文献情報
文献番号
201445012A
報告書区分
総括
研究課題名
身体活動コミュニティワイドキャンペーンを通じた認知症予防介入方法の開発
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
小熊 祐子(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
研究分担者(所属機関)
- 三村 將(慶應義塾大学医学部精神神経科)
- 武林 亨(慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室)
- 宮地 元彦(国立健康栄養研究所健康増進研究部)
- 新井 康通(慶應義塾大学医学部百寿総合研究センター)
- 仰木 裕嗣(慶應義塾大学大学院政策メディア研究科)
- 齋藤 義信(藤沢市保健医療財団・慶應義塾大学スポーツ医学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 認知症研究開発
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
11,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
地域における認知症予防の介入方法として、2013年度より開始している身体活動促進のためのコミュニティワイドキャンペーン(CWC)を基盤に、身体活動促進を鍵として地域の小コミュニティを活かした手法を開発することを目的とする。
研究方法
1)CWCの遂行:2015年度以降の本格的な取り組みに向けて、4地区で実施しているCWCについて、現在までのプロセス評価を行うとともに、有効性をより高める介入を行い、得られた知見を総括し、プロセス評価とあわせ、来年度以降の介入方法について検討する。あわせて、CWCで使用した身体活動促進ツールの見直しを行い、完成度を高める。
2)評価ツール・システムに関わる研究開発:今後の介入研究の具体的な方法・評価指標について検討するため、身体活動と認知機能予防について、網羅的に文献検索しレビューを行う。その結果も踏まえ、iPadを用いて地域で行うことを前提に、実行可能な方法を検討する。体力測定・身体活動測定についても、内容の検討および試行を行う。また、CWCにて作成したプラス・テン体操について、立位・座位で実施時の運動強度・血圧変動を、実験室下で確認する。
3)体制づくり:2015年度から市全体で身体活動実施促進を図るべき実施体制を検討しその基盤を築く。
2)評価ツール・システムに関わる研究開発:今後の介入研究の具体的な方法・評価指標について検討するため、身体活動と認知機能予防について、網羅的に文献検索しレビューを行う。その結果も踏まえ、iPadを用いて地域で行うことを前提に、実行可能な方法を検討する。体力測定・身体活動測定についても、内容の検討および試行を行う。また、CWCにて作成したプラス・テン体操について、立位・座位で実施時の運動強度・血圧変動を、実験室下で確認する。
3)体制づくり:2015年度から市全体で身体活動実施促進を図るべき実施体制を検討しその基盤を築く。
結果と考察
1)CWCの遂行:2014年度は、2013年度の課題を踏まえながら2年目の取り組みを行った。アクティブガイドとプラス・テンの用語の認知度が増加している傾向が示された。プラス・テン体操のDVD、CDについて、試作版の分かりにくい点を修正し、さらに市民作成の体操もあわせ、より市民への普及に効果的な形で更新し作成した。また、市民に広く伝えていく方法として、関心度の高い市民からの伝達を考えた。
2)評価ツール・システムに関わる研究開発:今回、身体活動の認知症発症・認知機能への効果を検討したRCTに限定して、文献レビューを行った。RCTはここ数年で報告が急増し、何らかポジティブな結果を示すものが多いが、一方で、質の高いものは、必ずしも多くはなかった。認知機能について、地域で比較的簡便に自記式で行えるシステムとして島根大学山口らが開発したCognitive Assessment for Dementia, iPad version 2 (CADi2) の使用を検討した。主要評価項目として、身体活動に関する項目についてアプリ上でチェックする形をとる。副次評価項目としてアパシースケールでやる気を、Self-rating depression scale(SDS)でうつの状況をチェックする。また、社会参加の状況等関与が考えられる項目をチェックする。ほかの質問紙調査も同様にiPad上で行え、データ管理も行える仕組みを作成中である。体力測定・身体活動測定については、レビューの結果および実地での体力測定経験も踏まえ、開眼片足立ち、CS-30テスト、片足イス立ち上がりテスト、2ステップテスト、長座体前屈を実施することを検討している。身体活動については、自記式郵送法の質問紙を用いるとともに、客観的指標として、3軸加速度計を用い、地域小グループでの介入の際、介入前、6ヶ月後、12ヶ月後に1週間装着評価することとした。プラス・テン体操の運動強度測定および実施時の血圧変動について、7名の高齢者に協力を得て実施した。運動強度は立位2.7±0.3METs、座位1.9±0.4METs範囲だった。
