いわゆる健康食品の安全性情報の収集及び伝達手法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201426040A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品の安全性情報の収集及び伝達手法の開発に関する研究
課題番号
H24-食品-指定-015
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 千葉 剛(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
4,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いわゆる健康食品や我が国では承認されていない医薬品成分を含むサプリメント(無承認無許可医薬品)による健康被害は、科学的根拠に乏しい情報の参照等による。そのため科学的根拠に基づき、安全性に重点を置いた信頼できる情報がわかりやすく継続的に国民に提供され、効果的に参照される必要がある。本研究は、国立健康・栄養研究所(以下、研究所)が国民に健康食品に関する公正・中立な情報を安全性の観点から発信する「健康食品の安全性・有効性情報(https://hfnet.nih.go.jp/)」(以下、HFNET)に関して、そのシステムをさらに継続的に充実・発展させ、厚生労働行政に貢献できるものとして維持・運営することを目的とする。
研究方法
国内外で公開されている新規の健康食品関連情報は、最新健康食品文献リスト情報(研究所内の検索システム)から適宜抜粋するとともに、国内外の行政機関から公開された安全性情報を収集してデータベースに追加・公開した。新規素材情報は、Natural Medicine comprehensive database、PubMed、Natural Standard、医中誌、植物図鑑、辞典等から有効性と安全性に関する情報を収集して作成・公開した。追加情報の基本的な考え方ならびに記載方法は、https://hfnet.nih.go.jp/usr/faq /faq.htmlに従った。いわゆる健康食品の利用状況と国民の栄養素摂取量との関連については、平成15年から22年までの国民健康・栄養調査に係る調査票情報を用いて検討した。HFNETのサイトのセキュリティー強化と素材情報内の検索システムの追加は外部に委託した。
結果と考察
本年度HFNETに追加した情報は、最新被害関連情報172件(3年間で575件)、新規健康食品素材情報117件(3年間で320件)、既存の掲載項目への新規情報約380件(3年間で約1,100件)であった。国民健康・栄養調査結果の分析では、健康的な食事に気を使って食事から十分なビタミンEを摂取し、さらにビタミンEサプリメントを利用する傾向が認められた。HFNETのユーザビリティ調査を実施し、その結果を受けて素材情報データベースの掲載方法を整理した。HFNETのサイトアクセス数は約14,000件/日以上が維持できており、多くの人に参照されていた。以上のHFNetに関する取り組みは、健康食品に関する正しい知識の普及、健康被害の未然防止と拡大防止に役立つと考えられた。
結論
HFNetの拡充として、サイトのセキュリティー強化および最新被害関連情報172件(3年間で575件)、新規健康食品素材情報117件(3年間で320件)、既存の掲載項目への新規情報約380件(3年間で約1,100件)を追加し、公正・中立な観点から安全性を中心とした情報を発信した。また、国民健康・栄養調査の分析結果から、健康的な食事に気を使って食事から十分なビタミンを摂取している人が、さらにサプリメントを利用する傾向が認められた。以上の結果を踏まえた継続的な健康食品に関する情報発信は、国民の健康食品に対する過度な期待を抑制し、健康被害の防止に役立つものである。

