リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症の総合的対策に関する研究

文献情報

文献番号
201123006A
報告書区分
総括
研究課題名
リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症の総合的対策に関する研究
課題番号
H21-新興・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岸本 壽男(岡山県環境保健センター)
研究分担者(所属機関)
  • 阿戸 学(国立感染症研究所)
  • 安藤秀二(国立感染症研究所)
  • 岩崎博道(福井大学医学部)
  • 大橋典男(静岡県立大学食品栄養科学部)
  • 内山恒夫(徳島大学ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 岡部信彦(国立感染症研究所)
  • 川端寛樹(国立感染症研究所)
  • 鈴木正嗣(岐阜大学応用生物科学部)
  • 高田伸弘(福井大学医学部)
  • 角坂照貴(愛知医科大学医学部)
  • 堤 寛(藤田保健衛生大学医学部)
  • 林 哲也(宮崎大学フロンティア科学実験総合センター)
  • 松本道明(高知県衛生研究所)
  • 藤田博己(財団法人大原総合病院付属大原研究所)
  • 御供田睦代(鹿児島県環境保健センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
41,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症に対して総合的対策を実施することを目指し、①疫学的研究、②臨床的研究、③検査・診断的研究、④基礎的研究、⑤予防・啓発的研究の5本柱で、3年目も統合的・有機的に研究を進めた。
研究方法
①リケッチア症について、ヒト、病原体、ベクター、動物、環境面から広く調査を行い、今後のリスクマップ作製のための情報を集積した。②多医療施設での症例解析をもとに病態解析を進め、治療法のエビデンスを蓄積した。③国内のリケッチア感染症の診断とレファレンス体制構築に向けた調査をし、また簡易・迅速診断法や病理学的診断法の有用性の確立を目指した。④発症や重症化のメカニズム、複数菌感染時の病態、薬剤の作用機序等に関して、細胞レベル、宿主の免疫学的レベル、病原体のゲノムレベルで解析した。⑤市民レベルでの有効な予防啓発法の検討をし、啓発HPを作成した。またダニ防除薬の検討をした。
結果と考察
①新型つつが虫病と、再興した古典型つつが虫病の実態解明と対策を検討した。また日本紅斑熱、R.japonica以外の紅斑熱群リケッチアによる紅斑熱、ヒトアナプラズマ症、複数のダニ媒介性病原体の共感染症例、輸入リケッチア症などに関する実態調査と対策を検討した。②臨床像や重症化の病態解析を進め、治療法のエビデンスの蓄積や、感染性電撃性紫斑病の病態解析等が有効薬剤の保検適応につながった。③リケッチア症の実験室診断の主体である地方衛生研究所における検査の実施状況を調査し、診断とレファレンス体制構築における課題の改善に努めた。日本紅斑熱の簡易・迅速診断法としての間接赤血球凝集反応の有用性を明らかにした。また病理学的診断法について検討成績を追加した。④発症、重症化、治療のメカニズム解析から、新たな治療法の開発をすすめた。またR.japonicaのゲノム解析を進めた。⑤市民レベルでの有効な予防啓発法の検討をし、啓発用ホームページ(HP)を作製・公開し、効果の解析をした。また感染リスクの高い地域の一部でダニ防除薬の効果を検討した
結論
成果の一方、今後の課題として、さらに多彩となったリケッチア症の把握と対策。恒久的なリケッチア実験室診断体制、リファレンス体制の構築。動物・細胞実験系の確立による、病原性の解析の基盤充実。啓発HPの活用と、医療関係者向けのより専門的なリケッチア関連情報発信等が求められる。

公開日・更新日

公開日
2012-06-26
更新日
-

文献情報

文献番号
201123006B
報告書区分
総合
研究課題名
リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症の総合的対策に関する研究
課題番号
H21-新興・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岸本 壽男(岡山県環境保健センター)
研究分担者(所属機関)
  • 阿戸 学(国立感染症研究所)
  • 安藤秀二(国立感染症研究所)
  • 岩崎博道(福井大学医学部)
  • 大橋典男(静岡県立大学食品栄養科学部)
  • 内山恒夫(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 岡部信彦(国立感染症研究所)
  • 川端寛樹(国立感染症研究所)
  • 鈴木正嗣(岐阜大学応用生物科学部)
  • 高田伸弘(福井大学医学部)
  • 角坂照貴(愛知医科大学医学部)
  • 堤 寛(藤田保健衛生大学医学部)
  • 林 哲也(宮崎大学フロンティア科学実験総合センター)
  • 松本道明(高知県衛生研究所)
  • 藤田博己(財団法人大原綜合病院付属大原研究所)
  • 御供田睦代(鹿児島県環境保健センター)
  • 猪熊 壽(帯広畜産大学)
  • 田原研司(島根県保健環境科学研究所)
  • 山本正悟(宮崎県衛生環境研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症に対して総合的対策を実施することを目指し、①疫学的研究、②臨床的研究、③検査・診断的研究、④基礎的研究、⑤予防・啓発的研究の5本柱で、3年間にわたり統合的・有機的に研究を進めた。
研究方法
①リケッチア症について、ヒト、病原体、ベクター、動物、環境面から広く調査を行い、今後のリスクマップ作製のための情報を集積した。②多医療施設での症例解析をもとに病態解析を進め、治療法のエビデンスを蓄積した。③国内のリケッチア感染症の診断とレファレンス体制構築に向けた調査をし、また簡易・迅速診断法や病理学的診断法の有用性の確立を目指した。④発症や重症化のメカニズム、複数菌感染時の病態、薬剤の作用機序等に関して、細胞レベル、宿主の免疫学的レベル、病原体のゲノムレベルで解析した。⑤市民レベルでの有効な予防啓発法の検討をし、啓発HPを作成した。またダニ防除薬の検討をした。
結果と考察
①新型つつが虫病と、再興した古典型つつが虫病、南方系つつが虫病の実態解明と対策を検討した。また日本紅斑熱、R.japonica以外の紅斑熱群リケッチアによる紅斑熱、ヒトアナプラズマ症、複数のダニ媒介性病原体の共感染症例、輸入リケッチア症などに関する実態調査と対策を検討した。②臨床像や重症化の病態解析を進め、治療法のエビデンスの蓄積や、感染性電撃性紫斑病の病態解析等が有効薬剤の保検適応につながった。③リケッチア症の実験室診断の主体である地方衛生研究所における検査の実施状況を調査し、診断とレファレンス体制構築における課題の改善に努めた。日本紅斑熱の簡易・迅速診断法としての間接赤血球凝集反応の有用性を明らかにした。また病理学的診断法について検討成績を追加した。④発症、重症化、治療のメカニズム解析から、新たな治療法の開発をすすめた。またR.japonicaのゲノム解析を進めた。⑤市民レベルでの有効な予防啓発法の検討をし、啓発用ホームページ(HP)を作製・公開し、効果の解析をした。また感染リスクの高い地域の一部でダニの防除薬の効果を検討した。
結論
リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症に対する総合的対策の実施に資する多くの成果をあげた。一方、今後の課題として、さらに多彩となったリケッチア症の把握と対策。恒久的なリケッチア実験室診断体制、リファレンス体制の構築。動物・細胞実験系の確立による、病原性の解析の基盤充実。啓発HPの活用と、医療関係者向けのより専門的なリケッチア関連情報発信等が求められる。

公開日・更新日

公開日
2012-06-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201123006C

収支報告書

文献番号
201123006Z