文献情報
文献番号
201409058A
報告書区分
総括
研究課題名
バーチャルメガホスピタルの確立による精神疾患・がんの新規診断・治療法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-実用化(国際)-指定-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
中村 哲也(国立大学法人群馬大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療技術実用化総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
70,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
治験及び臨床研究を安全にかつ効率的に実施するために、治験、臨床研究のネットワークを構築することが推奨されている。高い症例集積性を達成するためには、地域との密接な医療連携が、人事交流を含めて形成されていることが必要である。一方、臨床研究における不適正事案が数多く指摘される中、信頼性確保のためにモニタリングを取り入れることの重要性も高まっている。加えて、治験、臨床研究のネットワークにおいては、参加している複数の医療機関におけるモニタリング業務を省力化する工夫も欠かせない。これらを解決する手法のひとつとして検討されているのがリモートSDV(Source Document Verification)である。
研究方法
一般のインターネットに電子カルテを接続せずにリモートSDVを実施するため、遠隔地から電子カルテ画面を閲覧できる仕組みとして、デジタルKVMスイッチを採用した。デジタルKVMスイッチ(KVM switch)は、1組のキーボード、ディスプレイ、マウスにより、複数のコンピュータを操作するためのハードウェアである。「KVM」は キーボード(Keyboard), ビデオ(Video (Visual unit)), マウス(Mouse) の略とされている。リモートKVMスイッチは近距離リモート型と KVM over Internet Protocol 型がある。前者は例えば1つの建物内でのリモートアクセスを実現するもので、アナログKVMとも呼ばれる。後者はさらに遠隔地からアクセス可能となるもので、デジタルKVMとも呼ばれている。
結果と考察
症例集積性向上と治験ネットワークの効率的な運用のため、メガホスピタルである前橋・高崎・佐久・深谷コア5治験・臨床研究病院(群馬大学医学部附属病院、前橋赤十字病院、国立病院機構高崎総合医療センター、JA長野厚生連佐久総合病院佐久医療センター)を整備した。これまでの本研究課題による整備において、ウェブ会議共同IRB(institutional review board)、中央治験事務局、リモートSDV(Source document verification)モニタリングセンターを設置し、治験の実施可能症例数調査から治験契約事務、モニタリングに至るまでをひとつのサイトで行えるワン・ストップ・サービスの実現に近づくことが出来た。群馬大学医学部附属病院臨床試験部は、このメガホスピタルの中でARO (Academic Research Organization)としての機能を充実させ、発展させることを最終的な目標としている。
リモートSVDルームには、監視カメラを設置し、監視カメラ画像の閲覧と録画にはカメラ管理ソフトウェアを利用した。モニターの個人認証やなりすまし防止策のため、監視カメラ画像を被モニタリング医療機関(モニタリングを行われる側)に送信した。さらに電子カルテ操作の画面キャプチャも行うこととした。画面キャプチャには、キャプチャーソウトウェアを利用し、閲覧した画面、マウスの軌跡、クリック操作などを証跡として記録、保管できるシステムを構築した。
リモートSVDルームには、監視カメラを設置し、監視カメラ画像の閲覧と録画にはカメラ管理ソフトウェアを利用した。モニターの個人認証やなりすまし防止策のため、監視カメラ画像を被モニタリング医療機関(モニタリングを行われる側)に送信した。さらに電子カルテ操作の画面キャプチャも行うこととした。画面キャプチャには、キャプチャーソウトウェアを利用し、閲覧した画面、マウスの軌跡、クリック操作などを証跡として記録、保管できるシステムを構築した。
結論
治験依頼者、自ら治験を実施する者、治験審査委員会、実施医療機関の長及び治験責任医師は、GCP省令に基づき、様々な治験に係わる文書を作成し、交付及び保存をしている。これらの作業は、GCP省令を遵守して治験を実施する上で不可欠な作業であり、また一定の品質を保ちつつ行うことが求められる。一方、現場では業務負荷がかかっているのが現状であり、コスト削減の観点からも、治験関連文書を効率的に保存等することが、実施医療機関、治験依頼者等双方から望まれている。治験関連文書を電磁的記録として保存等することについては、治験手続きの効率化の方策として有用であると考えられている。今回の検討で、リモートSDVについては、診療情報がすでに電子カルテとして、電子化されていることから、容易に実現可能な解決策であることが示せた。
公開日・更新日
公開日
2016-01-28
更新日
-