文献情報
文献番号
201305030A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症のケアに関する実態把握のための調査研究
課題番号
H25-特別-指定-013
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
朝田 隆(筑波大学 医学医療系臨床医学域)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今後の介護保険サービスに求められるものは何かという立場から今後の認知症ケアのアンメットニーズについて検討する。次に介護保険サービスという視点に立って、認知症の特徴的な症状であるBPSDと生活機能障害への対応策と介護者への教育方法を検討し、その基本方針をまとめる。
研究方法
まずアンメットニーズについては、認知症と判断された住民、およびその家族、介護スタッフに対し、アンケート調査を行った。
調査対象地域としては、先行する認知症有病率調査地であり、速やかに調査が可能とされた2地域(茨城県つくば市、茨城県利根町)を選定した。この2地域に在住し、認知症と判断された住民、およびその家族、介護スタッフ(ケアマネージャー、介護の専門職員)のうち、研究への参加の同意の得られた者を対象とした。そして認知症者、家族、専門職員に対しては、調査員が調査対象者宅や入所施設を訪問する対面聞き取り調査、もしくは電話による聞き取り調査を行った。なお専門職員に対する調査は、家族が回答できない場合にのみ行った。ケアマネージャーに対しては、認知症者のうち介護保険利用者のみ、担当ケアマネージャーに調査票を郵送し、自記式による回答後、郵送で回収する郵送調査を行った。調査期間は、平成25年11月から平成26年2月であった。
次にBPSDと生活機能障害については、基本として①本来の日常生活上の行為とはいかなるものであるかの確認をする。次に②実際の生活障害とはこのような基本パターンからどのように逸脱しているかの分析を行う。そして③多くのケア実践者からこのような逸脱への対応方法として優れたものを収集して、これらを画像化する。
調査対象地域としては、先行する認知症有病率調査地であり、速やかに調査が可能とされた2地域(茨城県つくば市、茨城県利根町)を選定した。この2地域に在住し、認知症と判断された住民、およびその家族、介護スタッフ(ケアマネージャー、介護の専門職員)のうち、研究への参加の同意の得られた者を対象とした。そして認知症者、家族、専門職員に対しては、調査員が調査対象者宅や入所施設を訪問する対面聞き取り調査、もしくは電話による聞き取り調査を行った。なお専門職員に対する調査は、家族が回答できない場合にのみ行った。ケアマネージャーに対しては、認知症者のうち介護保険利用者のみ、担当ケアマネージャーに調査票を郵送し、自記式による回答後、郵送で回収する郵送調査を行った。調査期間は、平成25年11月から平成26年2月であった。
次にBPSDと生活機能障害については、基本として①本来の日常生活上の行為とはいかなるものであるかの確認をする。次に②実際の生活障害とはこのような基本パターンからどのように逸脱しているかの分析を行う。そして③多くのケア実践者からこのような逸脱への対応方法として優れたものを収集して、これらを画像化する。
結果と考察
アンメットニーズ調査の結果では、短期入所などの施設関係や福祉用具などの拡充が求められた。またサービス利用にあたり、利用者の現状と供給されるサービスがマッチするように、ケアマネージャーとの間で納得のいく話し合いが必要性だという声が寄せられた。さらに全般的な身体機能水準ではなく、認知機能障害およびBPSDの重症度と介護者の負担度に依拠した要介護認定となるように介護保険の制度を改正することが必要とされた。一方で、介護スタッフは社会資源拡充の必要性を述べ、最前線で活動するケアマネージャーは認知症者の家族との間で十分な話し合いが必要だと回答した。
認知症ケアに関しては、生活障害をアルツハイマー病におけるそれを基準として、ステージ別に整理し、それぞれの対応法を整理した。加えて基本的な生活動作をアニメーション化したり、生活障害に対するケアのグッドプラクティス場面を映像化したりして集大成化してきた。これにより画像教材としての基盤を整えた。
家族介護者のメンタル面に配慮した上で、BPSDと生活機能障害に家族・施設介護者が対応できる術を十分に時間をかけて伝えることが重要である。次に生活機能障害は、個人毎に、また生活環境により異なり、標準化されているADL指標で評価しうるものではない。それだけにそれに対するケア方法がマニュアル化されることはなかったが、本研究では現場の実務者や家族介護者の経験の中からグッドプラクティスを抽出して、倫理的に十分な配慮の上でそれを画像化するという提言をし、その具体的なプロセスを示した。
以上に基づいて、技術的に対応できる方法論とその教育法の開発は喫緊の課題であると考えた。
認知症ケアに関しては、生活障害をアルツハイマー病におけるそれを基準として、ステージ別に整理し、それぞれの対応法を整理した。加えて基本的な生活動作をアニメーション化したり、生活障害に対するケアのグッドプラクティス場面を映像化したりして集大成化してきた。これにより画像教材としての基盤を整えた。
家族介護者のメンタル面に配慮した上で、BPSDと生活機能障害に家族・施設介護者が対応できる術を十分に時間をかけて伝えることが重要である。次に生活機能障害は、個人毎に、また生活環境により異なり、標準化されているADL指標で評価しうるものではない。それだけにそれに対するケア方法がマニュアル化されることはなかったが、本研究では現場の実務者や家族介護者の経験の中からグッドプラクティスを抽出して、倫理的に十分な配慮の上でそれを画像化するという提言をし、その具体的なプロセスを示した。
以上に基づいて、技術的に対応できる方法論とその教育法の開発は喫緊の課題であると考えた。
結論
これまで地域でBPSDのある認知症患者を支えることについて具体的な方策は乏しかった。本研究では、医療側と介護保険側との相互協力、介護保険サービス提供者の負担分担、新たな報酬体系の作成に加えて、とくに画像教材を活用した家族教育という視点の提言をした。
公開日・更新日
公開日
2014-08-26
更新日
-