動物由来感染症の対応に関する研究

文献情報

文献番号
201318044A
報告書区分
総括
研究課題名
動物由来感染症の対応に関する研究
課題番号
H25-新興-一般-008
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
森川 茂(国立感染症研究所 獣医科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 新井 智(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 井上 智(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 福士 秀悦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 宇田 晶彦(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 三浦 智行(京都大学 ウイルス研究所)
  • 前田 健(山口大学 共同獣医学部)
  • 川端 寛樹(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 山田 章雄(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
  • 山本 明彦(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 菅沼 明彦(都立駒込病院 感染症科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
25,972,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新興・再興感染症は大部分が動物由来感染症である。重篤な動物由来感染症が国内で発生した場合の診断・迅速検査法を確立し、その病原性発現機構を解明する。また、霊長類や動物の新興感染症に関してヒトへのリスクを科学的に評価する。哺乳類由来菌の新たなバクテリオシン産生菌を検索する。これらにより動物由来感染症対策の体制整備を目指す。
研究方法
1)重要な動物由来感染症の疫学的知見の集積を行う。
2)患者発生時に必要な動物由来感染症の診断・迅速検査法の確立する。
3)動物由来感染症の病原性発現機構に関わる遺伝子とその機能を行う。
4)霊長類などの新興感染症の発生機序の解明を行う。
5)病原性細菌に対し抗菌作用を示すバクテリオシン産生細菌の同定を行う。
6)マダニ媒介性感染症のマダニでの疫学に資するマダニの簡易同定法確立。
結果と考察
動物由来感染症対策の体制を整備するために行った初年度の研究で、新規モルビリウイルス(FMoV)がネコに持続感染し、2種のウイルス株間での遺伝子組み換えが起こることを見出した。ニホンザルから分離されたSRV4のレセプターはASCT2であり、致死的な血小板減少症の原因であった。狂犬病のG蛋白質のN型糖鎖結合の違いがその細胞内局在を決定することがわかった。狂犬病の暴露後免疫(ザグレブ方式)を海外で受けた後、国産ワクチンによる追加免疫の継続が可能と考えられた。MERSコロナウイルスの血清学的診断法を開発した。野兎病菌のマクロファージ増殖にpulBが部分的に関与することが示唆された。コリネバクテリウム属菌からC. ulcerans感染症、ジフテリア等を鑑別するNAT法を開発した。国内のネコがC. ulceransのキャリアであった。種々の野生動物から新規フラビ、コロナ、ヘルペスウイスルを検出した。モンゴルおよび日本のの野生小型哺乳類に異なるハンタウイルスの感染が確認された。哺乳類由来菌のバクテリオシン産生菌21種を確認した。新興マダニ媒介性感染症のマダニの疫学に資するマダニ種の遺伝的鑑別法を開発した。
結論
FMoVが国内のネコに高率に持続感染していることが分かった。SRV4はASCT2をレセプターとして感染し致死的な血小板減少症を起すことを証明した。狂犬病のG蛋白質のN型糖鎖結合がウイルスの細胞内局在などを規定した。狂犬病の暴露後免疫(ザグレブ方式)を海外で受けた後、国産ワクチンによる免疫継続が可能と考えられた。MERSコロナウイルスの血清学的診断法を開発した。野兎病菌のマクロファージ増殖にはpulBが部分的に関与した。コリネバクテリウム属菌からCorynebacterium ulcerans感染症、ジフテリア等の鑑別法を開発した。国内のネコがC. ulceransのキャリアであった。本州でTBEVに近縁なウイルスを検出した。新規コロナウイルス(スンクス)、新規ヘルペスウイルス(イルカ)を同定した。モンゴル、日本の野生小型哺乳類に数種類のハンタウイルスの感染を確認した。哺乳類由来菌のバクテリオシン産生菌を21種見出した。新興マダニ媒介性感染症の疫学に資するマダニ種の遺伝的鑑別法を開発した。

公開日・更新日

公開日
2015-03-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

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公開日・更新日

公開日
2015-03-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201318044Z