文献情報
文献番号
201120006A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病予防のための運動を阻害する要因とその原因別の対策に関する研究
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
竹下 克志(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 松平 浩(独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院 勤労者筋・骨格系疾患研究センター)
- 中村 耕三(国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局)
- 奥 真也(会津大学 先端情報科学研究センター)
- 木村 穣(関西医科大学 健康科学センター)
- 宮地 元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
特定健康診査・特定保健指導では食事療法とともに運動の推進が重要視されているが、運動負荷によって発症するリスクをもつ人々は少なくないと推測される。本研究の目的は1)運動器障害の現状を調査し、2)運動器障害の予防のため、リスク群が検出可能な質問票の作成と3)運動器障害を来たした健診者への対応を提案することである。
研究方法
1年目は1)運動指導による運動器障害の予防についての文献検索とレビューを行い、2)質問票の試案作成を進め、横断研究による実態調査を行った。
2年目に研究デザインの再構築を行った。運動器障害の部位は当初予測された通りに腰と膝が初年度の調査でも最も多く、腰と膝に対する対策としてのチェックリストを作成した。
3年目は、疫学研究の結果から、運動器障害のリスク群の検出が可能な質問票を完成させるとともに、運動障害リスクへの対応を提案した。
2年目に研究デザインの再構築を行った。運動器障害の部位は当初予測された通りに腰と膝が初年度の調査でも最も多く、腰と膝に対する対策としてのチェックリストを作成した。
3年目は、疫学研究の結果から、運動器障害のリスク群の検出が可能な質問票を完成させるとともに、運動障害リスクへの対応を提案した。
結果と考察
運動器障害のコホート調査
肥満者240人に対する減量プログラムのコホート研究2年間のデータを解析した。健康運動指導士による、活動量計を用いた非監視型身体活動指導において、17%の参加者が、痛みや障害を訴えた。男性は10%、女性は24%で、膝、腰などが上位であった。特定保健指導においても、かなりの割合の参加者が運動器の痛みなどを経験し、それが運動継続を阻害する要因となり得る可能性が示唆された。
チェックリストの作成
2つの現状調査で腰痛や膝痛が上位を占めたので、ガイドラインや一般的な質問票を資料としてチェックリストを作成した。質問票の1つ目は痛みの既往、2つ目は運動や体位による腰痛の出現の有無、最後の1つは膝痛の出現の有無である。
運動器障害群への運動指導の効果の予備検証
腰痛と膝痛がある方に対し推奨運動指導を指導した。腰痛35名、膝痛24名で、1回の短時間の指導とパンフレット配布により、介入2週後において、痛みスコアで平均5以上改善し、自覚的改善度、満足度とも7割以上が良好であり、簡便かつ有効性の高い介入法であると思われた。
肥満者240人に対する減量プログラムのコホート研究2年間のデータを解析した。健康運動指導士による、活動量計を用いた非監視型身体活動指導において、17%の参加者が、痛みや障害を訴えた。男性は10%、女性は24%で、膝、腰などが上位であった。特定保健指導においても、かなりの割合の参加者が運動器の痛みなどを経験し、それが運動継続を阻害する要因となり得る可能性が示唆された。
チェックリストの作成
2つの現状調査で腰痛や膝痛が上位を占めたので、ガイドラインや一般的な質問票を資料としてチェックリストを作成した。質問票の1つ目は痛みの既往、2つ目は運動や体位による腰痛の出現の有無、最後の1つは膝痛の出現の有無である。
運動器障害群への運動指導の効果の予備検証
腰痛と膝痛がある方に対し推奨運動指導を指導した。腰痛35名、膝痛24名で、1回の短時間の指導とパンフレット配布により、介入2週後において、痛みスコアで平均5以上改善し、自覚的改善度、満足度とも7割以上が良好であり、簡便かつ有効性の高い介入法であると思われた。
結論
1)運動器障害の現状を調査した。痛みは腰と膝に多く1/3-1/2に見られ、運動による運動器障害の既往は50%、運動器療法1年で17%に痛みを生じ結果的に歩行量を増加できなくなっていた。
2)荷重関節である腰・膝をターゲットとし、それぞれのガイドラインや一般的な質問票を資料に、運動器障害のリスク群の検出が可能な質問票を完成させ、運動障害リスクへの対応を提案した。
2)荷重関節である腰・膝をターゲットとし、それぞれのガイドラインや一般的な質問票を資料に、運動器障害のリスク群の検出が可能な質問票を完成させ、運動障害リスクへの対応を提案した。
公開日・更新日
公開日
2015-10-07
更新日
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