血液凝固異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128158A
報告書区分
総括
研究課題名
血液凝固異常症に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
村田 満(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 冨山 佳昭(大阪大学医学部付属病院)
  • 藤村 欣吾(広島国際大学薬学部)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部)
  • 倉田 義之(四天王寺大学人間福祉学科)
  • 藤村 吉博(奈良県立医科大学付属病院)
  • 和田 英夫(三重大学医学部)
  • 小亀 浩市(国立循環器病研究所センター 分子病態部)
  • 小嶋 哲人(名古屋大学大学院 医学系研究科)
  • 坂田 洋一(自治医科大学分子病態治療研究センター 分子病態研究部)
  • 宮田 敏行(国立循環器病研究所センター 分子病態部)
  • 川﨑 富夫(大阪大学医学部)
  • 横山 健次(慶應義塾大学医学部)
  • 小林 隆夫(県西部浜松医療センター)
  • 榛沢 和彦(新潟大学教育研究院呼吸循環器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本調査研究班は特定疾患治療研究対象事業である3つの疾患、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性微小血管障害症(TMA)、特発性血栓症について、それぞれ3つのサブグループに分かれ課題に取り組むとともにグループ間の相互議論を活発に行うことによって (1) 分子病態解析に基づいた診断基準・治療指針の確立と普及、そしてその効果の検証、(2) 疫学的解析による我が国での発症頻度、予後などの正確な把握を目的としている。
研究方法
<ITP> 疫学研究 (ITP 臨床個人調査票)、診断基準(網状血小板比率、血小板抗体)、ITPの治療ガイドラインについて検討した。<TMA> TMA解析センターとしてADAMTS13の解析依頼、TMA患者登録を行った。抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブのTTPへの保険適応拡大を目指した活動を行った。<特発性血栓症> アンケート調査研究として「肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 発症数の全国調査研究」として大学病院約2000講座、一般病院の約6000施設にアンケート調査書送付が計画された。
結果と考察
<ITP> 実態調査は平成21年度分をまとめた。推定新規発症症例は2,881名と前年に比べ約340名の減少であった。内訳は急性型1,033例、慢性型1,848例で、ここ数年急性型の申請人数の減少が続いている。治療ガイドラインについては前回のような拘束性の強いメッセージではなく、治療の参照ガイドとして作成した。<TMA> ADAMTS13活性著減症例の国際比較を行った。リツキシマブのTTPへの適応拡大に関するサブグループ会議を行った。適応拡大の方法としては、企業治験、公知申請、高度医療評価制度、社会保険診療報酬支払基金審査情報提供事例、医師主導治験、を検討した。<特発性血栓症> 医療行政上での成果として、昨年度の「プロテインS活性測定検査の保険収載」、ならびに今年度の「ヘパリン在宅自己注射の保険適応」の2つがあげられる。プロテインS K196E変異は遺伝因子として日本人の静脈血栓塞栓症発症に関わることが示された。また「震災被災者の肺塞栓症予防のためのDVT治療についてのガイドライン(案)」が提唱された。
結論
3つの研究グループにおいて、診療ガイドの作成、調査票による疾患の実態調査や基礎研究の発展を認め、それら結果に基づいた診断・治療法の確立を目指す研究を遂行した。

公開日・更新日

公開日
2013-03-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-02-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128158Z