情報の構造化による医療事故・ヒヤリハット情報の利活用に関する研究

文献情報

文献番号
201129020A
報告書区分
総括
研究課題名
情報の構造化による医療事故・ヒヤリハット情報の利活用に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
秋山 昌範(東京大学 政策ビジョン研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋森好子(東京都看護協会)
  • 清水佐知子(大阪大学医学系研究科)
  • 種田憲一郎(国立保健医療科学院)
  • 松尾豊(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構)
  • 樋口範雄(東京大学大学院法学政治学研究科)
  • 佐藤智晶(東京大学政策ビジョン研究センター)
  • 後信(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 古川裕之(山口大学医学部附属病院薬剤部)
  • 土屋文人(国際医療福祉大学附属病院)
  • 朴 勤植(パク クンシク)(大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 山口悦子(中上悦子)(大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 藤田桂英(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エビデンスに基づいた医療安全対策を行うためには、医療事故・ヒヤリハット情報の利活用が不可欠である。医療事故・ヒヤリハット情報は、医療安全上のリスクを検証する上でも最重要のデータである。本研究では、医療事故情報を構造化することで、情報を集積、再解釈し、事故の原因や医療安全の向上のために改善すべき点を明らかにすることを目的としている。
研究方法
本研究は、安全・安心な医療のための事故情報の利活用に関する研究と事故情報を個人のプライバシーを侵害しない形で利活用するための制度設計に関する研究を合わせたものである。前者においては、自然言語処理やネットワーク解析などの情報工学的手法を用いて、事故情報の構造化を行い、それを医師・看護師・薬剤師の協力の基に、解析を行った。今年度は、大阪市立大学で2007年- 2010年に収集したインシデントレポート18,353件に対して自然言語処理を用いて解析を行い、文書の特徴語がどのようなつながりがあるかの可視化を行った。さらに、それぞれのインシデントレポートの類似度を出現単語の類似性から決定し、それぞれの文書に対してネットワーククラスタ解析を行った。
結果と考察
以上の解析および現場の医療従事者のインタビューの結果、薬剤、患者管理(転倒転落)に関してはエキスパートが行ったカテゴリーと同様の結果を得たが、他の部分に関しては一部エキスパートの決定したカテゴリーとは異なる結果を得ていた。
結論
後者に関しては、こういった利活用が、医療従事者・患者のプライバシーを侵害しないための技術的担保策と法的枠組みについて議論を行い、情報の利活用を促進する制度設計を試みた。これら2次利用のための技術・解析手法に関する検討と制度設計を合わせて議論することで、事故情報利用・情報の2次利用に関するモデルケースとなることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2012-05-21
更新日
-

文献情報

文献番号
201129020B
報告書区分
総合
研究課題名
情報の構造化による医療事故・ヒヤリハット情報の利活用に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
秋山 昌範(東京大学 政策ビジョン研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋森 好子(東京都看護協会)
  • 清水 佐知子(大阪大学医学系研究科)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院)
  • 松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構)
  • 伊藤 孝行(名古屋工業大学工学研究科)
  • 樋口 範雄(東京大学大学院法学政治学研究科)
  • 佐藤 智晶(東京大学政策ビジョン研究センター)
  • 小塩 篤史(東京大学政策ビジョン研究センター(現:日本医科大学))
  • 後 信(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 古川 裕之(山口大学医学部附属病院薬剤部)
  • 土屋 文人(国際医療福祉大学附属病院)
  • 朴 勤植(大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 山口 悦子(大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 藤田 桂英(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エビデンスに基づいた医療安全対策を行うためには、医療事故・ヒヤリハット情報の利活用が不可欠である。医療事故・ヒヤリハット情報は、医療安全上のリスクを検証する上でも最重要のデータである。本研究では、医療事故情報を構造化することで、情報を集積、再解釈し、事故の原因や医療安全の向上のために改善すべき点を明らかにすることを目的としている。
研究方法
本研究は、安全・安心な医療のための事故情報の利活用に関する研究と事故情報を個人のプライバシーを侵害しない形で利活用するための制度設計に関する研究を合わせたものである。前者においては、自然言語処理やネットワーク解析などの情報工学的手法を用いて、事故情報の構造化を行い、それを医師・看護師・薬剤師の協力の基に、解析を行った。後者に関しては、こういった利活用が、医療従事者・患者のプライバシーを侵害しないための技術的担保策と法的枠組みについて議論を行い、情報の利活用を促進する制度設計を試みた。これら2次利用のための技術・解析手法に関する検討と制度設計を合わせて議論することで、事故情報利用・情報の2次利用に関するモデルケースとなることが期待される
結果と考察
本研究によって、事故情報・ヒヤリハット情報をweb工学的手法で解析することで、これらの情報を医療安全のためのエビデンスとして、活用することが容易になると考えられた。これらの情報を、システムを用いて構造化し、適切な利活用を進めることでリスクとして重点的に対策する課題を浮かび上がらせることが可能で、このオントロジーを用いた解析を繰り返すことで、事故・ヒヤリハット情報の標準化に繋がり、さらなる利活用の進展と医療安全の向上が望まれる。
結論
今回の研究結果をWHOのジュネーブ本部において、WHOの患者安全部と意見交換を行い、海外における事故情報の分類・解析に係る事例について情報収集を行った。その結果、我々の検討結果が、2012年よりICPS (International Classification for Patient Safety)の概念設計フレームワークに反映され、国際標準化に用いられることになった。今後、施設や症例数を増やして、ICPSの改良に貢献することで、国際的にも医療安全に寄与できると考えている。

公開日・更新日

公開日
2012-05-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-02-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129020C

収支報告書

文献番号
201129020Z