特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究

文献情報

文献番号
201131001A
報告書区分
総括
研究課題名
特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 守山 正樹(福岡大学 医学部)
  • 吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 赤松 利恵(御茶ノ水女子大学 生活科学部)
  • 和田 有史(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構)
  • 城川 美佳(富山大学附属病院専門医養成支援センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,120,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
リスクコミュニケーションに利用可能なコミュニケーションツールとしての情報弱者対象教育プログラムとツール開発・評価、リスクコミュニケーター必要要件の明確化である。
研究方法
学校職員、小学生の親、調査会社消費者パネル、大学生を対象に、インタビュー及び質問紙調査を実施した。開発と評価は、研究者と研究協力者のディスカッションを中心に、大学ゼミ、イベント、ワークショップ、授業や講義を利用し、インタビューと質問紙調査を併用した。リスクコミュニケーター必要要件は文献検索、Webサイトや書籍を通じて精査した。
結果と考察
小学校3職種と小学生の母親の考える小学生に必要な知識は、職種間の違いはあるが食中毒、食物アレルギー、事故・けが予防、選択能力(表示)、食品添加物に分類できた。    
食の選択及びリスク認知Web調査では、食の安全は改善され、メディアで見聞きした後の対処はしていない人が少なくなかった。BSEや健康食品、細菌による食品の汚染は心配していない傾向であった。政府機関への評価は厳しいものであった。
開発教材は①「化学物質の量と作用の関係」(ボードゲーム形式)はルールブックと試作品が完成した。②小学生対象「食のカルテット」は講義を利用した前後の質問紙調査により知識量の増加が確認できた。また利用する側の教職員対象の質問紙及びインタビュー調査において利用可能性が期待できた。製品化が検討された。大学生は大きな差はないが正答率が増加した。③家庭科教員利用教材は食品選択教材「スーパーへいこう」「料理名人」の評価データを収集した。献立選びを目的とした「クッキングマスター」は、教職課程学生のディスカッションによって利用可能性が確認された。④視聴覚障害者向け放射能汚染環境下における「触覚マップ」は、障害の有無に関わらずバリアフリーであること、共通のコミュニケーション手段として利用可能と考えられた。
リスクに関す双方向コミュニケーションの実施には、最新の専門的知識が必要なため、リスクコミュニケーターはファシリテーターとしての養成が望ましい。
 http://gamesciencecafe.com/
結論
開発教材はコミュニケーション手段として利用可能性は高く知識量の増加も確認できた。様々な場面にて利用されることが早期からのリスクコミュニケーションの能力向上に繋がると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-06
更新日
-

