周産期医療の質と安全の向上のための研究

文献情報

文献番号
201129054A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期医療の質と安全の向上のための研究
課題番号
H23-医療・指定-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
楠田 聡(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村 正哲(大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 松田 義雄(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
  • 池田 智明(国立循環器病研究センター 周産期・婦人科部)
  • 細野 茂春(日本大学医学部 小児科)
  • 米本 直裕(国立精神・神経医療研究TMC 情報管理・解析部生物統計解析室)
  • 河野 由美(自治医科大学 小児科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
60,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の周産期医療は近年着実に進歩しているが、予後には施設間差が存在することも明らかである。そこで、周産期医療療行為の標準化により予後が向上するかどうかを検証するために、比較検討試験を実施する。
研究方法
全国の周産期母子医療センターを介入対象施設とし、その施設に入院するハイリスク児の予後を比較する。比較は、対象施設を介入群と非介入群に分けるクラスターランダム化試験とした。介入項目は、データベースの解析から、出生時の蘇生、肺合併症の予防、動脈管開存症および脳室内出血の予防、敗血症の予防、栄養管理の5つの診療行為とした。そこで、これらの診療行為を標準化するためのワークショップの開催およびガイドラインの提示を介入施設で実施する。主要評価項目は研究参加施設に日齢0で入院した出生体重400~1500gの児の、修正1.5または3歳での障害の無い生存率とした。副次評価項目としては、1歳半までの死亡等の入院児の評価と、組織文化尺度、組織内人間関係尺度、職務満足度、診療技量評価、職業ストレス尺度等の医療スタッフに関する項目とした。目標例数は、1群1200例、両群で2400例とした。
結果と考察
研究実施計画書を決定して試験参加施設を公募した結果、40施設が参加することとなった。介入群と非介入群の2群にランダムに割り付けした結果、19施設が介入群となった。そこで、介入施設群での介入ワークショップを今年度は15施設で行った。残り4施設は平成24年度に実施予定である。その結果、平成24年2月12日から症例の登録が開始された。なお、臨床試験として「UMIN000007064」で登録した。
この研究は、診療ガイドラインを作成して一律に施設に導入するのではなく、データベースに登録された参加施設の診療成績を基にワークショップを通じて改善策を示すところにある。さらに、診療ガイドラインの導入のみでなく、組織のプロファイルを含む、組織文化についても解析を行う。このような介入により、ハイリスク児の予後改善と施設の組織の充実に繋がることが期待できる。
結論
周産期医療の質と安全の向上のための研究実施計画書が作成された。そして、この計画書に基づき実際の介入が開始された。

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-02-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201129054Z