文献情報
文献番号
201124013A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV検査相談体制の充実と活用に関する研究
課題番号
H21-エイズ・一般-013
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 真吾(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 今井光信(田園調布大学人間福祉学部)
- 武部 豊(国立感染症研究所ウイルス部)
- 中瀬克己(岡山市保健所)
- 長野秀樹(北海道立衛生研究所)
- 貞升健志(東京都健康安全研究センター)
- 川畑拓也(大阪府立公衆衛生研究所)
- 小島弘敬(東京都南新宿検査・相談室)
- 日野 学(日本赤十字社血液事業部)
- 前田憲昭(医療法人社団皓歯会)
- 玉城英彦(北海道大学大学院、国際保健医学)
- 木村和子(金沢大学医薬保健研究域薬学系国際保健薬学研究室)
- 矢永由里子(慶應義塾大学医学部感染制御センター)
- 近藤真規子(神奈川衛生研究所、微生物部)
- 嶋貴子(神奈川衛生研究所、微生物部)
- 井戸田一朗(しらかば診療所)
- 杉浦 亙(国立病院機構名古屋医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
27,131,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HIV検査相談体制を充実させ、その機会を活用することにより、HIV感染者の早期発見・早期治療と感染予防・まん延防止を図る。
研究方法
(1)HIV検査相談をより受けやすくするための研究、(2)HIV検査相談に繋げるための働きかけに関する研究、(3)HIV検査技術の向上に関する研究の3課題について研究を行った。
結果と考察
(1)「保健所におけるHIV即日検査のガイドライン」を5年ぶりに改訂した。保健所等におけるHIV検査相談に関するアンケート調査で、利便性の高い即日検査、夜間検査、土日検査が昨年よりやや増加していた。保健所より特設検査相談施設の方が陽性者の把握率が高かった。大阪府では、4ヶ所の保健所で即日検査を導入したところ検査数が著しく増加した。研修ガイドラインの内容の理解促進、広報、研修時の活用資料のため基本編・実践基礎編のダイジェスト版を作成した。即日HIV検査を実施する民間クリニックが4ヶ所増え計32ヶ所となった。総検査数は18,267件で前年度5%増であった。ウェブサイトから購入した自己検査キットは信頼性が低く、使用法や判定法の説明も不足しているなどの問題点があった。HIV郵送検査の年間検査数は60,609件(前年比11%増)、陽性数は209件(6.4%減)であった。(2)「HIV検査・相談マップ」にこれまで未掲載であった自治体20県の保健所等検査情報を掲載した。民間クリニックへのHIV即日検査導入を支援するためのガイダンス「開業医だからこそできるHIV即日検査」を作成した。献血者におけるHIV陽性数は全国的に減少傾向とあったが、愛知ブロックと福岡ブロックで増加した。歯科受診者に対する検査相談機会の提供を図るため、ポスターとその運用テキストを作成し、広島県歯科医師会の会員等に配布した。
(3)迅速検査キット、ダイナスクリーンとエスプラインの性能を再評価したところ、両者とも感度は100%、特異性は99.6%以上であった。保健所等でのHIV検査の確認検査をサポートするため、研究班が独自に開発したHIV-1 RNA測定法を全国各地の地方衛生研究所に技術移管した。地方衛生研究所等のHIV検査担当者を対象にHIV-1検査技術研修会を実施した。
(3)迅速検査キット、ダイナスクリーンとエスプラインの性能を再評価したところ、両者とも感度は100%、特異性は99.6%以上であった。保健所等でのHIV検査の確認検査をサポートするため、研究班が独自に開発したHIV-1 RNA測定法を全国各地の地方衛生研究所に技術移管した。地方衛生研究所等のHIV検査担当者を対象にHIV-1検査技術研修会を実施した。
結論
わが国のHIV流行を終息に向かわせるため、早期発見・早期治療と感染拡大の抑制につながるHIV検査相談体制の構築を進めることが今後も重要である。
公開日・更新日
公開日
2014-05-26
更新日
-