未成年者の健康課題および生活習慣に関する実態調査研究

文献情報

文献番号
201508022A
報告書区分
総括
研究課題名
未成年者の健康課題および生活習慣に関する実態調査研究
課題番号
H25-循環器等(生習)-指定-021
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
大井田 隆(日本大学医学部 公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 尾崎 米厚(鳥取大学医学部 環境予防医学分野)
  • 兼板 佳孝(大分大学医学部 公衆衛生・疫学講座)
  • 神田 秀幸(島根大学医学部 公衆衛生学)
  • 鈴木 健二(鈴木メンタルクリニック 精神医学)
  • 樋口 進(国立病院機構久里浜医療センター 精神医学)
  • 井谷 修(大分大学医学部 公衆衛生・疫学講座)
  • 池田 真紀(日本大学医学部 公衆衛生学分野)
  • 市川 宏伸(東京都小児総合医療センター 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
770,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の中高生の喫煙及び飲酒行動の実態と関連要因を明らかにし、対策の評価と推進方策を検討する。健康日本21(第2次)の最終評価の評価指標を提出する。そのために、喫煙及び飲酒行動に関連する環境要因調査、喫煙及び飲酒を取り巻く新たな問題の調査を実施する。本研究の目的は、わが国の中高生の喫煙及び飲酒実態とその動向を明らかにし、変動に影響を及ぼす要因の関連を検討し、わが国の喫煙、飲酒対策の推進方策を検討することである。わが国の重要な健康課題をモニタリングすること、課題を明らかにし、たばこ対策を改善するための新たな問題を検討すること、健康日本21および健やか親子21の最終評価のための情報を得るためにこの調査を実施することは必要である。その成果を用いて、わが国の現状と問題点及び解決方法を整理でき、喫煙及び飲酒対策の改善、推進のための方策を提言できる。
研究方法
全国学校総覧を用いて全国の中学校より140校、高等学校より124校を無作為抽出し、対象校に調査票を送付した。調査回答校の在校生徒全員を対象とした調査で、学校の在籍人数に比例して抽出確率を決める抽出方法であるため、この抽出方法は、1段クラスター確率比例抽出である。
 調査実施場所は教室内で、調査方法は、調査票による自記式無記名調査である。各学校の担任教師より調査票を配布して記入後、各生徒が糊付封筒に調査票を入れて、教師が学校分をまとめて、返送してもらった。調査内容は、喫煙・飲酒行動、ニコチン依存度、喫煙・飲酒行動の要因などであった。
結果と考察
2014年調査では喫煙頻度では喫煙経験のある中学生男子;5.6%、高校生男子;11.9%、中学生女子;3.8%、高校生女子;5.6%で、現在の喫煙状況は中学生男子で「30日間で1日でも喫煙」;1.3%、毎日喫煙;0.3%、高校生男子で、「30日間で1日でも喫煙」;3.5%、毎日喫煙;1.6%、中学生女子で「30日間で1日でも喫煙」;0.5%、毎日喫煙;0.1%、、高校生女子で「30日間で1日でも喫煙」;1.4%、毎日喫煙;0.5%、であった。経年的に観察して(1996年、2000年、2004年、2008年、2010年、2012年、2014年)喫煙率は概ね減少していると考えられた。飲酒頻度では、現在の飲酒状況は中学生男子で「30日間で1日でも飲酒」;5.5%、毎日飲酒;1.0%、高校生男子で、「30日間で1日でも飲酒」;11.5%、毎日飲酒;2.9%、中学生女子で「30日間で1日でも飲酒」;5.2%、毎日飲酒;0.8%、、高校生女子で「30日間で1日でも飲酒」;8.1%、毎日飲酒;1.2%、であった。
結論
経年的に観察して(1996年、2000年、2004年、2008年、2010年、2012年、2014年)飲酒率は概ね減少していると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201508022B