文献情報

文献番号
201131001B
報告書区分
総合
研究課題名
特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 守山 正樹(福岡大学 医学部)
  • 吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学 生活科学部)
  • 和田 有史(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
情報弱者対象教育プログラムとツール開発・評価、リスクコミュニケーター必要要件の明確化である。
研究方法
学校職員、小学生の親、調査会社消費者パネル、在日外国人支援栄養士を対象に、インタビュー及び質問紙調査を実施した。開発と評価は、研究者と研究協力者のディスカッションを中心に、大学ゼミ、イベント、ワークショップ、授業や講義を利用し、インタビューと質問紙調査を併用した。リスクコミュニケーター必要要件は文献検索、Webサイトや書籍を通じて精査した。
結果と考察
小学校3職種と小学生の母親の考える小学生に必要な知識は、職種間の違いはあるが食中毒、食物アレルギー、事故・けが予防、選択能力(表示)、食品添加物に分類できた。在日外国人の途上国出身者は安全性の信頼が自国製品よりも日本品が高いが、自国製品を利用していた。食の選択及びリスク認知Web調査では、食の安全は改善され、メディアで見聞きした後の対処はしていない人が少なくなかった。BSEや健康食品、細菌による食品の汚染は心配していない傾向であった。
開発教材は①「化学物質の量と作用の関係」はルールブックと試作品が完成した。②小学生対象「食のカルテット」は知識量の増加が確認できた。大学生は大きな差はないが正答率が増加した。③家庭科教員利用教材は食品選択教材「スーパーへいこう」「料理名人」の評価データを収集した。献立選びを目的とした「クッキングマスター」は、教職課程学生のディスカッションによって利用可能性が確認された。④視覚障害者対象点字版「食の安全カルテット」は特別支援学校での利用可能性が考えられた。⑤視聴覚障害者向け放射能汚染環境下における「触覚マップ」は、障害の有無に関わらずバリアフリーで、共通のコミュニケーション手段として利用可能と考えられた。
魚介類に含まれる水銀の注意事項改訂に伴い、パンフレットとポスターを作成し厚生労働省HPにて公開された。開発教材はHPにて啓発した。http://gamesciencecafe.com/
リスクに関す双方向コミュニケーションの実施には、最新の専門的知識が必要なため、リスクコミュニケーターはファシリテーターとしての養成が望ましい。
結論
開発教材はコミュニケーション手段として利用可能性は高く知識量の増加も確認できた。様々な場面にて利用されることが早期からのリスクコミュニケーションの能力向上に繋がると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201131001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ゲーミングシミュレーションは、最近ではゲーミフィケーションとしてマーケティングに利用されていることが報道されており、それに先立ちゲーミングシミュレーションをリスクコミュニケーションに利用したツールを作成できたことは意義あることであった。また研究期間中に発生した放射線による健康影響に対する混乱にも対応可能な教材が作成されていた。教材の効果に関しては、様々な分野へ論文として投稿されまとめられた。
臨床的観点からの成果
研究性質上、臨床応用はされない。しかしながら、開発された教材は、学校現場(宮崎県および三重県)、福島県内で実施された盲ろう障がい者のワークショップにて使用された。また、日本生活協同組合連合会など企業から利用の問い合わせをもらっている。
ガイドライン等の開発
「魚介類に含まれる水銀」のリスク評価の見直しに伴う、情報提供のためのポスター及びパンフレットを作成し、厚生労働省HPで公開された。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf
カードゲーム「食のカルテット」は(財)日本公衆衛生協会から出版が決定した。
その他行政的観点からの成果
国立保健医療科学院における食品衛生監視員対象研修及び食肉衛生検査所職員対象研修において紹介され、利用された。各県において、行政職員向け研修に利用された。
その他のインパクト
中日新聞(平成21年12月9日朝刊)「食のカルテット」に関して報道された。

発表件数

原著論文(和文)
6件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
9件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
「魚介類に含まれる水銀」のリスク評価の見直しに伴う、情報提供のためのポスター及びパンフレットを作成し、厚生労働省HPで公開された
その他成果(普及・啓発活動)
1件
研究班ホームページによって、開発された教材について情報提供を行っている。 http://gamesciencecafe.com/

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
堀川翔、赤松利恵、堀口逸子、他
小学校の教職員を対象とした食の安全教育の現状と課題の質的研究
栄養学雑誌 , 69 (2) , 67-74  (2011)
原著論文2
堀川翔、赤松利恵、他
職種からみた郵送質問紙調査の回収率-小学校の食に関する教職員対象の調査結果から-
栄養学雑誌 , 69 (4) , 193-198  (2011)
原著論文3
守山正樹、山本玲子、他
イメージの二次元展開による災害被災下での生活経験の振り返り-東日本大震災下での健康教育とヘルスプロモーションの可能性を探る試み
日本健康教育学会 , 19 (3) , 239-255  (2011)
原著論文4
守山正樹
Well-being概念の可視化言語化の試み
日本健康教育学会 , 19 (4) , 342-348  (2011)
原著論文5
堀川翔、赤松利恵、堀口逸子、他
小学校における食の安全教育を担う教職員の特徴 学校栄養士、家庭科教諭、養護教諭を対象とした調査
栄養学雑誌 , 69 (5) , 253-260  (2011)
原著論文6
堀川翔、赤松利恵、堀口逸子、他
食の安全教育を目的としたカードゲーム教材「食のカルテット」の利用可能性の検討
栄養学雑誌 , 70 (2) , 129-139  (2012)

公開日・更新日

公開日
2015-08-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201131001Z