プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201510023A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-028
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学(神経内科学))
研究分担者(所属機関)
  • 水澤 英洋(国立精神・神経医療研究センター 病院)
  • 堂浦 克美(東北大学大学院医学系研究科 神経化学分野)
  • 堀内 浩幸(広島大学 大学院生物圏科学研究科免疫生物学研究室)
  • 西田 教行(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科感染分子解析学分野)
  • 佐々木 真理(岩手医科大学 医歯薬総合研究所超高磁場MRI診断・病態研究部門)
  • 齊藤 延人(東京大学 医学部附属病院脳神経外科)
  • 岩崎 靖(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
  • 高尾 昌樹(埼玉医科大学 医学部国際医療センター)
  • 坪井 義夫(福岡大学 医学部神経内科学教室)
  • 濱口 毅(金沢大学 附属病院神経内科)
  • 細矢 光亮(福島県立医科大学 医学部小児科学講座)
  • 長谷川俊史(山口大学 大学院医学系研究科小児科学分野)
  • 楠原 浩一(産業医科大学 医学部小児科学講座)
  • 野村 恵子(熊本大学 医学部附属病院小児科)
  • 岡 明(東京大学 医学系研究科小児科学)
  • 吉永 治美(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科発達神経病態学)
  • 鈴木 保宏(大阪府立母子保健総合医療センター 小児神経科)
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 三浦 義治(東京都立駒込病院 脳神経内科)
  • 原 由紀子(東京医科大学 医師・学生・研究者支援センター 人体病理学分野)
  • 雪竹 基弘(佐賀中部病院 神経内科)
  • 阿江 竜介(自治医科大学 地域医療研究センター公衆衛生部門)
  • 鈴木 忠樹(国立感染症研究所 病理感染部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
17,302,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動 研究分担者 原 由紀子 杏林大学医学部 病理学教室(平成26年4月1日~平成27年月31日)→東京医科大学 医師・学生・研究者支援センター 人体病理学分野(平成27年6月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
致死的な神経感染症であるプリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性多巣性白質脳症(PML)の3疾患について、疫学、臨床病態の解明に基づき診断基準、重症度分類、診断ガイドラインの作成・整備することを目的した。
研究方法
本領域のエキスパートの臨床医、基礎研究者、獣医学者等を結集した融合的研究組織を構築し、対象となる3疾患ごとに分科会を設置し、研究者間の緊密な連携をとりながら研究を推進した。プリオン病に関しては関連研究班と密接に連携し、さらに全国のCJD担当専門医の協力を得ながら研究を推進した。また、国際共同研究、国際協力(プリオン病に関するEuroCJDグループとの共同研究、SSPE多発地であるトルコ共和国との共同研究ほか)を継続した。さらに、診療ガイドライン整備に取り組んだ。
結果と考察
(1)プリオン病:プリオン病サーベイランデータの検討、二次感染リスクのある症例の抽出を継続した。End-point RT-QUIC法におけるヒトプリオン病患者の脳及び脳脊髄液中のprion seeding activity(Seeding Dose(SD50))定量法の確立、MRI経時変化の自動検出プログラム改良、新しいMM2皮質型孤発性Creutzfeldt-Jakob病(CJD)診断基準等を報告した。プリオン病コンソーシアム(JACOP)におけるプリオン病自然歴登録の現状を報告し、孤発性CJDの生存期間に影響する因子を検討した。(2) SSPE:小児慢性特定疾患治療研究事業によるSSPE意見書を改変し、特定疾患個人票と共通化した。特定疾患治療研究事業登録患者データを解析した。SSPE診断に必須の麻疹抗体の検討では、1979年から2006年に発症したSSPEは、血清HIあるいはCF抗体価で8倍以上、脳脊髄液HIあるいはCF抗体価で4倍以上の時に診断されていることが明らかになった。(3) PML:JCウイルス(JCV)ゲノム検査を介した全国サーベイランスで8年間に117名の患者を確認し、最近のPML発症の背景や臨床的特徴を明らかにした。PMLサーベイランス委員会による新規PMLサーベイランスシステムの確立のための計画が進行した。Natalizumab関連PMLの特徴の解析が進んだ。(4) 診療ガイドラインの整備等:3対象疾患それぞれの分科会において、診断基準、重症度分類を含む診療ガイドラインを2016年度に改訂・出版するための作業が進行した。
結論
プリオン病、SSPE、PMLについて、疫学・臨床病態の解明研究、診断法の最適化、診断基準作成等のための研究、治療法の最適化研究、それらに基づく診療ガイドライン改訂のための作業等で成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2016-07-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201510023Z