報告書区分
総合
研究課題名
未成年者の健康課題および生活習慣に関する実態調査研究
課題番号
H25-循環器等(生習)-指定-021
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
大井田 隆(日本大学医学部 公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 尾崎米厚(鳥取大学医学部)
  • 兼板佳孝(大分大学医学部)
  • 神田秀幸(島根大学医学部)
  • 鈴木健二(鈴木メンタルクリニック)
  • 樋口進(国立病院機構久里浜アルコールセンター)
  • 井谷修(大分大学医学部)
  • 池田真紀(日本大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の中高生の喫煙及び飲酒行動の実態と関連要因を明らかにし、対策の評価と推進方策を検討する。健康日本21(第2次)の中間評価の評価指標を提出する。そのために、喫煙及び飲酒行動に関連する環境要因調査、喫煙及び飲酒を取り巻く新たな問題の調査を実施する。
本研究の目的は、わが国の中高生の喫煙及び飲酒実態とその動向を明らかにし、変動に影響を及ぼす要因の関連を検討し、わが国の喫煙、飲酒対策の推進方策を検討することである。欧米諸国では、未成年の喫煙および飲酒を重要な健康問題であると位置づけ、国を挙げて定期的に未成年者の飲酒および喫煙行動についてモニタリングしており、これらの成果が未成年者の喫煙および飲酒防止対策に生かされるとともに政策の効果評価にも利用されている。わが国では、全国を代表するような調査対象の抽出方法を用いた調査はいままでに6度(1996,2000,2004,2008,2010,2014年)実施されており、同様のサンプリングフレームワーク、調査方法にて実施した全国調査で動向を明らかにする必要がある。
研究方法
全国学校総覧を用いて全国の中学校より140校、高等学校より124校を無作為抽出し、対象校に調査票を送付した。調査回答校の在校生徒全員を対象とした調査で、学校の在籍人数に比例して抽出確率を決める抽出方法であるため、この抽出方法は、1段クラスター確率比例抽出である。
 調査実施場所は教室内で、調査方法は、調査票による自記式無記名調査である。各学校の担任教師より調査票を配布して記入後、各生徒が糊付封筒に調査票を入れて、教師が学校分をまとめて、返送してもらった。調査内容は、喫煙・飲酒行動、睡眠状況、生活習慣及びその要因などであった(別紙)。2014年調査は9月までに対象校の抽出し、10月初旬、調査の依頼、調査票送付をした。対象中学校の140校のうち調査に協力したのは79校、高等学校124校のうち協力したのは77校で、有効回答数は85,931名であった。
結果と考察
2014年調査では喫煙頻度では喫煙経験のある中学生男子;5.6%、高校生男子;11.9%、中学生女子;3.8%、高校生女子;5.6%で、現在の喫煙状況は中学生男子で「30日間で1日でも喫煙」;1.3%、毎日喫煙;0.3%、高校生男子で、「30日間で1日でも喫煙」;3.5%、毎日喫煙;1.6%、中学生女子で「30日間で1日でも喫煙」;0.5%、毎日喫煙;0.1%、、高校生女子で「30日間で1日でも喫煙」;1.4%、毎日喫煙;0.5%、であった。
飲酒頻度では、現在の飲酒状況は中学生男子で「30日間で1日でも飲酒」;5.5%、毎日飲酒;1.0%、高校生男子で、「30日間で1日でも飲酒」;11.5%、毎日飲酒;2.9%、中学生女子で「30日間で1日でも飲酒」;5.2%、毎日飲酒;0.8%、、高校生女子で「30日間で1日でも飲酒」;8.1%、毎日飲酒;1.2%、であった。
結論
経年的に観察して(1996年、2000年、2004年、2008年、2010年、2012年、2014年)飲酒率は概ね減少していると考えら経年的に観察して(1996年、2000年、2004年、2008年、2010年、2012年、2014年)喫煙率は概ね減少していると考えられた。れた。

