文献情報
文献番号
201438100A
報告書区分
総括
研究課題名
がん化学予防薬の実用化をめざした大規模臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
石川 秀樹(京都府立医科大学 分子標的癌予防医学 大阪研究室)
研究分担者(所属機関)
- 武藤倫弘(独立行政法人 国立がんセンター研究所・がん予防)
- 竹下達也(和歌山県立医科大学医学部)
- 松田尚久(独立行政法人 国立がんセンター中央病院・内科学)
- 田中信治(広島大学病院・内科学)
- 酒井敏行(京都府立医科大学大学院医学研究科・分子生物学)
- 若林敬二(静岡県立大学•薬学()
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 革新的がん医療実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
71,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
厚生労働科学研究委託費研究としてがん化学予防薬の実用化をめざした大規模臨床研究を始めるための環境整備を行い、アスピリンの大腸がん予防に対する有効性を正確に見積もり、かつ、対象者の絞り込みの知見を得ることにより実用化することを目的とする。さらにアスピリンの大腸がん予防機序解明、有効性の向上をめざしたin vivo、in vitroによる基礎的検討、大規模集団に対する遺伝子多型測定システムの構築を行う。
研究方法
低用量アスピリンを用いた多施設による大規模単一介入試験を企画、立案する。その臨床試験を実施するために、IT技術を活用した環境整備を行うと共に、多施設前向き登録追跡研究のなどが容易にできるシステムを作る。さらに大規模臨床試験参加者に対する遺伝子多型測定システムの構築や、アスピリンによる大腸がん予防機序解明や、有効性を高めるための基礎的検討ができるシステムを構築する。
結果と考察
結果:大腸内視鏡部会、運営委員会、安全効果評価委員会、モニタリング委員会を組織した。それらの組織において、臨床試験企画に関する十分な議論を経た上でプロトコールを作成した。IT技術を活用したデータセンターのシステム構築、タブレット端末によるアンケート情報の収集システムの構築、タブレット端末によるインフォームド・コンセント補助機器の作成、各施設からの患者情報収集システムの構築を行った。このシステムを用いた大腸がん対策に重要と考えられる粘膜内浸潤癌やカルチノイドなどの疾患に対する治療後前向き登録追跡研究試験を企画した。多施設、多人数を対象とした乾燥濾紙法による遺伝子多型測定システムを構築し実施可能状態にした。
臨床情報と密接に連携することにより、情報交換が可能な環境を構築し、基礎的検討が速やかに臨床応用できるシステムを整えた。
考察:本試験はアスピリンによる大腸腫瘍抑制効果を進行した大腸腺腫や早期癌を指標として、抑制効果を確認する検証試験であるとともに、大腸がん予防のためにアスピリンを投与すべき集団の絞り込みをする知見を得るための探索的研究も兼ねている。本試験により、アスピリンによる大腸がん予防効果が確定し、さらに投与すべき人の絞り込みが可能になれば、アスピリンによる大腸がん予防は臨床応用に大きく近づくと考える。7,000人を対象とした大腸がん予防を目的とした大規模臨床試験は、これまで日本では初めての試みである。本試験が完遂できたならば、大腸がん予防研究の進歩のみならず、予防研究にける大規模離床試験の環境整備にも繫がると考えられる。臨床試験担当者と基礎研究者が同じチームを作ることにより、臨床と基礎の知識の向流が深まり、臨床試験で得られた知見が、さらに次のステップに進みやすくなると考えられる。このような組織は、今後のがん予防試験のみならず検診やがん治療に関する大規模な臨床試験を実施する際のモデルにもなり得ると考える。
臨床情報と密接に連携することにより、情報交換が可能な環境を構築し、基礎的検討が速やかに臨床応用できるシステムを整えた。
考察:本試験はアスピリンによる大腸腫瘍抑制効果を進行した大腸腺腫や早期癌を指標として、抑制効果を確認する検証試験であるとともに、大腸がん予防のためにアスピリンを投与すべき集団の絞り込みをする知見を得るための探索的研究も兼ねている。本試験により、アスピリンによる大腸がん予防効果が確定し、さらに投与すべき人の絞り込みが可能になれば、アスピリンによる大腸がん予防は臨床応用に大きく近づくと考える。7,000人を対象とした大腸がん予防を目的とした大規模臨床試験は、これまで日本では初めての試みである。本試験が完遂できたならば、大腸がん予防研究の進歩のみならず、予防研究にける大規模離床試験の環境整備にも繫がると考えられる。臨床試験担当者と基礎研究者が同じチームを作ることにより、臨床と基礎の知識の向流が深まり、臨床試験で得られた知見が、さらに次のステップに進みやすくなると考えられる。このような組織は、今後のがん予防試験のみならず検診やがん治療に関する大規模な臨床試験を実施する際のモデルにもなり得ると考える。
結論
7,000人を対象とした大腸がん予防のための大規模臨床試験を実施する環境整備を行った。現在、準備は順調に行われまもなく試験は開始される予定である。
公開日・更新日
公開日
2015-09-15
更新日
-