高齢者の薬物治療の安全性に関する研究

文献情報

文献番号
201310012A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の薬物治療の安全性に関する研究
課題番号
H25-長寿-一般-001
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
秋下 雅弘(東京大学医学部附属病院 老年病科)
研究分担者(所属機関)
  • 江頭 正人(東京大学医学部附属病院 老年病科)
  • 小島 太郎(東京大学医学部附属病院 老年病科)
  • 荒井 啓行(東北大学加齢医学研究所脳科学研究部門老年医学分野・老年医学)
  • 大類 孝(東北大学加齢医学研究所高齢者薬物治療開発寄附研究部門・老年医学)
  • 岩崎 鋼(国立病院機構西多賀病院漢方医学センター・漢方,東洋医学)
  • 水上 勝義(筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント科学専攻・老年医学,ストレスマネジメント)
  • 堀江 重郎(帝京大学医学部泌尿器科学)
  • 神崎 恒一(杏林大学医学部高齢医学・老年医学)
  • 須藤 紀子(杏林大学医学部・老年病学,消火器病学)
  • 鳥羽 研二(国立長寿医療研究センター病院・老年医学)
  • 古田 勝経(国立長寿医療研究センター臨床研究推進部・薬剤学)
  • 鈴木 裕介(名古屋大学大学院医学系研究科・老年医学,地域包括ケアシステム)
  • 荒井 秀典(京都大学大学院医学系研究科・内科学,老年医学,血管生物学)
  • 楽木 宏実(大阪大学大学院医学系研究科・老年・腎臓内科学・老年医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
18,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者の薬物有害作用を減らすためには、実践的なガイドラインの作成、その根拠の集積、さらには多職種協働による実施体制を確立することが必要である。そこで、系統的レビューをもとに「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」(日本老年医学会編)を全面改訂すること、多施設共同調査により薬物有害作用の危険因子とその重みを抽出して、スクリーニングに有用なリスク評価スコアを作成すること、薬局・薬剤師を核とした処方・服薬状況のチェック及び情報連携モデルを構築すること、以上の3点が本研究の目的である。
研究方法
系統的レビューでは、疾患・療養環境で16領域に分け、各々検索式を作成してMedline、Cochrane、医中誌の3つのデータベースから文献抽出と選択、構造化抄録作成を行った。薬物有害事象調査では、大学病院老年科病棟5施設を対象に症例登録を行った。薬局の研究では、高齢者に対する薬効分類表を用いた多剤投与削減手順書(案)」を作成し、予備的な後ろ向き調査研究を行った。また、高齢者の処方実態に関するデータ解析を行うべく、調剤薬局のデータベース構築を進めた。
結果と考察
系統的レビューのための一次文献サーチでは、全領域でMEDLINE2793件、Cochrane1871件、医中誌2314件がヒットした。続いて二次選択を行ったところ、領域平均でMEDLINE62件、Cochrane32件、医中誌20件が選択された。領域毎に抽出文献を精査し、構造化抄録を作成した。これをもとに、次年度にはガイドライン原案を執筆する予定である。薬物有害事象調査では、700名(平均年齢82歳、男性46%)を登録し、薬物有害事象は14.7%にみられ、意識障害、低血糖、肝機能障害、電解質異常、ふらつき・転倒、低血圧の順に多かった。次年度には、危険因子を統計学的に解析してリスク評価スコアを作成予定である。薬局の研究では、「高齢者に対する薬効分類表を用いた多剤投与削減手順書(案)」を作成し、予備的な後ろ向き調査研究を行った結果、Beers criteria 2012よりも減薬に有用である可能性が示された。また、調剤薬局のデータベース(処方数1万超)構築を進め、データ解析の準備を整えた。次年度は、データ解析とともに、地域の薬局ネットワーク(名古屋市千種区69か所)を利用した認知症診療連携の構築を進める予定である。
結論
高齢者薬物療法の安全性に関する系統的レビューを行い、16領域について構造化抄録を作成した。次年度のガイドライン原案執筆につなげる。大学病院老年科5施設の中間調査では、薬物有害事象は14.7%にみられた。次年度には、危険因子を統計学的に解析してリスク評価スコアを作成する。薬局の調査研究についても予備的な結果と実施体制が整い、引き続き調査・解析を行っていく。

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2014-08-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2015-01-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201310012Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
24,000,000円
(2)補助金確定額
24,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,415,926円
人件費・謝金 2,866,195円
旅費 799,444円
その他 7,380,435円
間接経費 5,538,000円
合計 24,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2017-10-03
更新日
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