医療機器保守管理の適正実施にむけた諸課題の調査研究

文献情報

文献番号
201232054A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器保守管理の適正実施にむけた諸課題の調査研究
課題番号
H24-医療-指定-047
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
石原 美弥(防衛医科大学校 医用工学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 櫛引 俊宏(防衛医科大学校 医用工学講座)
  • 中島 章夫(杏林大学 保健学部)
  • 加納 隆(埼玉医科大学 保健医療学部)
  • 廣瀬 稔(北里大学 医療衛生学部)
  • 高倉 照彦(亀田総合病院 医療技術部)
  • 中野 壮陛((財)医療機器センター)
  • 須田 健二(杏林大学 保健学部)
  • 中村 淳史(杏林大学 保健学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,457,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器の適正使用と、保守点検のためのガイドライン策定に関して継続的に研究を進めている。このガイドラインをさらに改善し、医療機器の保守管理が適正に実施されるためには、実際に医療機器の保守管理にあたっている担当者への聞き取り調査が必要である。すなわち、医療機器メーカー、医療機器卸業者及び保守管理受託会社による医療機器の保守・安全管理が重要なポイントであり、各業種からの医療機器の保守・管理の実態を把握し、医療機器を適正使用するためのガイドラインを付加・改定する必要がある。しかしながら、その保守・安全管理に関する費用や頻度などの実態は把握されていない。そこで本研究では、医療機器流通に関する関係刊行物や学会の動向をふまえて、2兆円の市場規模を有する医療機器流通の実態について調査することを目的とする。
研究方法
医療機器の保守・安全管理を担当する医療機関、医療機器メーカーや医療機器流通業の担当者へのアンケートを実施することにより、医療機器の保守・安全管理に関する費用や頻度などの実態を把握した。具体的には日本医療機器販売業協会の研究協力者と現状の問題点の洗い出しとアンケート内容について検討した。特に「どのようなアンケートを実施すれば情報を入手できるのか」、「卸業は種々の医療機器品目を扱っているため、地域や規模別の卸業分類を行う方が情報を整理しやすいか」、「医療機器メーカーへのアンケートだと機器ごとの回答になる可能性がある」、「入手すべき情報の抜けがあってはならない」といった観点でアンケート内容について検討した。加えて医療機器メーカーへのヒアリング、関係刊行物や学会の動向調査を実施する事で現状の問題点として洗い出した。
結果と考察
2年の研究計画の1年目として、研究協力者も含めて研究班会議を開催し、医療機器保守管理を適正に実施する上での諸課題を洗い出すことを目的に、特に緊喫に取り組む課題を選定し、その課題に対する基本的考え方に加えて課題解決に向けて議論した。
医療機器の保守点検と一言で表現しても、実際は30万品目と多様な医療機器を同等に扱うのは難しい。そこで輸液ポンプに絞って調査した。輸液ポンプに絞った理由は、医療機器の中でも輸液ポンプは医療機関内で有している台数が多いが、大型の画像診断機器のように保守点検を実施して当然という段階には至っていないこと、輸液管理が薬剤の変化や進歩とともに高度化・複雑化する課題があることなどからとした。
本年度実施した具体的研究内容は以下の項目の通りである。
1.輸液ポンプのインシデント事例調査結果による考慮すべき課題と参考例
2.学会機関誌等での輸液ポンプのトラブルに関する調査結果
3.米国における輸液ポンプのハザード実態と対応策
4.輸液ポンプのヒヤリハット・事故の実態とその対策としてのメンテナンス(メーカーのヒアリングより)
5.「輸液ポンプ・シリンジポンプの保守管理状況」ならびに「医用テレメータの管理状況」に関するアンケート実施について
6.造影剤注入装置の保守点検状況
7.輸液ポンプの使用状況と保守点検
結論
H24年度の研究により、実情の詳細把握と今後の方向性が議論でき、医療機関・医療機器メーカー・医療機器流通業者において健全かつ適正に医療機器の使用がおこなわれるようになる。加えて、中期的な財政予測や医療機器保守管理の将来的な市場規模を予測し、有益性の高い情報を発信する。これには国民との双方向コミュニケーション活動に該当する。すなわち、行政研究として必要とされる厚生労働行政の施策への活用の可能性へと繋がる。

公開日・更新日

公開日
2013-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201232054Z