介護保険の総合的政策評価ベンチマークシステムの開発

文献情報

文献番号
201115019A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険の総合的政策評価ベンチマークシステムの開発
課題番号
H22-長寿・指定-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 克則(日本福祉大学 健康社会研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 尾島 俊之(浜松医科大学 医学部)
  • 小坂 健(東北大学大学院 歯学研究科)
  • 竹田 徳則(星城大学 リハビリテーション学部)
  • 泉田 信行(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 野口 晴子(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 藤野 善久(産業医科大学 医学部)
  • 白井 こころ(琉球大学 法文学部)
  • 近藤 尚己(山梨大学 医学工学総合研究部)
  • 吉井 清子(日本福祉大学 社会福祉学部)
  • 羽田 明(千葉大学大学院 環境医学講座)
  • 等々力 英美(琉球大学大学院 医学研究科)
  • 川島 典子(筑紫女学園大学 短期大学部)
  • 市田 行信(日本福祉大学 健康社会研究センター)
  • 冷水 豊(日本福祉大学 地域ケア研究推進センター)
  • 平野 隆之(日本福祉大学 地域ケア研究推進センター)
  • 長澤 紀美子(高知県立大学 社会福祉学部)
  • 斉藤 雅茂(日本福祉大学 地域ケア研究推進センター)
  • 山本 龍生(神奈川歯科大学 社会歯学講座)
  • 三澤 仁平(日本福祉大学 健康社会研究センター)
  • 山田 実(京都大学大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
28,712,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,1)「見える化」による課題設定,2)効果的な事業・プログラムのためのエビデンスづくり,3)効果や質・効率・公正の検証などの基盤となるベンチマーク・システムの開発である.
研究方法
多面的なベンチマーク指標群からなるシステム開発のため,1)指標群の枠組みと選択基準の検討,2)データ収集の方法の開発,3)ベンチマーク指標群の試作と妥当性などの検証,4)結果のフィードバック方法の開発などを行った.
「市町村における介護予防ワーキング・グループ(以下WG)」と「特養におけるケアの質(ケアの質WG)」の2つのWGで,平成23年度は実証研究と開発・応用研究を中心に進めた.
結果と考察
1)ベンチマークの枠組みと指標を考案し,2)全国の31市町村,約11万人の高齢者からデータ収集し,3)個人間だけでなく市町村間・校区間にも,転倒率で3倍,閉じこもり割合で5倍などの差があること,4)それらの関連要因(転倒ではスポーツ組織参加割合,閉じこもりでは地域の交流の衰退を感じている者の割合など)を解明した.5)ソーシャル・キャピタルなど社会的環境要因の重要性を,多地域間の横断分析や既存データの縦断分析,マルチレベル分析などを通じて明らかにした.6)WHO神戸センターとの共同研究でJAGES HEART/Age Friendly Cities 指標の開発に着手し,7)WebGISシステムなどを活用した保険者などへのフィードバック方法の開発などに目途をつけた.一連の結果は,健康の社会的決定要因や社会環境要因の重要性を裏付け,まちづくりによる介護予防推進の根拠を提示したもので,その効果検証の方法論も見えてきた.
ケアの質WGでは,計画していた規模の多施設間比較ができる要介護認定データの入手が困難で,指標の妥当性検証のための研究の準備を進めた.
結論
本年度は,1)大規模データ収集,2)地域間比較による環境要因の重要性の検証,3)コホート研究によるリスク要因の解明などが進み,4)これらの関連要因をモニタリングできるベンチマーク・システムJAGES HEART2011を開発できた.
平成24(2012)年度は,介護保険の総合的政策評価ベンチマーク指標群としての妥当性の検証を縦断研究やマルチレベル分析を用いてさらに進め,WHO神戸センターとの共同研究でJAGES HEART/Age Friendly Cities 指標に改定を加え,WebGISシステムなどを活用した保険者などへのフィードバック方法の開発などをさらに進める計画である.

公開日・更新日

公開日
2012-06-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201115019Z