周産期医療の質と安全の向上のための研究

文献情報

文献番号
201232006A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期医療の質と安全の向上のための研究
課題番号
H23-医療-指定-008
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
楠田 聡(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村 正哲(大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 松田 義雄(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
  • 池田 智明(国立循環器研究センター 周産期・婦人科部)
  • 細野 茂春(日本大学医学部 小児科学系小児科学分野)
  • 米本 直裕(国立精神・神経医療研究センタートランスレーションメディカルセンター情報管理・解析部生物統計解析室)
  • 河野 由美(自治医科大学 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国のハイリスク児の予後は国際的にも高い水準に維持されているが、未だ改善の余地は大きい。そこで、ハイリスク児の生命および発達予後を向上させるために、周産期母子医療センターの診療行為を標準化する介入研究の実施体制の整備と介入研究の遂行を目的とする。
研究方法
全国の周産期母子医療センター40施設を対象としたクラスターランダム化比較試験で、評価はその施設に入院する出生体重1500g以下のハイリスク児の予後とした。そして、介入項目の設定と介入方法を定めた研究計画書を平成23年度に作成した。そこで、本年度は、母体情報の収集、介入試験の継続、介入因子の詳細な評価、さらにはフォローアップ体制の整備を行うこととした。
結果と考察
 介入試験の介入群19施設で平成24年2から5月に介入のためのワークショップを開催した。また、平成24年2月12日から参加施設に入院した症例の登録が開始され、平成25年3月で1311例以上が登録された。その結果、平成26年2月には予定登録数に達すると推測された。一方、組織プロファイルの介入前の解析が行われ、改善点が参加施設に示された。母体情報に関しては、詳細なデータベースが確立し、データの収集が開始された。他方、新生児の介入項目についても、新生児蘇生法および栄養管理の詳細な検討が行われた。現時点では、本研究に伴う特別な有害事象は報告されなかった。今後も中間解析を含め、データモニタリングの体制を継続する予定である。
 試験の1次評価項目である修正1.5歳および3歳時の予後を評価するための体制についても整備が進み、平成25年9月から開始される退院児のフォローアップについても、課題無く実施できる状況と言える。
 全体的に、平成23年度の研究で確定した試験計画に沿って、介入施設でのワークショップ開催、入院した極低出生体重児の登録体制の構築と実際の登録の開始、組織の評価、フォローアップ体制の準備等、研究全体が順調に進捗していると言える。

結論
介入試験は平成24年2月から症例の登録が順調に進み、1年間で1100例以上が登録された。このままの登録状況が続けば、平成26年2月には目標の2400例に達する予定である。一方、本研究による有害事象の報告は、平成25年2月現在で無かった。また、介入研究の遂行に必要な母体情報データベースの整備、フォローアップ体制の整備、中間解析も含めたモニタリング体制と最終解析の整備も進んだ。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201232006B
報告書区分
総合
研究課題名
周産期医療の質と安全の向上のための研究
課題番号
H23-医療-指定-008
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
楠田 聡(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村 正哲(大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 松田 義雄(東京女子医科大学 母子総合医療センター )
  • 池田 智明(国立循環器病研究センター 周産期・婦人科部)
  • 細野 茂春(日本大学医学部 小児科学系小児科学分野)
  • 米本 直裕(国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナルメディカルセンター情報管理・解析部生物統計解析室)
  • 河野 由美(自治医科大学 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 わが国の周産期医療は近年着実に進歩しているが、予後には施設間差が存在することも明らかである。そこで、周産期医療療行為の標準化により予後が向上するかどうかを検証するために、比較検討試験を実施する。
研究方法
 全国の周産期母子医療センターを介入対象施設とし、その施設に入院するハイリスク児の予後を比較する。比較は、対象施設を介入群と非介入群に分けるクラスターランダム化試験とした。介入項目は、データベースの解析から、出生時の蘇生、肺合併症の予防、動脈管開存症および脳室内出血の予防、敗血症の予防、栄養管理の5つの診療行為とした。そこで、これらの診療行為を標準化するためのワークショップの開催およびガイドラインの提示を介入施設で実施する。主要評価項目は研究参加施設に日齢0で入院した出生体重400~1500gの児の、修正1.5または3歳での障害の無い生存率とした。副次評価項目としては、1歳半までの死亡等の入院児の評価と、組織文化尺度、組織内人間関係尺度、職務満足度、診療技量評価、職業ストレス尺度等の医療スタッフに関する項目とした。目標例数は、1群1200例、両群で2400例とした。なお、臨床試験として「UMIN000007064」で登録した。
結果と考察
 研究実施計画書を決定して試験参加施設を公募した結果、40施設が参加することとなった。介入群と非介入群の2群にランダムに割り付けした結果、19施設が介入群となった。平成24年2月から介入群での介入を開始すると同時に、入院児の登録を介入群と対照群で同時に開始した。その結果、平成25年3月に時点で1311例が登録され、平成26年2月には目標症例数に達すると予測された。
 この研究は、診療ガイドラインを作成して一律に施設に導入するのではなく、データベースに登録された参加施設の診療成績を基にワークショップを通じて改善策を示すところにある。さらに、診療ガイドラインの導入のみでなく、組織のプロファイルを含む、組織文化についても解析を行い、改善点を介入施設に提示した。ハイリスク児の予後改善と施設の組織の充実に繋がることが期待できる。
介入研究のための詳細な介入手順書と診療ガイドラインが作成した。また、この診療ガイドラインの実効性を高めるため、介入ワークショップを開催してガイドラインを提示し、さらにその後の介入施設での診療行動の改善を担保するための、自主的な改善行動計画の作成、監査を実施する研究計画を作成した。一方、介入効果の検証については、ハイリスク児の予後を評価する方法を確立した。さらに、組織行動の改善についても、評価方法を確立した。
 今回の介入は出生した新生児の診療に限定されている。これは、産科の診療行為と予後をリンクしたデータが存在しなかったことが理由である。しかし、今回産科の診療行為を詳細に記録する産科データベースが完成したので、新生児の予後とこの産科因子の関係を検討することで、ハイリスク児の予後を改善するために必要な産科の診療行為を同定することが可能となった。この結果を基に、周産期医療の向上のための産科の診療行為の標準化が可能となる。
結論
 周産期医療の質と安全の向上のための研究実施計画書に基づき研究が進行している。現時点では、平成26年2月に登録が終了し、平成28年には予後の結果が集計できる予定である。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

総合研究報告書
分担研究報告書
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分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2018-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201232006C

収支報告書

文献番号
201232006Z