文献情報
文献番号
201315009A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人2型糖尿病患者における生活習慣介入の長期予後効果並びに死亡率とその危険因子に関する前向き研究(JDCS)
課題番号
H22-循環器等(生習)-一般-011
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
曽根 博仁(新潟大学 医歯学系)
研究分担者(所属機関)
- 山下 英俊(山形大学 医学部)
- 石橋 俊(自治医科大学 医学部)
- 片山 茂裕(埼玉医科大学 医学部)
- 及川 眞一(日本医科大学 医学部)
- 吉村 幸雄(四国大学 生活科学部)
- 荒木 厚(東京都健康長寿医療センター )
- 森 保道(虎の門病院 糖尿病・代謝部門)
- 小澤 純二(大阪大学 医学系研究科)
- 横手 幸太郎(千葉大学 医学研究院)
- 佐藤 麻子(東京女子医科大学 医学部)
- 河津 捷二(朝日生命成人病研究所附属病院 内分泌・糖尿病内科)
- 田中 司朗(京都大学 社会健康医学系)
- 林 登志雄(名古屋大学 医学部)
- 羽田 勝計(旭川医科大学 内科学講座)
- 守屋 達美(北里大学 医学部)
- 山田 研太郎(久留米大学 内分泌代謝内科)
- 田中 明(女子栄養大学 栄養学部)
- 門脇 孝(東京大学 医学系研究科)
- 岡崎 啓明(東京大学 医学部)
- 山田 哲也(東北大学 医学系研究科)
- 中西 修平(広島大学 内分泌・糖尿病内科)
- 寺内 康夫(横浜市立大学 医学部)
- 南野 徹(新潟大学 医歯学系)
- 齋藤 和美(茨城県立医療大学 保健医療学部)
- 西川 哲男(横浜労災病院 内科)
- 川崎 良(山形大学 医学部)
- 羽入 修(新潟大学医歯学総合病院 内分泌代謝内科)
- 野田 光彦(国立国際医療研究センター 糖尿研究連携部)
- 島野 仁(筑波大学 医学医療系)
- 大橋 靖雄(東京大学 医学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
腎透析、失明、足壊疽、動脈硬化疾患等と直結する2型糖尿病は、国民の健康寿命延伸と国民医療費抑制の双方に悪影響を及ぼす、厚生労働行政上、最も対策が急がれる疾患の一つである。2型糖尿病は欧米人と東アジア人とでは、病態が大きく異なることが知られており、わが国の対策は、東アジア人の臨床エビデンスに基づいて実施される必要がある。しかし東アジア人を主体とする大規模臨床研究は不十分なのが実情である。本研究は東アジア人2型糖尿病の病態と合併症のリスク因子を明らかにし、特に食事や運動などの生活習慣療法の有効性を明らかにすることを主目的としてきた。
研究方法
本研究は、欧米以外では世界初の糖尿病患者の大規模臨床介入研究として、東アジア人糖尿病患者に関する臨床エビデンスをこれまで数多く樹立してきた。さらに世界的な糖尿病分野のエビデンス形成に寄与するため、メタアナリシスや人間ドックコホートを用いた併行解析も実施しつつ、専門班による多くの解析が行われている。
結果と考察
これまでに主解析(各合併症の発症・進展率、主要なリスクファクターの関与などの基本解析)を終え、現在は、各合併症の詳細解析が進められている。昨年度は、運動量が多い糖尿病患者は少ない患者に比し、脳卒中発症率のみならず死亡率が半減することを発表し、さらに個別の患者条件やコントロール状態を入力すると、今後5-10年以内の各種合併症の発症確率を簡単に予測できる「糖尿病合併症リスクエンジン(リスク計算器)」も開発した。このリスクエンジンは、邦文版・英文版をすでにウェブ公開し、糖尿病診療の個別化をサポートする強力なツールとして内外の臨床現場で使われている。これらに加え、この研究が蓄えた膨大なデータベースの解析は、継続的に欧米の一流誌にアクセプトされ続けており、今後の糖尿病診療にも大きく貢献するものと期待される。
結論
日本と東アジアを代表する2型糖尿病患者データベースである本研究から生み出されているエビデンスは、この地域の患者における、欧米人患者とは異なる多くの所見を含んでおり、この地域の診療や保健指導などに今後とも大きく寄与するものと考えられる。
公開日・更新日
公開日
2015-09-04
更新日
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