけるJPKIとHPKIを利用した情報連携の仕組みに関する検討結果は、厚労省の定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に反映させ、我が国の方策として実現されるよう推進活動を行っていく予定である。
その他行政的観点からの成果
本研究で提案したオンライン保険資格確認については、厚生労働省の医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会の中で議論されており、本研究において技術的な実現可能性が示されたことで、研究会の最終報告書やその後の日本再興戦略2016などへのオンライン保険資格確認導入の明記につながっている。また電子処方せんについては、研究代表者及び研究分担者が参加する厚生労働省における医療情報ネットワーク基盤検討会において電子処方せんの実施方策が議論され、本研究の成果が反映されている。
その他のインパクト
本研究で提案したオンライン保険資格確認については、平成26年度及び27年度に秋田県酒田市及び大分県別府市において総務省の実証事業が実施され、提案手法の技術的なフィージビリティを確認している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
4件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2019-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201520037Z