文献情報
文献番号
201325005A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関選択に寄与する情報方法および情報の内容に関する検討
課題番号
H24-医療-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
大平 善之(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
研究分担者(所属機関)
- 生坂 政臣(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
- 上原 孝紀(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
- 高橋 知子(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
- 野田 和敬(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
- 高田 俊彦(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
- 鈴木 慎吾(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
- 鋪野 紀好(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
1,293,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
患者が医療機関選択の際に参考にする情報の入手先、および重視する情報の内容について、診療所、市中病院、大学病院を受診した患者を対象に調査し、より効率的な情報提供の方法と提供すべき内容について検討した。
【研究1】患者が医療機関選択の際に参考にする情報の入手先、および重視する情報の内容について調査した。
【研究2】医療機関のホームページ保有割合について調査した。
【研究1】患者が医療機関選択の際に参考にする情報の入手先、および重視する情報の内容について調査した。
【研究2】医療機関のホームページ保有割合について調査した。
研究方法
【研究1】対象は、千葉県内の診療所、市中病院、千葉大学医学部附属病院総合診療部を受診した20歳以上の初診患者で(紹介状の有無は問わない)、かつ、本研究に同意を得られた者とした。対象者に対し、調査票を配布し、記入させ、受付で回収した。研究2年目にあたる平成25年度は、平成24年度に引き続き、各協力医療機関での調査を継続した。大学病院、市中病院、診療所の3群間の比較は、有症期間のみ一元配置分散分析を用いて解析し、その他はクロス集計表を作成し、χ2検定を用いて解析を行った。なお、複数回答を許可した項目については、多重回答集計を行った。
【研究2】千葉県内の診療所、市中病院、大学病院(分院を含む)を対象とした。診療所、市中病院は層化無作為抽出法を用いて、診療所200施設、市中病院20施設を抽出した。大学病院は千葉県内の大学病院(本院、分院)6施設すべてを調査した。検索サイト「Google日本語版」で医療機関名を入力して検索し、検索結果の上位10位までを調査範囲とした。
【研究2】千葉県内の診療所、市中病院、大学病院(分院を含む)を対象とした。診療所、市中病院は層化無作為抽出法を用いて、診療所200施設、市中病院20施設を抽出した。大学病院は千葉県内の大学病院(本院、分院)6施設すべてを調査した。検索サイト「Google日本語版」で医療機関名を入力して検索し、検索結果の上位10位までを調査範囲とした。
結果と考察
【研究1】対象者は655名であり、460名[男性200名(43.5%)、女性260名(56.5%)、平均年齢51歳]から有効回答を得た(回収率90.2%、有効回答率77.8%)。
大学病院を受診する患者では、かかりつけ医が直接的、間接的に関与している紹介患者が多く、紹介状を必須とし、それをホームページ等に掲載することにより、適切な受療行動の啓蒙につながる可能性が示唆された。市中病院、および診療所を受診する患者では、本人の意思、家族のすすめでの受診が多く、両者共にアクセスの良さが重視されていた。インターネットは、高い人口普及率の割に医療機関選択の決め手とはなっていない実態が明らかとなった。ホームページの閲覧は、パソコン(コンピュータ)、タブレットPCからが多かったが、携帯電話、スマートフォンを利用している者も少なからず存在し、モバイル機器向けのホームページの充実も重要と考えられた。
【研究2】ホームページ保有割合は、診療所87施設(43.5%)、市中病院17施設(85.0%)、大学病院6施設(100%)であった。千葉県を北西部、北東部、南部の3地域に分類した場合の診療所のホームページ保有割合は、北西部45.8%、南部44.0%であり、北東部27.3%であった(P=0.276)。
一次医療機関、二次医療機関への情報提供の必要性から、大学病院、市中病院では、ホームページ保有割合が高かったと考えられた。また、診療所においては、人口10万対診療所数の多い地域でホームページ保有割合が高い傾向があり、他診療所との競争の中での患者獲得を目的としてホームページを保有する必要性があると推察された。
大学病院を受診する患者では、かかりつけ医が直接的、間接的に関与している紹介患者が多く、紹介状を必須とし、それをホームページ等に掲載することにより、適切な受療行動の啓蒙につながる可能性が示唆された。市中病院、および診療所を受診する患者では、本人の意思、家族のすすめでの受診が多く、両者共にアクセスの良さが重視されていた。インターネットは、高い人口普及率の割に医療機関選択の決め手とはなっていない実態が明らかとなった。ホームページの閲覧は、パソコン(コンピュータ)、タブレットPCからが多かったが、携帯電話、スマートフォンを利用している者も少なからず存在し、モバイル機器向けのホームページの充実も重要と考えられた。
【研究2】ホームページ保有割合は、診療所87施設(43.5%)、市中病院17施設(85.0%)、大学病院6施設(100%)であった。千葉県を北西部、北東部、南部の3地域に分類した場合の診療所のホームページ保有割合は、北西部45.8%、南部44.0%であり、北東部27.3%であった(P=0.276)。
一次医療機関、二次医療機関への情報提供の必要性から、大学病院、市中病院では、ホームページ保有割合が高かったと考えられた。また、診療所においては、人口10万対診療所数の多い地域でホームページ保有割合が高い傾向があり、他診療所との競争の中での患者獲得を目的としてホームページを保有する必要性があると推察された。
結論
【研究1】大学病院では、紹介状の必要性を周知することで、適切な受療行動の啓蒙につながる可能性がある。市中病院、および診療所では、本人の意思、家族のすすめでの受診が多く、いずれもアクセスの良さが重視されていた。インターネットは、高い人口普及率の割に医療機関選択の決め手とはなっていない実態が明らかとなった。
【研究2】大学病院、市中病院では、他の医療機関への情報提供の必要性から、診療所においては、他診療所との競争の中での患者獲得を目的としてホームページを保有する必要性があると推察された。
【研究2】大学病院、市中病院では、他の医療機関への情報提供の必要性から、診療所においては、他診療所との競争の中での患者獲得を目的としてホームページを保有する必要性があると推察された。
公開日・更新日
公開日
2015-05-19
更新日
-