文献情報
文献番号
201131018A
報告書区分
総括
研究課題名
食品添加物の規格の向上と使用実態の把握等に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 恭子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
- 北村 陽二(金沢大学 学際科学実験センター)
- 山田 雅巳(国立医薬品食品衛生研究所 変異遺伝部)
- 久保田 浩樹(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部 )
- 大槻 崇(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,720,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
食品の安全性確保のため、食品添加物の国際化を踏まえ、食品添加物規格の向上と使用実態の把握に関する研究を行った。
研究方法
1)アルギン酸の定量法:公定法、改良蒸留法及び比色法による定量を行った。2)生産量統計調査を基にした食品添加物摂取量推定:食品添加物製造(輸入)業者を対象に指定添加物の使用量に関する調査を行った。3)香料化合物の使用量調査等:香料製造会社を対象に使用量調査行った。4)諸外国の香料規制に関わる調査研究:各国・地域の香料の副剤等の調査を行った。5)赤外吸収スペクトル(IR)法:香料化合物45品目等のIR測定を行った。6)定量NMR法(qNMR):qNMRを用い、チアベンダゾール(TBZ)の定量を行った。7)香料化合物の遺伝毒性予測に関する研究:フラクチュエーションAmes試験(FAT)の結果に基づき、構造活性相関手法(SAR)による遺伝毒性予測の妥当性を調べた。8)次亜塩素酸Na処理による副生成物の解明:生鮮食品を次亜塩素酸Naで処理し、GC/MS法を用いて副生成物の分析を行った。
結果と考察
1)改良蒸留法は公定法と同等の結果が得られたことから、水銀を使用する公定法の代替法となり得ると考えられた。2)調査票の回収率が上がり、摂取量推定のための基礎情報を得ることができた。3)前回(平成17年)と比べ、総数は110品目減少し、総使用量は増加したが、上位品目の使用量には大きな変化はなかった。4)22の国や地域の香料の副剤や抽出溶媒に関する情報を得ることができた。5)香料化合物45品目について、測定法や測定条件について検討を加え、標準IR及びその測定法を定めた。また、ATR法の確認試験への利用の可能性を検討した。6)qNMRによるTBZの定量分析に関する検討を行い、良好な真度、並行精度、直線性を有することが明らかとなった。7)SAR陰性の香料化合物にFATを行った結果、一致率は93%であったことからSAR陽性のものについてAmes試験を実施するという手順が効率が良いと推察された。8)生鮮食品の殺菌処理により、ジクロロアセトニトリル及び抱水クロラールの生成が見られた。
結論
アルギン酸の定量法の改良、IR及びqNMRの検討並びに香料化合物の遺伝毒性予測に関する研究は食品添加物の規格の向上に寄与するものであり、食品添加物摂取量調査、香料化合物の使用実態調査、諸外国の香料規制に関わる調査及び次亜塩素酸Na処理による副生成物の解明では食品添加物の適正な使用に関わる知見が得られ、食品の安全の確保に資する。
公開日・更新日
公開日
2012-05-28
更新日
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