アミロイドイメージングを用いたアルツハイマー病発症リスク予測法の実用化に関する多施設臨床研究

文献情報

文献番号
201116018A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドイメージングを用いたアルツハイマー病発症リスク予測法の実用化に関する多施設臨床研究
課題番号
H23-認知症・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
石井 賢二(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 岩坪 威(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 渡辺 恭良(理化学研究所 分子イメージング科学研究センター)
  • 千田 道雄(先端医療センター 映像医療研究開発部門)
  • 須原 哲也(放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター)
  • 田代 学(東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター)
  • 加藤 隆司(国立長寿医療研究センター 脳機能画像診断開発部)
  • 尾内 康臣(浜松医科大学 メディカルフォトニクス研究センター)
  • 塩見 進(大阪市立大学大学院 医学研究科)
  • 松成 一朗(先端医学薬学センター 臨床研究開発部 )
  • 百瀬 敏光(東京大学医学部附属病院 放射線科)
  • 佐藤 元(国立保健医療科学院 政策技術評価研究部)
  • 高尾 昌樹(東京都健康長寿医療センター 研究所)
  • 今林 悦子(埼玉医科大学 核医学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
27,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症最大の原因疾患アルツハイマー病(AD)の克服に向けて、病態の進展を最も早期から客観的に示す指標(サロゲートマーカ)として期待されているアミロイドイメージング検査方法を標準化し、ADの発症・進展予測法を確立、実用化する。これにより、根本治療薬の実用化を目指した臨床研究や治験を促進し、認知症による要介護者減少のための認知症検診や発症予防法の実用化への道を拓く。
研究方法
本邦でアミロイドイメージングを実施している全てのPET施設を糾合することを目標に、標準検査法を共有して臨床研究を推進すると共に、撮像等にかかわる技術的問題の解決や解析法の開発を行う。J-ADNI研究プロジェクトと連携し技術支援を行うとともに、J-ADNI以外の個別研究で行われているアミロイドイメージング症例を集約的に解析することで、わが国における質の高いエビデンス構築を目指す。生前同意型ブレインバンクと連携してアミロイドイメージング症例の蓄積をはかり、画像病理対比評価法を標準化するとともに、各施設における剖検評価体制確立を支援する。また[F-18]標識診断薬による臨床研究を実施する。
結果と考察
全国19施設でPiB-PET、3施設でBF227-PETを共通プロトコルで実施し、臨床研究を推進するとともに、撮像・解析法の標準化に向けた技術的な検討を行った。現行のPET装置の定量性能評価をファントム実験により行う方法を開発した。集積量の自動計測法を開発し、多施設・多国データで妥当性のある結果が得られ、集団解析においては十分な国際標準化を達成した。アミロイドイメージングの臨床的意義について、認知機能健常者におけるアミロイド陽性所見は神経活動の低下と関連している可能性が示唆された。アミロイド陰性所見であるが、アルツハイマー病診断が否定しきれない症例の存在も報告された。6例の剖検例において画像・病理対応解析を実施し集積の意義を確認した。新しいアミロイド診断薬[C-11]AZ2184と[F-18]FACTの臨床評価を実施し、それぞれ臨床使用に有用であることが示唆された。
結論
アミロイドイメージング検査法を標準化し、プロトコル及び指針にまとめ国内20施設で臨床研究を実施している。今年度は多施設・多国間の臨床研究における互換性を実証した。更に実用化に向けた臨床研究、特に[F-18]標識薬の臨床、剖検脳との対比、臨床的意義の検討を進める。

公開日・更新日

公開日
2012-08-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201116018Z