神経芽腫における標準治療の確立と新規治療の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201221040A
報告書区分
総括
研究課題名
神経芽腫における標準治療の確立と新規治療の開発に関する研究
課題番号
H22-がん臨床-一般-041
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
池田 均(獨協医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 中川原 章(千葉県がんセンター)
  • 麦島 秀雄(日本大学)
  • 菊田 敦(福島県立医科大学)
  • 檜山 英三(広島大学)
  • 瀧本 哲也(国立成育医療研究センター)
  • 中澤 温子(中川 温子)(国立成育医療研究センター)
  • 菊地 陽(帝京大学)
  • 米田 光宏(大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 小川 淳(新潟県立がんセンター)
  • 福島 敬(筑波大学)
  • 松本 公一(名古屋第一赤十字病院)
  • 田尻 達郎(京都府立医科大学)
  • 七野 浩之(日本大学)
  • 家原 知子(京都府立医科大学)
  • 上條 岳彦(千葉県がんセンター)
  • 林 泰秀(群馬県立小児医療センター)
  • 副島 俊典(兵庫県立がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
神経芽腫における標準治療の確立と新規治療の開発を行う。
研究方法
高リスク神経芽腫を対象とする臨床試験、「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」の集計・解析を行い、「高リスク神経芽腫に対する遅延局所療法第II相臨床試験」の症例登録を継続する。また「再発神経芽腫の予後に関する臨床的要因を検討する後方視的調査研究」の解析を行い、新たな治療試験の研究計画書を作成する。
低リスク神経芽腫に対する「IDRF (Image Defined Risk Factors) に基づき手術時期の決定を行う神経芽腫低リスク群の観察研究」、中間リスク神経芽腫に対する「IDRF(Image Defined Risk Factors)に基づく手術適応時期の決定と、段階的に強度を高める化学療法による、神経芽腫中間リスク群に対する第II相臨床試験」の症例登録を継続する。
結果と考察
「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」では、寛解導入後のCR59%、CR+PR 87%で、3年全生存率、3年無増悪生存率はそれぞれ69.5%、36.5%であった。これらの結果はいずれも欧米のグループ研究の治療成績と同様、同程度の治療成績であった。また、再発神経芽腫の調査研究」では、再発後の4年全生存率は12.1%で、同種造血幹細胞移植の有効性は明らかにすることができなかった。その他の臨床試験、観察研究では症例登録を継続した。
結論
高リスク神経芽腫に対するわが国の標準的集学的治療の治療成績を明らかにした。さらに治療成績を向上させるべく、また低・中間リスク神経芽腫に対しても標準治療を確立すべく試験(研究)を継続している。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201221040B
報告書区分
総合
研究課題名
神経芽腫における標準治療の確立と新規治療の開発に関する研究
課題番号
H22-がん臨床-一般-041
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
池田 均(獨協医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 中川原 章(千葉県がんセンター)
  • 麦島 秀雄(日本大学)
  • 菊田 敦(福島県立医科大学)
  • 檜山 英三(広島大学)
  • 瀧本 哲也(国立成育医療研究センター)
  • 中澤 温子(中川 温子)(国立成育医療研究センター)
  • 菊地 陽(帝京大学)
  • 米田 光宏(大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 小川 淳(新潟県立がんセンター)
  • 福島 敬(筑波大学)
  • 松本 公一(名古屋第一赤十字病院)
  • 田尻 達郎(京都府立医科大学)
  • 七野 浩之(日本大学)
  • 家原 知子(京都府立医科大学)
  • 上條 岳彦(千葉県がんセンター)
  • 林 泰秀(群馬県立小児医療センター)
  • 副島 俊典(兵庫県立がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
神経芽腫における標準治療の確立と新規治療の開発を行う。
研究方法
高リスク神経芽腫を対象とする臨床試験、「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」の追跡調査と集計・解析を行い、新たな「高リスク神経芽腫に対する遅延局所療法第II相臨床試験」を実施する。また再発神経芽腫の予後に関する臨床的要因を明らかにすべく、「再発神経芽腫の予後に関する臨床的要因を検討する後方視的調査研究」を実施し、新たな大量化学療法のパイロット試験の研究計画書を作成する。
低リスク神経芽腫に対する「IDRF (Image Defined Risk Factors) に基づき手術時期の決定を行う神経芽腫低リスク群の観察研究」と、中間リスク神経芽腫に対する「IDRF(Image Defined Risk Factors)に基づく手術適応時期の決定と、段階的に強度を高める化学療法による、神経芽腫中間リスク群に対する第II相臨床試験」を実施する。
結果と考察
「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」では、寛解導入後の奏効率はCR 59%、CR+PR 87%で、3年全生存率、3年無増悪生存率はそれぞれ69.5%、36.5%であった。これらの結果は欧米のグループ研究の治療成績と同様、同程度の治療成績であった。「再発神経芽腫の予後に関する臨床的要因を検討する後方視的調査研究」では、再発後の4年全生存率は12.1%で、同種造血幹細胞移植の有効性は明らかにすることができなかった。
「高リスク神経芽腫に対する遅延局所療法第II相臨床試験」、「IDRF (Image Defined Risk Factors) に基づき手術時期の決定を行う神経芽腫低リスク群の観察研究」、「IDRF(Image Defined Risk Factors)に基づく手術適応時期の決定と、段階的に強度を高める化学療法による、神経芽腫中間リスク群に対する第II相臨床試験」では症例登録を開始、継続した。
結論
高リスク神経芽腫に対するわが国の標準的集学的治療の治療成績が欧米と同様、同程度の治療成績であることを明らかにした。更なる治療成績の向上、また低・中間リスクにおける標準治療の確率のため研究を継続している。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201221040C

