医療事故における無過失補償の可能性と限界:諸外国および他分野における補償システムとの比較研究

文献情報

文献番号
201129022A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故における無過失補償の可能性と限界:諸外国および他分野における補償システムとの比較研究
課題番号
H22-医療・一般-024
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 太(上智大学 法学部国際関係法学科)
研究分担者(所属機関)
  • 樋口 範雄(東京大学大学院 法学政治学研究科)
  • 児玉 安司(三宅坂総合法律事務所,東京大学 医学部)
  • 山口 斉昭(早稲田大学 法学部)
  • 佐藤雄一郎(東京学芸大学 人文社会科学系 )
  • 磯部 哲(慶應義塾大学大学院 法務研究科)
  • 我妻 学(首都大学東京 法科大学院)
  • 木戸浩一郎(帝京大学 産婦人科 )
  • 織田有基子(日本大学大学院 法務研究科)
  • 畑中 綾子(東京大学大学院 公共政策連携研究部)
  • 土屋 裕子(東京大学大学院 法学政治学研究科)
  • 水野 謙(学習院大学 法学部)
  • 小山田朋子(明治大学 政治経済学部)
  • 佐藤 智晶(東京大学 政策ビジョン研究センター)
  • 溜箭 将之(立教大学 法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は,喫緊の課題となる医療における無過失補償制度を含む総合的な紛争処理制度の構築を見据え,諸外国における制度の全体像を整理し,具体的な論点を明確化することを目標とした.
研究方法
上記の目的ため本研究では,裁判,社会保障などの外在的な諸制度と補償制度との相互関係を意識しつつ,以下の2つの観点から分析した.第1は,英米など諸外国における医療事故補償制度の先行研究の網羅的な検討,諸外国の最新の状況の実地調査などにより,諸外国における医療分野の紛争処理制度の全体像を明らかにした.第2は,産科医療補償制度および運用などを,諸外国の制度と比較分析によりその意義,課題などを検証した.
結果と考察
医療事故をめぐる包括的な紛争解決のあり方を検討するため,2年間にわたって以下のような視点から検討を行った.(1-1)諸外国における医療事故補償制度(フランス・スウェーデンにおける事故補償制度,合衆国における産科事故補償制度,スコットランドにおける無過失補償制度の導入に関する議論およびイングランド・ウェールズにおける医療事故被害をめぐる紛争解決),(2-1)日本における医療事故をめぐる紛争解決手段に関する研究(産科補償制度),また,さらに,(3)被害救済に深く関連する広く患者の権利をめぐる論点(国境を越えた医療における患者の権利に関するEU指令,米国連邦政府病院に於ける医療安全向上のためのピア・レビュー制度の機能,合衆国における医療保険改革法,さらに,アメリカにおけるインフォームド・コンセント論の現況)などについての分析を行った.
結論
これらの作業を通して包括的な(無過失)補償制度をまとめ,相互に密接に関連する諸制度(裁判,社会保障,懲戒手続,死因究明制度など)との関連を重視しながら分析した.より具体的には,諸外国にみられる医療分野の紛争処理制度を類型化し,かつこれら諸形態を生み出している社会的基盤,なかでも補償制度の財源根拠,司法,社会保障などの各制度との関連性を明確化し,特に,無過失補償制度における被害者救済と医療安全の位置づけ,民事裁判と補償制度の並列の可否,無過失補償制度と社会保障制度との関係などに論点を設定し検討を行った.他方,対象国が相当数である点と,各対象国の制度的背景が異なるため,各国の懲戒制度との関連などの部分に十分分析できなかった点もあり,今後の課題としたい.

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

文献情報

文献番号
201129022B
報告書区分
総合
研究課題名
医療事故における無過失補償の可能性と限界:諸外国および他分野における補償システムとの比較研究
課題番号
H22-医療・一般-024
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 太(上智大学 法学部国際関係法学科)
研究分担者(所属機関)
  • 樋口範雄(東京大学大学院 法学政治学研究科)
  • 児玉 安司(三宅坂総合法律事務所,東京大学 医学部)
  • 山口 斉昭(早稲田大学 法学部)
  • 佐藤雄一郎(東京学芸大学 人文社会科学系 )
  • 磯部 哲(慶應義塾大学大学院 法務研究科)
  • 我妻 学(首都大学東京 法科大学院)
  • 木戸浩一郎(帝京大学 産婦人科 )
  • 織田有基子(日本大学大学院 法務研究科)
  • 畑中 綾子(東京大学大学院 公共政策連携研究部)
  • 土屋 裕子(東京大学大学院 法学政治学研究科)
  • 水野 謙(学習院大学 法学部)
  • 小山田朋子(明治大学 政治経済学部)
  • 佐藤 智晶(東京大学 政策ビジョン研究センター)
  • 溜箭 将之(立教大学 法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は,喫緊の課題となる医療における無過失補償制度を含む総合的な紛争処理制度の構築を見据え,諸外国における制度の全体像を整理し,具体的な論点を明確化することを目標とした.
研究方法
上記の目的ため本研究では,裁判,社会保障などの外在的な諸制度と補償制度との相互関係を意識しつつ,以下の2つの観点から分析した.第1は,英米など諸外国における医療事故補償制度の先行研究の網羅的な検討,諸外国の最新の状況の実地調査などにより,諸外国における医療分野の紛争処理制度の全体像を明らかにした.第2は,産科医療補償制度および運用などを,諸外国の制度と比較分析によりその意義,課題などを検証した.
結果と考察
医療事故をめぐる包括的な紛争解決のあり方を検討するため,2年間にわたって以下のような視点から検討を行った.(1-1)諸外国における医療事故補償制度(フランス・スウェーデンにおける事故補償制度,合衆国における産科事故補償制度,スコットランドにおける無過失補償制度の導入に関する議論およびイングランド・ウェールズにおける医療事故被害をめぐる紛争解決),(2-1)日本における医療事故をめぐる紛争解決手段に関する研究(産科補償制度),また,さらに,(3)被害救済に深く関連する広く患者の権利をめぐる論点(国境を越えた医療における患者の権利に関するEU指令,米国連邦政府病院に於ける医療安全向上のためのピア・レビュー制度の機能,合衆国における医療保険改革法,さらに,アメリカにおけるインフォームド・コンセント論の現況)などについての分析を行った.
結論
これらの作業を通して包括的な(無過失)補償制度をまとめ,相互に密接に関連する諸制度(裁判,社会保障,懲戒手続,死因究明制度など)との関連を重視しながら分析した.より具体的には,諸外国にみられる医療分野の紛争処理制度を類型化し,かつこれら諸形態を生み出している社会的基盤,なかでも補償制度の財源根拠,司法,社会保障などの各制度との関連性を明確化し,特に,無過失補償制度における被害者救済と医療安全の位置づけ,民事裁判と補償制度の並列の可否,無過失補償制度と社会保障制度との関係などに論点を設定し検討を行った.他方,対象国が相当数である点と,各対象国の制度的背景が異なるため,各国の懲戒制度との関連などの部分に十分分析できなかった点もあり,今後の課題としたい.

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129022C

収支報告書

文献番号
201129022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,200,000円
(2)補助金確定額
7,200,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,403,779円
人件費・謝金 643,644円
旅費 266,990円
その他 889,053円
間接経費 0円
合計 7,203,466円

備考

備考
【収支差額】
預金利息  147円
自己負担 3,319円

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-