文献情報
文献番号
201313021A
報告書区分
総括
研究課題名
独自m-CRAベクターによる癌幹細胞の同定・標的治療技術の開発と革新的な遺伝子治療の実現
課題番号
H22-3次がん-一般-032
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
小戝 健一郎(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 三井薫(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 入江 理恵(前薗 理恵)(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 伊地知 暢広(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 王 宇清(鹿児島大学 産学官連携推進センター)
- 小宮 節郎(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 瀬戸口 啓夫(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 坂本 泰二(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 夏越 祥次(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 隅田 泰生(鹿児島大学 大学院理工学研究科)
- 國貞 隆弘(岐阜大学 大学院医学系研究科)
- 近藤 亨(北海道大学 遺伝子病制御研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
10,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1.Surv.m-CRAの臨床化実現
2.m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発
3.「癌幹細胞への分化誘導による悪性化除去」の新規遺伝子治療法戦略の開発
4.癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発
2.m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発
3.「癌幹細胞への分化誘導による悪性化除去」の新規遺伝子治療法戦略の開発
4.癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発
研究方法
1.Surv.m-CRAの臨床応用
2.m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発
(i)X分子依存性m-CRA(X.m-CRA)の開発
(ii)CD9 shRNA m-CRA癌治療
(iii)癌幹細胞分離技術の開発
(iv)糖鎖ナノテクノロジーによる新技術
3.「癌幹細胞への分化誘導により悪性化除去」という新たな遺伝子治療法戦略の開発
4.癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発
5.癌と正常幹細胞からの新規標的機構と分子の解明
2.m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発
(i)X分子依存性m-CRA(X.m-CRA)の開発
(ii)CD9 shRNA m-CRA癌治療
(iii)癌幹細胞分離技術の開発
(iv)糖鎖ナノテクノロジーによる新技術
3.「癌幹細胞への分化誘導により悪性化除去」という新たな遺伝子治療法戦略の開発
4.癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発
5.癌と正常幹細胞からの新規標的機構と分子の解明
結果と考察
独自開発のm-CRA(多因子で癌特異化する増殖制御型アデノウイルスベクター)作製技術を基盤に、独創的な癌幹細胞の同定.標的治療技術の開発を目的としている。分担研究者の癌幹細胞と癌悪性化に関するオリジナルの研究成果を主任研究者らのm-CRAベクターに応用し、また糖鎖技術からのベクター技術の改良開発という連携した研究体制で以下の基礎研究成果をあげ、また治験への準備も進めて来た。概要は以下である。
1.第一弾医薬候補のSurvivin反応性m-CRA(Surv.m-CRA)の、医師主導治験の準備を進めた。
2.Surv.m-CRAは癌の全分画に治療効果があるだけでなく、「癌幹細胞(つまり悪性化が増せば)むしろ治療効果が増加する」という結果を得、従来の治療法への優位性を実証した。
3.癌幹細胞で高発現するX分子に反応性のm-CRAを作製・解析し、本年は特にin vivo動物モデルでの治療効果の実験を進めた。
4.癌幹細胞を標的する候補となる遺伝子プロモーターもリコンビネーションで簡単に交換可能で網羅的解析を可能とし、標的する蛍光蛋白、殺傷遺伝子も搭載したベクターシステムを開発して特許出願した。
5.白血病治療薬の三酸化ヒ素(ATO)による、骨肉腫増殖抑制能を見出した。
6.マウス人工グリオーマ幹細胞株、ヒト各種グリオーマから樹立した浮遊細胞塊と正常神経幹細胞に発現亢進・消失しているmiRNA群を同定し、miR-340がプラスミノーゲンアクチベーターを含む様々な機能因子の発現抑制を介して腫瘍形成を阻害することを明らかにした。
7.癌と正常の幹細胞の分子機構解明という観点から、iPS細胞の研究も進め、低酸素で培養することでDPSCからのiPS細胞誘導効率が5倍程度上昇することを明らかにした。
8.ウイルスベクターへ結合する糖鎖の研究を進めた。
1.第一弾医薬候補のSurvivin反応性m-CRA(Surv.m-CRA)の、医師主導治験の準備を進めた。
2.Surv.m-CRAは癌の全分画に治療効果があるだけでなく、「癌幹細胞(つまり悪性化が増せば)むしろ治療効果が増加する」という結果を得、従来の治療法への優位性を実証した。
3.癌幹細胞で高発現するX分子に反応性のm-CRAを作製・解析し、本年は特にin vivo動物モデルでの治療効果の実験を進めた。
4.癌幹細胞を標的する候補となる遺伝子プロモーターもリコンビネーションで簡単に交換可能で網羅的解析を可能とし、標的する蛍光蛋白、殺傷遺伝子も搭載したベクターシステムを開発して特許出願した。
5.白血病治療薬の三酸化ヒ素(ATO)による、骨肉腫増殖抑制能を見出した。
6.マウス人工グリオーマ幹細胞株、ヒト各種グリオーマから樹立した浮遊細胞塊と正常神経幹細胞に発現亢進・消失しているmiRNA群を同定し、miR-340がプラスミノーゲンアクチベーターを含む様々な機能因子の発現抑制を介して腫瘍形成を阻害することを明らかにした。
7.癌と正常の幹細胞の分子機構解明という観点から、iPS細胞の研究も進め、低酸素で培養することでDPSCからのiPS細胞誘導効率が5倍程度上昇することを明らかにした。
8.ウイルスベクターへ結合する糖鎖の研究を進めた。
結論
総合的な結論として、m-CRAの医師主導治験実現を強力に進めることができ、さらにm-CRA技術での革新的な癌幹細胞治療法開発に繋がる各成果を上げることができた。
公開日・更新日
公開日
2015-06-02
更新日
-