文献情報
文献番号
201406028A
報告書区分
総括
研究課題名
iPS細胞の品質変動と実用化を目指した培養技術の標準化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-実用化(再生)-指定-016
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
古江 美保(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部ヒト幹細胞応用開発室)
研究分担者(所属機関)
- 栗崎 晃(独立行政法人産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター 幹細胞制御研究チーム)
- 大沼 清(長岡技術科学大学 工学部 )
- 川端 健二(独立行政法人医薬基盤研究所創薬基盤研究部幹細胞制御プロジェクト)
- 山田 弘(独立行政法人医薬基盤研究所 トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト)
- 竹森 洋(独立行政法人医薬基盤研究所 創薬基盤研究部代謝疾患関連タンパク探索プロジェクト)
- 櫻井 文教(大阪大学大学院薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
42,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ヒトiPS細胞は医薬品等の薬効や安全性の評価ツールとしての利用が期待されている。しかし、次々と分化プロトコールが発表されている一方、同じiPS細胞株を用いても他施設では同じ結果を再現できないことも多い。また、高い技術の熟練を要し、作業者や実施施設が変わると再現できないことも多い。その原因の一つに、未分化なヒトiPS細胞の品質変動があげられる。未分化なヒトiPS細胞の品質は培養技術により容易に変動する。ピペッティングなど単純な作業を誤ることがiPS細胞の未分化状態に影響を及ぼすことは経験上知られてる。一方、分化誘導の再現性にどのような影響を及ぼすかなど、具体的に検証された研究はない。ISCI(International Stem Cell Initiative)はグローバルスタンダードの構築を目指したヒト幹細胞の標準化を行っているが、詳細な個々の作業までは検討していない。そこで、本研究では、iPS細胞を用いた画期的な新薬開発を目指す研究者が、恒常的にiPS細胞の高い品質を維持し、再現性高い分化誘導法を研究開発できるよう、培養技術を科学的に検証し、標準化に貢献することを目的とする。
研究方法
未分化維持における品質変動とその要因の検証について、初心者の技術を模倣した際に起きえる事象を検証した。また、種々の状態の細胞のエネルギー代謝を測定した。さらに、レトロウィルスにて作成したiPS細胞と同じドナー細胞より、インテグレーションフリーシステムを用いiPS細胞を作成し、その品質評価を行った。
分化プロトコールの標準化と分化誘導再現性の検証について、iPS細胞を用いた創薬研究を目指す研究者らがコントロールとして使用できる再現性の高い分化プロトコール(外胚葉、中胚葉、内胚葉系への分化)を策定することを目標として、株間による差の影響を踏まえた情報の収集し、それらを実施、あるいは、選択して、複数の細胞株を用いて分化誘導法の検討を行った。
分化プロトコールの標準化と分化誘導再現性の検証について、iPS細胞を用いた創薬研究を目指す研究者らがコントロールとして使用できる再現性の高い分化プロトコール(外胚葉、中胚葉、内胚葉系への分化)を策定することを目標として、株間による差の影響を踏まえた情報の収集し、それらを実施、あるいは、選択して、複数の細胞株を用いて分化誘導法の検討を行った。
結果と考察
未分化維持における品質変動とその要因の検証について、初心者の技術を模倣した際に起きえる事象を検証した結果、細胞株によって現象は異なるが、株によっては再現性の高い事象を確認した。レトロウィルスにて作成したiPS細胞と同じドナー細胞より、インテグレーションフリーシステムを用いiPS細胞を作成した。再現性の高い分化誘導法の策定を行うため、国内外で実施されているプロトコールを収集し、その中から熟練した技術を必要としない簡便なプロトコールを選択し、複数の細胞株を使用して、分化誘導を検討した。その結果、プロトコールによって再現性の差が見られた。この結果を踏まえ、H27年度は標準化したプロトコールを策定し、公開に向けての準備を行う予定である。
結論
初心者が培養を行った際に起きえる事象を検証するために、基本的な操作の違いがiPS細胞に及ぼす影響を科学的に検証した。その結果、技術不足がiPS細胞に及ぼす悪影響を科学的に証明することが可能であることがわかった。引き続き、各技術について検証を進める。
公開日・更新日
公開日
2015-06-01
更新日
-