文献情報
文献番号
201128198A
報告書区分
総括
研究課題名
Hirschsprung病類縁疾患の現状調査と診断基準に関するガイドライン作成
課題番号
H23-難治・一般-042
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田口 智章(九州大学大学院医学研究院 小児外科)
研究分担者(所属機関)
- 岩中 督(東京大学大学院医学研究科 小児外科)
- 松井 陽(国立成育医療研究センター)
- 窪田 昭男(大阪府立母子保健総合医療センター 小児外科)
- 渡邉 芳夫(あいち小児保健医療総合センター 小児外科)
- 小林 弘幸(順天堂大学 総合診療科)
- 上野 滋(東海大学医学部 小児外科)
- 仁尾 正記(東北大学大学院医学系研究科 小児外科)
- 松藤 凡(鹿児島大学医歯学総合研究科 小児外科)
- 牛島 高介(久留米大学医療センター 小児科)
- 増本 幸二(筑波大学医学医療系 小児外科)
- 家入 里志(九州大学病院 小児外科)
- 孝橋 賢一(九州大学大学院医学研究院 形態機能病理)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ヒルシュスプルング病類縁疾患(H類縁疾患)は腸管の神経節細胞が存在するにも関わらず腸管蠕動不全をきたす疾患の総称で、新生児期から小児期に急性の腸閉塞や重症便秘として発症するが、疾患の稀少性のため分類や診断・治療に関するコンセンサスが得られていない。日本小児外科学会認定施設、日本小児栄養消化器肝臓病学会会員所属施設、小児慢性便秘WGメンバーを対象に全国調査を実施し現状を把握することで、本疾患の分類・診断法を明確にし、治療ガイドライン作成の準備を行うことを目的とする。
研究方法
過去10年間に経験した症例数・診断法について「研究目的」記載の施設に一次調査を行った。症例のあった施設に病歴(出生週数、出生体重、出生前診断の有無、発症時期、初発症状)、診断法、診断の根拠、病理所見、手術法、手術以外の治療法、合併症、肝機能障害、予後などについての二次調査を行った。
また小児消化管病理のコントロールを作成しHypoganglionosisの診断基準を作成している。
また小児消化管病理のコントロールを作成しHypoganglionosisの診断基準を作成している。
結果と考察
一次調査を161施設に行い157施設から回答を得た(回答率98%)。157施設の内95施設で症例経験があり、計353症例が集まった。経験症例は1例のみの施設が全体の35%で、1施設の平均経験症例数は3.7例であったことから全国調査の必要性を再認識した。
疾患別では、CIPS、Congenital Hypoganglionosis(以下(1))は各100例程の症例を収集でき、診断治療を行っている医師に疾患概念が周知されていると思われる。MMIHS、Segmental dilatation、Immaturity、IND(以下(2))は各20から30例程であった一方、Acquired Hypoganglionosis、IASA(以下(3))は10例以下と極めて少なく疾患概念を再検討すべきである。どの疾患も疑診例が比較的多く、診断法の再検討も必要である。
疾患別では、CIPS、Congenital Hypoganglionosis(以下(1))は各100例程の症例を収集でき、診断治療を行っている医師に疾患概念が周知されていると思われる。MMIHS、Segmental dilatation、Immaturity、IND(以下(2))は各20から30例程であった一方、Acquired Hypoganglionosis、IASA(以下(3))は10例以下と極めて少なく疾患概念を再検討すべきである。どの疾患も疑診例が比較的多く、診断法の再検討も必要である。
結論
消化器の稀少疾患であるH類縁疾患の過去10年間の症例353例を収集することが出来た。
(1)は約100例の症例があり2次調査で診断基準や治療方針について結果が導かれる可能性が高い。海外の報告でもこれ程まとまった症例の検討はなく今後の成果が期待できる。また(2)に関しては疾患の稀少性から20から30例前後は妥当な数字と考えられる。一方(3)は症例数が極めて少なく、疾患の認知度や疾患概念を再検討すべきと考える。
(1)は約100例の症例があり2次調査で診断基準や治療方針について結果が導かれる可能性が高い。海外の報告でもこれ程まとまった症例の検討はなく今後の成果が期待できる。また(2)に関しては疾患の稀少性から20から30例前後は妥当な数字と考えられる。一方(3)は症例数が極めて少なく、疾患の認知度や疾患概念を再検討すべきと考える。
公開日・更新日
公開日
2015-06-10
更新日
-