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
-

文献情報

文献番号
201426040B
報告書区分
総合
研究課題名
いわゆる健康食品の安全性情報の収集及び伝達手法の開発に関する研究
課題番号
H24-食品-指定-015
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 千葉 剛(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【補助金】 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いわゆる健康食品や我が国では承認されていない医薬品成分を含むサプリメント(無承認無許可医薬品)による健康被害は、科学的根拠に乏しい情報の参照等による。そのため科学的根拠に基づき、安全性に重点を置いた信頼できる情報がわかりやすく継続的に国民に提供され、効果的に参照される必要がある。本研究は、(独)国立健康・栄養研究所(以下、研究所)が国民に健康食品に関する公正・中立な情報を安全性の観点から発信する「健康食品の安全性・有効性情報(https://hfnet.nih.go.jp/)」(以下、HFNET)に関して、そのシステムをさらに継続的に充実・発展させ、厚生労働行政に貢献できるものとして維持・運営することを目的とする。
研究方法
国内外で公開されている新規の健康食品関連情報は、最新健康食品文献リスト情報(研究所内の検索システム)から適宜抜粋するとともに、国内外の行政機関から公開された安全性情報を収集してデータベースに追加・公開した。新規素材情報は、Natural Medicine comprehensive database、PubMed、Natural Standard、医中誌、植物図鑑、辞典等から有効性と安全性に関する情報を収集して作成・公開した。追加情報の基本的な考え方ならびに記載方法は、https://hfnet.nih.go.jp/usr/faq /faq.htmlに従った。いわゆる健康食品の利用状況と国民の栄養素摂取量との関連については、平成15年から22年までの国民健康・栄養調査に係る調査票情報を用いて検討した。HFNETのサイトのセキュリティー強化と素材情報内の検索システムの追加は外部に委託した。
結果と考察
掲載内容の拡充では、3年間を通して575件の最新被害関連情報の収集・掲載、320件の新規健康食品素材に関する安全性・有効性情報の作成、約1,100件の既掲載素材情報への追加・改訂等を行った。さらに、HFNetのユーザビリティ向上と情報提供の更なる充実を目的に、HFNetの認知度およびユーザビリティ調査を行い、その結果を踏まえて掲載方法を整理した。HFNetの利用実態調査では、 HFNetの認知度が一般消費者で低く、健康食品のアドバイザリースタッフにおいても十分とはいえない状況が明らかとなった。また、HFNetの利用者は、安全性・有効性に関する明快な見解を求めているために不便を感じている状況が明らかとなった。これらの結果から、HFNetの認知度向上と掲載情報に関する科学性・中立性の理解を促す説明が重要と考えられた。ビタミンとミネラルの補助食品の利用状況を把握するため、平成15年~22年国民健康・栄養調査結果を分析し、成人(20~59歳)のビタミンとミネラルの補助食品(以下、サプリメント)の利用者の特徴を解析した。その結果、サプリメント利用者の特徴として、「女性、高年齢、大都市在住者、単身世帯が多い」、「エネルギー、たんぱく質、脂質の摂取量が多い」、「運動習慣がある、喫煙習慣がない」、「睡眠時間が短い傾向がある」という特徴が認められた。特にビタミンEに着目した解析では、ビタミンEサプリメント利用によってビタミンE過剰摂取は認められなかったが、健康的な食事に配慮して通常の食事からビタミンEを十分に摂取できている人が、さらにサプリメントからもビタミンEを摂取している実態が明らかとなった。
結論
HFNetの拡充として、サイトのセキュリティー強化および最新被害関連情報172件(3年間で575件)、新規健康食品素材情報117件(3年間で320件)、既存の掲載項目への新規情報約380件(3年間で約1,100件)を追加し、公正・中立な観点から安全性を中心とした情報を発信した。また、国民健康・栄養調査の分析結果から、健康的な食事に気を使って食事から十分なビタミンを摂取している人が、さらにサプリメントを利用する傾向が認められた。以上の結果を踏まえた継続的な健康食品に関する情報発信は、国民の健康食品に対する過度な期待を抑制し、健康被害の防止に役立つものである。

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201426040C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究において学術論文情報を精査・加工し、現状の保健医療行政の推進に寄与できる内容として健康食品の安全性・有効性情報サイト(https://hfnet.nih.go.jp/)に掲載し、また、情報提供法を見直したことは意義があり、情報伝達手法はリスクコミュニケーションを効果的に推進する上で役立っている。
臨床的観点からの成果
いわゆる健康食品は、適正な医療を行う上で無視できない存在となっている。いわゆる健康食品はあくまで食品であり、医薬品とは異なることを明確に示す健康食品の安全性・有効性情報サイトは、医薬品を用いた適正な医療の推進に寄与できるものである。
ガイドライン等の開発
健康食品の安全性・有効性情報サイトを介した情報提供法は、行政が健康食品の安全性確保を行う上で参考にされている。
その他行政的観点からの成果
健康食品の安全性・有効性情報サイトは、2015年4月から始まった機能性表示食品制度の安全性をチェックする一つのデータベースとして参照されている。国内外から発表された健康食品やサプリメントが関連した注意喚起情報はデータベースとしてほとんど収載できている。
その他のインパクト
健康食品の安全性・有効性情報サイトは、新聞や雑誌において信頼できる健康食品の情報提供サイトとして認識されており、平成25年6月号に刊行された「厚生労働」でも紹介された。また、メディアが健康食品に関する話題を取り上げるとき、信頼できる情報提供サイトとして、頻繁に利用されている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
4件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
2018-07-05

収支報告書

文献番号
201426040Z