成果

専門的・学術的観点からの成果
高リスク神経芽腫を対象とする臨床試験「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」(2007年4月登録開始、2009年2月登録終了、登録症例数50例、2012年2月追跡終了)の追跡調査および集計・解析を行った。寛解導入療法後の奏効率はCR 59.4%、CR+PR 87.5%であり、症例の3年全生存率、3年無増悪生存率はそれぞれ69.5±6.6%、36.5±7.0%であった。
臨床的観点からの成果
「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」によりわが国の治療成績が欧米のグループ研究の治療成績と同様、同程度の治療成績であることを確認した。さらなる高リスク神経芽腫の治療成績の改善を目的に「高リスク神経芽腫に対する遅延局所療法第II相臨床試験」を開始し、再発神経芽腫の予後に関する臨床的要因を明らかにする後方視的調査研究も実施した。また、低・中間リスク神経芽腫に対する臨床研究、臨床試験を開始した。
ガイドライン等の開発
高リスク神経芽腫では、「高リスク神経芽腫に対する標準的集学的治療の後期第II相臨床試験」で用いられた治療プロトコールが治療成績の明らかな標準的治療として一般に汎用することができる。
その他行政的観点からの成果
研究基盤の日本神経芽腫研究グループ(JNBSG)によりリスク別標準治療の確立と新規の治療法・リスク診断の開発研究を進めた。これにより標準治療が確立し、特に難治の高リスク例や再発例の新たな治療技術が開発されれば、神経芽腫患者の予後とQOLの改善に大きく貢献し得る。また同研究基盤は今後の全国レベルの小児がん医療の集約化、効率的臨床試験(研究)の実施体制、小児がん登録、フォローアップ体制の整備とも連動し得る。
その他のインパクト
一般向け研究成果発表会を平成23年12月17日、仙台青葉カルチャーセンターにて開催した。患者家族および支援団体、小児がん医療関係者の参加を得た。神経芽腫の治療開発とそのためのグループ研究および臨床試験についての理解を深め、現在、変化しつつある小児がん医療の環境についても医療者と医療を受ける側の両者が理解を深め、より良い小児がん医療とその環境を形成するための討論を行うことができた。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
14件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
8件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

特許の名称
該当なし
詳細情報
分類:

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
該当なし
該当なし
該当なし  (2010)
原著論文2
小川淳、新小田雄一、川上清、他
我が国の小児固形がん診療施設の現状
小児がん , 48 , 112-118  (2011)
原著論文3
該当なし
該当なし
該当なし  (2012)

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
2015-09-02

収支報告書

文献番号
201221040Z