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201508022C

成果

専門的・学術的観点からの成果
厚生労働省は健康づくりの一環としての健康日本21(第2次)について目標値を設定した。また、そこでは生活習慣の改善を含めた健康づくりを推進するため乳幼児から高齢者までの健康課題等の把握を行うことも提言している。この調査結果は健康づくりや生活習慣病対策の基礎的データにもなっている。中高年の生活習慣病対策には10歳代からの生活習慣改善の重要性が内外から指摘されており、将来の健康づくりのために未成年に対する健康課題および生活習慣についてその動向を明らかにすることは重要と考える。
臨床的観点からの成果
今まで、20歳以上の成人についての健康課題および生活習慣は厚生労働省が実施する国民健康・栄養調査で把握しており、またこの調査結果は健康づくりや生活習慣病対策の基礎的データにもなっている。中高年の生活習慣病対策には10歳代からの生活習慣改善の重要性が内外から指摘されており、将来の健康づくりのために未成年に対する健康課題および生活習慣についてその動向を明らかにすることは重要であり、本研究はそれを明らかにした。
ガイドライン等の開発
未成年の喫煙・飲酒に関しては実態把握をした上で、未成年の喫煙及び飲酒対策の改善・推進のための提言は本研究でしか出来ないものであり、さらに喫煙・飲酒に関する調査結果は厚生労働省だけでなく、全省庁全体で必要なデータになった。
その他行政的観点からの成果
未成年の喫煙・飲酒に関しては実態把握をした上で、未成年の喫煙及び飲酒対策の改善・推進のための提言は本研究でしか出来ないものであり、さらに喫煙・飲酒に関する調査結果は厚生労働省だけでなく、全省庁全体で必要なデータになる可能性もある。また、本研究では全国の未成年における「こころ」の問題や将来の生活習慣病に関連する食生活、運動、睡眠等の生活習慣の把握は文部科学省の実施する調査では難しく(文部科学省の調査では食生活と運動習慣の把握は小中学生対象)、本研究がもっと相応しい。
その他のインパクト
マスコミ等で近年問題視している中高生のインターネット依存についても取り上げられた。さらにインターネット依存と中高生の健康問題も取り上げられた。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
7件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Morioka M, Itani O, Ikeda M, etal
Association between sleep disturbance and alcohol drinking
Alcohol , 47 , 619-628  (2013)
原著論文2
Itani O, Kaneita Y, Ikeda M,etal
dicorders of arousal and sleep related bruxism among Japanese adolescents.
Sleep Medicine , 14 , 532-541  (2013)
原著論文3
Munezawa T, Kaneita Y, Osaki Y, etal
Nightmare and Sleep Paralysis among Japanese Adolescents: A Nationwide Representative Survey.
Sleep Medicine , 12 , 56-64  (2011)
原著論文4
Suzuki H, Kaneita Y, Osaki Y,etal
Clarification of the factor structure of the 12-item General Health Questionnaire among Japanese adolescents and associated sleep status.
Psychiatry Research , 188 , 138-146  (2011)
原著論文5
Osaki Y, Ohida T, Kanda H, etal
Mobile phone use does not discourage adolescent smoking in Japan.
Asian Pac J Cancer Prev , 13 (3) , 1011-1014  (2012)
原著論文6
Yamamoto R,Kaneita Y,Osaki Y, etal
Irritable bowel syndrome among Japanese adolescents: A nationally representative survey
J Gastroenterol Hepatol , 30 , 1354-1360  (2015)
原著論文7
Morioka M, Itani O, Ikeda M, etal
Factors affecting unhappiness at school among Japanese adolescents: an epidemiological study.
PLos One , 9 (11) , 111844-111844  (2014)

公開日・更新日

公開日
2016-06-09
更新日
2018-06-15

収支報告書

文献番号
201508022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,000,000円
(2)補助金確定額
1,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 23,390円
人件費・謝金 50,000円
旅費 0円
その他 696,696円
間接経費 230,000円
合計 1,000,086円

備考

備考
利息86円が生じた。

公開日・更新日

公開日
2016-10-11
更新日
-