医療機関選択に寄与する情報方法および情報の内容に関する検討

文献情報

文献番号
201232013A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関選択に寄与する情報方法および情報の内容に関する検討
課題番号
H24-医療-一般-006
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
大平 善之(千葉大学 医学部附属病院総合診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 生坂 政臣(千葉大学 医学部附属病院総合診療部 )
  • 上原 孝紀(千葉大学 大学院医学研究院循環型地域医療連携システム学 )
  • 高橋 知子(千葉大学 医学部附属病院総合診療部 )
  • 野田 和敬(千葉大学 医学部附属病院総合診療部 )
  • 高田 俊彦(千葉大学 医学部附属病院総合診療部 )
  • 宮原 雅人(千葉大学 医学部附属病院総合診療部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
1,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者が医療機関選択の際に参考にする情報の入手先、および重視する情報の内容について調査した。
研究方法
対象は、千葉県内の診療所、市中病院、千葉大学医学部附属病院総合診療部を受診した20歳以上の初診患者で(紹介状の有無は問わない)、かつ、本研究に同意を得られた者とした。対象者に対し、調査票を配布し、記入させ、受付で回収した。研究1年目にあたる平成24年度は、まず調査票の項目の決定、および調査票の作成を行った。その後、各協力医療機関での調査を開始した。大学病院、市中病院、診療所の3群間の比較は、有症期間のみ一元配置分散分析を用いて解析し、その他はクロス集計表を作成し、χ2検定を用いて解析を行った。なお、複数回答を許可した項目については、多重回答集計を行った。
結果と考察
対象者は816名であり、685名[男性311名(45.4%)、女性374名(54.6%)、平均年齢51歳]から有効回答を得た(回収率88.0%、有効回答率83.9%)。医療機関の選択において、大学病院を受診する患者では、かかりつけ医が直接的、間接的に関与している紹介患者が多く、紹介状を必須とし、それをホームページ等に掲載することにより、適切な受療行動の啓蒙につながる可能性が示唆された。市中病院、および診療所を受診する患者では、本人の意思、家族のすすめでの受診が多かった。本人の意思ではアクセスの良さが重視されていた。家族のすすめでは、ポスターや看板、パンフレットなどの広告による情報提供が有用と考えられた。インターネットは、高い人口普及率の割に医療機関選択の決め手とはなっていない実態が明らかとなったが、年代別の解析が必要と考えられた。ホームページの閲覧は、パソコン(コンピュータ)からが多かったが、携帯電話、スマートフォンを利用している者も少なからず存在し、モバイル機器向けのホームページの充実も重要と考えられた。
結論
医療機関の選択において、大学病院を受診する患者では、かかりつけ医が直接的、間接的に関与している紹介患者が多く、受診の際に紹介状を必要とし、それを周知することで、適切な受療行動の啓蒙につながる可能性が示唆された。
 市中病院、および診療所を受診する患者では、本人の意思、家族のすすめでの受診が多かった。本人の意思ではアクセスの良さが重視されていた。家族のすすめでは、ポスターや看板、パンフレットなどの広告による情報提供が有用と考えられた。
 インターネットは、高い人口普及率の割に医療機関選択の決め手とはなっていない実態が明らかとなったが、年代別の解析が必要と考えられた。ホームページの閲覧は、パソコン(コンピュータ)からが多かったが、携帯電話、スマートフォンを利用している者も少なからず存在し、モバイル機器向けのホームページの充実も重要と考えられた。
 今後、サンプル数を増やし、年代別、有症期間別の解析についても実施し、医療情報の効果的な提供方法、提供すべき内容について、さらなる検討を行う。

公開日・更新日

公開日
2013-08-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201232013Z