医薬品品質システムにおける医薬品製造・品質管理手法の系統化及び国際調和に関する研究

文献情報

文献番号
201132060A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品品質システムにおける医薬品製造・品質管理手法の系統化及び国際調和に関する研究
課題番号
H23-医薬・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 香取典子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 坂本知昭(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品規制国際調和専門家会議(ICH)により作成された「医薬品品質システム」(Q10)ガイドラインの実践のため、より具体的な指針作成など通じ医薬品品質システムの国内実践に貢献する。又、新評価技術の品質システムへの導入方法および課題を検討する。
研究方法
品質システムに関する研究においては平成22年度に厚生労働研究班の行った『製薬企業経営陣への調査結果』、ICH教育研修会・実践導入部会からの成果を基に国内実践を効果的行うための、より具体的な指針作成などを行う。本年度は、国内外の調査、広報活動を行った。又、欧州及び米国で行われたQ10研修会について、主催した欧州EMA、米国FDAの担当者から聞き取り調査を行った。
高度品質分析・評価技術に関する研究では、高速透過測定が可能な近赤外分光器を用いて工程における錠剤の透過含量測定のための導入研究を行い、工程内での分光情報の評価の際の対照となる基準スペクトル取得用に作製した治具により適確に基準スペクトルを得ることができた。また、分析法の適格性評価については、日本薬局方参考情報及びICH Q2A,Bで提唱される分析法バリデーション、及び日本薬局方参考情報近赤外吸収スペクトル測定法で規定される内容に従って評価のためのアプローチを検討した。
結果と考察
品質システムにおいては、議論の中心が新薬開発中心の問題が中心であることが判明した。日本PDA製薬学会においては既存製品へのQbD適用事例が検討され、生産関係だけではなく、研究部門・薬事部門など他部門との連携が必須であることが示された。又、GMPの要件となる定期品質照査、安定性モニターなどの取り込みが新たな課題と認識された。
高度品質分析・評価技術では、医薬品のライフサイクルを構成する計3つの各ステージにおける近赤外分光法の導入例を挙げ、それぞれに必要な評価項目の検討を行った。評価アプローチの程度は導入目的や分析のタイプに応じて分けることが必要であると結論付けた。近赤外分光法を用いたモデルを構築する際に、既存の分析方法を対照とする手法を用いるため、一般的に要求される分析法のバリデーションの評価が困難な場合があることが考えられた。
結論
品質システムの導入により、製薬企業の責任の体系化が進み、規制体系の効率化が期待できる。又、新評価技術の品質システムへの取り込みを通じ、高度な医薬品品質保証が達成できる。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132060Z