文献情報
文献番号
201510109A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-指定-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 病院)
研究分担者(所属機関)
- 山田正仁(金沢大学)
- 田中 章景(横浜市立大学医学部神経内科)
- 北本哲之(東北大学大学院医学系研究科)
- 中村好一(自治医科大学公衆衛生学)
- 金谷 泰宏(国立保健医療科学院)
- 村山 繁雄(東京都健康長寿医療センター)
- 佐藤 克也(長崎大学医歯薬総合研究科運動障害リハビリテーション分野)
- 原田雅史(徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部)
- 齊藤 延人(東京大学医学部脳神経外科)
- 太組 一朗(日本医科大学武蔵小杉病院脳神経外科)
- 森若 文雄(医療法人北祐会神経内科病院)
- 青木 正志(東北大学大学院医学系研究科)
- 西澤 正豊(新潟大学脳研究所)
- 犬塚 貴(岐阜大学医学部)
- 望月 秀樹(大阪大学大学院神経内科)
- 阿部 康二(岡山大学医学部)
- 村井 弘之(九州大学医学部)
- 古賀 雄一(大阪大学大学院工学研究科)
- 黒岩 義之(財務省診療所)
- 桑田 一夫(岐阜大学大学院創薬医療情報研究科)
- 三條 伸夫(東京医科歯科大学大学院)
- 塚本 忠(国立精神・神経料研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
57,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、プリオン病のサーベイランス、プリオン蛋白遺伝子解析・髄液検査・画像診断の提供、感染予防に関する調査と研究をより効率良くかつ安定して遂行するために2010年度から開始された。
研究方法
日本全国を10ブロックに分け、各ブロックに地区サーベイランス委員を配置し迅速な調査を行うと共に、遺伝子検査、髄液検査、画像検査、病理検査、脳外科を担当する専門委員を加えて年2回委員会を開催している。
結果と考察
2016年1月末の時点で86例の硬膜移植後クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を含む2736例がプリオン病と認定され最新の疫学像が明らかにされた。変異型CJDは2004年度の1例のみでその後は発生していない。髄液中バイオマーカーの検出感度は、14-3-3蛋白が73.9%、総タウ蛋白が78.3%、RT-QUICが72.2%と高感度であった。医療を介する感染の予防については、新たなインシデントの発生は1例あり、27例がリスク保有可能性の告知対象者となった。プリオン病における滅菌の必要性のさらなる周知徹底が求められる。昨年に引き続き、超高熱でも作用する金属要求性の低い好熱プロテアーゼの使用には、高熱と界面活性剤の併用が望ましいことを明らかにし、V2プリオンの消毒・滅菌法の研究も順調に進められている。これらの成果等はプリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班・プリオン病及び遅発性ウイルス感染症の分子病態解明・治療法開発に関する研究班との合同班会議終了後速やかに開催されたプリオン病のサーベイランスと感染対策に関する全国担当者会議にて報告され、その周知徹底を計った。
結論
2016年1月末の時点で86例の硬膜移植後クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を含む2736例がプリオン病と認定され最新の疫学像が明らかにされた。変異型CJDは2004年度の1例のみでその後は発生していない。髄液中バイオマーカーの検出感度は、14-3-3蛋白が73.9%、総タウ蛋白が78.3%、RT-QUICが72.2%と高感度であった。医療を介する感染の予防については、新たなインシデントの発生は1例あり、27例がリスク保有可能性の告知対象者となった。
公開日・更新日
公開日
2016-09-20
更新日
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