独自m-CRAベクターによる癌幹細胞の同定・標的治療技術の開発と革新的な遺伝子治療の実現

文献情報

文献番号
201118047A
報告書区分
総括
研究課題名
独自m-CRAベクターによる癌幹細胞の同定・標的治療技術の開発と革新的な遺伝子治療の実現
課題番号
H22-3次がん・一般-032
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小戝 健一郎(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 三井 薫(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 前薗 理恵(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 小宮 節郎(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 瀬戸口 啓夫(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 坂本 泰二(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 夏越 祥次(国立大学法人 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 隅田 泰生(国立大学法人 鹿児島大学 大学院理工学研究科)
  • 國貞 隆弘(国立大学法人 岐阜大学 大学院医学系研究科)
  • 近藤 亨(国立大学法人 北海道大学 遺伝子病制御研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
12,928,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚労科研(三次がん一期)で「既存技術を治療効果と安全性能で大きく凌ぐSurvivin依存性m-CRA (Surv.m-CRA)の開発」等、同(二期)で「癌幹細胞治療へのSurv.m-CRAの応用」等の成果を上げてきた。これを踏まえて本研究の主な目的は以下である。1.Surv.m-CRAの臨床化実現 2.m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発 3.「癌幹細胞への分化誘導による悪性化除去」の新規遺伝子治療法戦略の開発 4.癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発
研究方法
1.Surv.m-CRAの臨床応用 2.m-CRAと癌幹細胞のオリジナルの基盤技術の開発 (i)X分子依存性m-CRA(X.m-CRA)の開発 (ii)CD9 shRNA m-CRA癌治療 (iii) 癌幹細胞分離技術の開発 (iv)糖鎖ナノテクノロジーによる新技術 3.「癌幹細胞への分化誘導により悪性化除去」という新たな遺伝子治療法戦略の開発 4.癌幹細胞を真に同定し標的治療できる完全オリジナルのm-CRAベクターの開発 5.癌と正常幹細胞からの新規標的機構と分子の解明
結果と考察
1.Suvivin.m-CRAの癌幹細胞分画にも効果的成果をin vivo実証も含め確認した。2.新たな癌特異化機構に基づく新型m-CRAを開発、科学的癌特異化を実証している。3. E1Bプロモーターのm-CRAの置換の意義を明確にした。4.m-CRAに搭載する新たな因子のCD9を見出し、そのin vivo効果まで実証した。6.ウイルスベクターによる新たな癌幹細胞単離技術の予備研究を行った。7.Hedgehogが腫瘍化・増殖に重要で、Sarcoma-initiating cellの機能に関与しているのを確認した。8.ヒトグリオーマ幹細胞株の樹立を試み、複数の腫瘍形成能を保持した癌幹細胞株の樹立に成功した。9.ナノ粒子のウイルスのスパイクタンパク質への結合が確認された。これらナノ粒子でウイルスの濃縮効率を上昇できた。さらに各種糖鎖のウイルスベクターへの結合性を明確化。10.染色体への遺伝子挿入がないiPS細胞を誘導する事ができる事を確認し、また低酸素培養によってiPS細胞誘導効率も高くなる結果を得た。11.微小癌細胞、循環癌細胞の検出のため、微小癌細胞の生着および増殖能の評価を動物モデルを用いて確立した。
結論
前年度から本年度にかけて、主任研究者ならびに分担研究者が夫々成果を出すとともに、また連携した共同研究成果も幾つかでているところである。計画通りに進んでいるが、さらに連携をはかり、研究を進める。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118047Z