認知症のケア及び看護技術に関する研究

文献情報

文献番号
201311012A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症のケア及び看護技術に関する研究
課題番号
H25-認知症-一般-007
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 粟田 主一(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 東野 定律(静岡県立大学 経営情報学部)
  • 田中 彰子(山梨県立大学 看護学部)
  • 西川 正子(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
12,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、認知症のステージ別に、そのケアや看護技術を明らかにし、この標準化を行うことである。これにあたっては、研究代表者らがすでに開発した認知症の臨床像を総合的に評価するアセスメントツールであるDASC(粟田2012)等を用いて、介護保険施設や医療機関を利用している認知症の方へのケアや看護技術の実態調査を行うこととしている。平成25年度は、認知症ケアおよび看護技術の一般化に取り組んできた研究者による委員会を組織し、認知症ケアと看護技術を明らかにするための調査設計を行い、これに基づいた予備的な調査研究を実施した。
研究方法
今年度は、①看護必要度評価による認知症入院患者の状態像の検討、②DASCによる認知症に係わる生活機能障害と介護サービスの利用状況の関連性、③認知症疾患別の認知機能や問題行動の状況および提供されるケアの特徴、④認知症高齢者の包括的QOL尺度の開発に向けたDASCの妥当性検証と主観的Wellbeingとの関連の検討の四つの調査研究を実施した。
結果と考察
①本研究で、「急性期」と定義した一般急性期病床では、認知症患者の入院はほとんどなかった。一方、「療養病棟入院基本料」を算定する療養病床には、認知症患者が多く入院していた。また、急性期病床においては、認知症がある患者の方がADLの介助が多くの場面で必要な患者であることは、B得点の高さから明らかであろう。一方、療養病床で、認知症の有無によってB得点には有意差が示されておらず、これは、療養病床には、認知症に罹患していないADL介助が多く必要な患者が入院していることを示しているものと考えられた。
②研究結果から、認知症確定診断の有無別にscoreの有意差が示され、DASCはとりわけ認知症の疑い弁別に有効であることが明らかにされた。また、認知症の疑いの有無別に介護サービスの利用状況が異なることが示された。今後は、より詳細な介護や看護のケアの内容や、これらのケアの内容と認知症の進行度との関係を経年的に分析することによって、認知症の生活機能障害や進行度合いに応じたケアパスを開発するためのエビデンスを収集していく必要があると考えられた。
③本研究において、介護保険施設入所者を対象として実施された認知症の鑑別診断および認知症に関わる詳細なアセスメント調査とタイムスタディ調査のデータを結合したデータを分析することによって、認知症疾患と認知機能やBPSDあるいは認知症の重症度、そして、認知症疾患とケア提供時間の関連性についての基礎資料が示された。
④1,341名に対して訪問調査を実施し、このうち1,329名においてDASC-21のすべての項目について評価した(実施率99.1%)。DASC-21はWHO-5-Jとも有意に相関し、DASC-21が高いほど、WHO-5-Jは低かった。この関係は、年齢、教育年数で制御した偏相関分析においても確認された。
結論
今年度の予備調査の結果、①看護必要度評価による処置とADLの状況からみた認知症入院患者の状態像、②DASCによる認知症に係わる生活機能障害と介護サービスの利用状況の関連性、③認知症疾患別の認知機能や問題行動の状況および提供されるケアの特徴、④認知症高齢者の包括的QOL尺度の開発に向けたDASCの妥当性検証と主観的Wellbeingとの関連性についての基礎的な知見が収集された。
今後は引き続き、疾患特有の状態像とケア提供の関連について、在宅や医療機関のデータを踏まえて検討し、これによってエビデンスに基づいたケアや看護技術のあり方について検討を進めていくことを予定している。

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201311012Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
12,300,000円
(2)補助金確定額
12,300,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,080,751円
人件費・謝金 4,302,223円
旅費 1,422,450円
その他 4,494,700円
間接経費 0円
合計 12,300,124円

備考

備考
差額の124円は自己負担にて精算を行った。

公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
-