文献情報
文献番号
201431001A
報告書区分
総括
研究課題名
アジア地域にまん延している疾病に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
岩本 愛吉(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【委託費】 地球規模保健課題推進研究(国際医学協力研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
83,022,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
佐藤栄作首相とリンドン・ジョンソン大統領の合意をもとに、アジアに蔓延する疾病を対象とする日米医学協力研究事業が開始された。1990年代から新たな感染症(新興感染症)が多数出現し、一旦制圧されたかに見えた感染症(再興感染症)もグローバルな規模で増加した。日米医学協力研究計画に基づいた専門分野の研究者の協力により、アジアで蔓延する感染症等の対策と人材育成に貢献する。
研究方法
専門部会が、米国の研究者と協力してアジアに蔓延する疾病の基礎的、疫学的、臨床医学的な問題点を明らかにする。必要に応じて部会が米国の研究者を招聘する。日米合同医学協力委員会、第17回汎太平洋新興感染症国際会議(EID国際会議)及びウイルス感染症関連の専門部会をアジアで開催する。
結果と考察
9つの専門部会が、専門に応じてアジアに蔓延した疾患に関する研究を推進した。2015年1月26-27日、台北で第17回新興感染症国際会議を開催した。肝炎部会を2015年1月25日、ウイルス性疾患、急性呼吸器、エイズ部会を1月28-29日に開催した。台湾中央研究院がホストとなり台湾の研究者も多数参加し、感染症に関する新たな科学的情報を共有し、アジアの研究人材育成に貢献した。1月29日には日米医学協力委員会・部会長合同会議を台北で開催した。研究代表と厚労省担当者が、2014年9月にワシントン/ベセスダを訪問し、NIAID執行部と意見交換した。
重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)と近縁ウイルス血清群とを識別できる血清診断法を開発した。日本では、重症ロタウイルス下痢症の大半が6~35か月児に発生していることを明らかにした。腎症候出血熱ウイルスとSFTSVに関する安全な中和試験を確立した。狂犬病ウイルスの免疫原性を高めるアミノ酸を同定した。デングウイルスの自然免疫回避機構を分子レベルで明らかにした。アフリカ起源のチクングニアウイルスがミャンマーで流行したことを確認した。
B型肝炎マウスモデルの確立、B型慢性肝炎の免疫治療、HBV感染におけるエピトープ解析、miRNAによるHBV複製制御の機構解析、HBVエントリー阻害薬の開発、バングラデシュにおけるB型肝炎対策、肝発癌制御の試み等を継続して行なった。
第17回EID国際会議および日米合同部会において、インフルエンザウイルスに対する粘膜ワクチン、アジュバント、細胞培養ワクチンなどの開発、インフルエンザの流行の数理モデル予測などについて米国やアジアの研究者と討議した。
HIV感染者および霊長類の感染モデルにおいて、CTLの抑制から逃避したウイルスのアミノ酸変異に関する情報を蓄積した。アジアにおけるHIV流行や治療状況に関する最新情報が得られた。HIV複製抑制因子、HIVの中和抗体などに関する研究の進捗状況についても情報交換ができた。
腸炎ビブリオ感染症および腸管出血性大腸菌感染症の予防に不可欠の食材(魚介類・牛肉)検査法を開発した。2015年1月 14 日から16日、米国フロリダ大学で日米合同コレラ部会を開催した。
結核菌の薬剤耐性や細胞性免疫に関する新たな知見を得た。ベトナムやケニアにおける潜在性結核菌感染の背景をヒトゲノム、血液マーカーの観点から調査研究した。ハンセン病の診断、多剤耐性療法について新たな成果を得た。
マラリア、住血吸虫症、赤痢アメーバ症、エキノコッックス症などを対象に、流行地の研究者および関連する米国の研究者と協力して、予防治療に寄与する研究成果を得た。
中国の食道がん多発地域の検体を用いて発がん候補物質を特定した。膵がんリスクと葉酸摂取量との間に負の相関を認めた。FGFR2融合遺伝子ががん促進遺伝子であることを確認し、試験管内胆管発がんモデルを確立した。
栄養士制度のないベトナムで発芽玄米を用いた介入研究を行い、体重や血圧、脂質、血糖値を下げるという結果を得た。栄養介入によりベトナムの生活習慣病改善に貢献できる可能性がある。
重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)と近縁ウイルス血清群とを識別できる血清診断法を開発した。日本では、重症ロタウイルス下痢症の大半が6~35か月児に発生していることを明らかにした。腎症候出血熱ウイルスとSFTSVに関する安全な中和試験を確立した。狂犬病ウイルスの免疫原性を高めるアミノ酸を同定した。デングウイルスの自然免疫回避機構を分子レベルで明らかにした。アフリカ起源のチクングニアウイルスがミャンマーで流行したことを確認した。
B型肝炎マウスモデルの確立、B型慢性肝炎の免疫治療、HBV感染におけるエピトープ解析、miRNAによるHBV複製制御の機構解析、HBVエントリー阻害薬の開発、バングラデシュにおけるB型肝炎対策、肝発癌制御の試み等を継続して行なった。
第17回EID国際会議および日米合同部会において、インフルエンザウイルスに対する粘膜ワクチン、アジュバント、細胞培養ワクチンなどの開発、インフルエンザの流行の数理モデル予測などについて米国やアジアの研究者と討議した。
HIV感染者および霊長類の感染モデルにおいて、CTLの抑制から逃避したウイルスのアミノ酸変異に関する情報を蓄積した。アジアにおけるHIV流行や治療状況に関する最新情報が得られた。HIV複製抑制因子、HIVの中和抗体などに関する研究の進捗状況についても情報交換ができた。
腸炎ビブリオ感染症および腸管出血性大腸菌感染症の予防に不可欠の食材(魚介類・牛肉)検査法を開発した。2015年1月 14 日から16日、米国フロリダ大学で日米合同コレラ部会を開催した。
結核菌の薬剤耐性や細胞性免疫に関する新たな知見を得た。ベトナムやケニアにおける潜在性結核菌感染の背景をヒトゲノム、血液マーカーの観点から調査研究した。ハンセン病の診断、多剤耐性療法について新たな成果を得た。
マラリア、住血吸虫症、赤痢アメーバ症、エキノコッックス症などを対象に、流行地の研究者および関連する米国の研究者と協力して、予防治療に寄与する研究成果を得た。
中国の食道がん多発地域の検体を用いて発がん候補物質を特定した。膵がんリスクと葉酸摂取量との間に負の相関を認めた。FGFR2融合遺伝子ががん促進遺伝子であることを確認し、試験管内胆管発がんモデルを確立した。
栄養士制度のないベトナムで発芽玄米を用いた介入研究を行い、体重や血圧、脂質、血糖値を下げるという結果を得た。栄養介入によりベトナムの生活習慣病改善に貢献できる可能性がある。
結論
部会の専門性を活かして、日米合同してアジアで蔓延する疾病の研究を推進した。第17回EID国際会議を台北で開催し、活発な情報交換の場を持った。日米医学協力計画の重要性を再確認し、日米医学協力50周年記念行事と関連会議を米国で開催することを合意した。日米両担当部署の相互理解と台北における委員会/部会長会議等を通じて、来年度の50周年の節目に、日米両国政府に本計画の成果と重要性、新たな展望を提案する準備を進めた。
公開日・更新日
公開日
2015-06-08
更新日
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