3)体制づくり:藤沢市との協力体制のもと、本研究としては、i)研究参加の同意を得た地域小グループにおける身体活動増加の介入のサポートと効果測定、ii)地域団体等との協働による仕組みづくりの推進、iii)市全体への情報提供(ターゲット層、およびより広い層に)を行うとともに、その効果評価(プロセス評価、アウトカム評価)を量的・質的に行っていく。
本年度は、来年度からの本格的実施に向けての準備期間ととらえ、委託事業以前から行ってきたCWCの強化及びその評価、今後の体制づくりを行ってきた。研究計画時に比し、現実的に市の役割、研究として関わる部分の役割が明確となり、具体的な実施計画ができてきた。一方、文献レビューでは地域在住高齢者の身体活動介入については、各種認知機能をアウトカムとして、効果を認める研究が多かったが、質の高いRCTは必ずしも多くなく、本レビューを参考に、現実的に地域で可能な身体活動介入について検討していく必要がある。
2)評価ツール・システムに関わる研究開発:今回、身体活動の認知症発症・認知機能への効果を検討したRCTに限定して、文献レビューを行った。RCTはここ数年で報告が急増し、何らかポジティブな結果を示すものが多いが、一方で、質の高いものは、必ずしも多くはなかった。認知機能について、地域で比較的簡便に自記式で行えるシステムとして島根大学山口らが開発したCognitive Assessment for Dementia, iPad version 2 (CADi2) の使用を検討した。主要評価項目として、身体活動に関する項目についてアプリ上でチェックする形をとる。副次評価項目としてアパシースケールでやる気を、Self-rating depression scale(SDS)でうつの状況をチェックする。また、社会参加の状況等関与が考えられる項目をチェックする。ほかの質問紙調査も同様にiPad上で行え、データ管理も行える仕組みを作成中である。体力測定・身体活動測定については、レビューの結果および実地での体力測定経験も踏まえ、開眼片足立ち、CS-30テスト、片足イス立ち上がりテスト、2ステップテスト、長座体前屈を実施することを検討している。身体活動については、自記式郵送法の質問紙を用いるとともに、客観的指標として、3軸加速度計を用い、地域小グループでの介入の際、介入前、6ヶ月後、12ヶ月後に1週間装着評価することとした。プラス・テン体操の運動強度測定および実施時の血圧変動について、7名の高齢者に協力を得て実施した。運動強度は立位2.7±0.3METs、座位1.9±0.4METs範囲だった。
3)体制づくり:藤沢市との協力体制のもと、本研究としては、i)研究参加の同意を得た地域小グループにおける身体活動増加の介入のサポートと効果測定、ii)地域団体等との協働による仕組みづくりの推進、iii)市全体への情報提供(ターゲット層、およびより広い層に)を行うとともに、その効果評価(プロセス評価、アウトカム評価)を量的・質的に行っていく。
本年度は、来年度からの本格的実施に向けての準備期間ととらえ、委託事業以前から行ってきたCWCの強化及びその評価、今後の体制づくりを行ってきた。研究計画時に比し、現実的に市の役割、研究として関わる部分の役割が明確となり、具体的な実施計画ができてきた。一方、文献レビューでは地域在住高齢者の身体活動介入については、各種認知機能をアウトカムとして、効果を認める研究が多かったが、質の高いRCTは必ずしも多くなく、本レビューを参考に、現実的に地域で可能な身体活動介入について検討していく必要がある。
結論
2013年度より行っているCWCについてまとめたとともに、今後の方向性について、文献的検討、CWC実施の経過のなか地域高齢者のニーズから作成したふじさわプラス・テン体操の強度評価など行い、来年度の介入内容の検討や体制づくりを行った。
公開日・更新日
公開日
2016-03-14
更新日
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