漢方の特性を利用したエビデンス創出と適正使用支援システムの構築

文献情報

文献番号
201114036A
報告書区分
総括
研究課題名
漢方の特性を利用したエビデンス創出と適正使用支援システムの構築
課題番号
H22-臨研推・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 賢治(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋田 豊(富山大学 大学院医学薬学研究部)
  • 関 隆志(東北大学 医学部)
  • 村松 慎一(自治医科大学)
  • 並木 隆雄(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 宮野 悟(東京大学 医科学研究所)
  • 美馬 秀樹(東京大学 大学院工学系)
  • 木村 容子(東京女子医科大学 東洋医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
42,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は1)個別化治療、2)患者の主観的愁訴を重視した医療、3)全人医療、といった漢方の特性を生かした臨床研究手法により、漢方のエビデンスを創出するとともに、漢方薬適正使用のための診療支援システムを構築することである。平成23年度は本研究の3年計画の2年目に当たり、多施設での情報収集の共通プラットフォームの構築をし、新たな問診システムに移行することと、診療支援ツールの基盤となるブラウザ上のシステム開発を目的に行った。
研究方法
参加各施設で行っている問診はかなり異なっており、平成22年度は客観的に問診項目見直しの土台作りを行った。平成23年度は平成22年度の結果を元に協議して変更した問診項目を、情報プラットフォームに反映させるとともに、ブラウザ上での問診システムを開始した。分担研究者の診療施設においても倫理委員会承認を経て順次患者情報の集積が開始された。また、証の診断補助をコンピュータ上で機械学習させ、その結果をリアルタイムにブラウザ上に表示できるシステム開発を行う。
結果と考察
平成23年度は、自治医科大学、富山大学、千葉大学、東京女子医科大学、亀田総合病院、麻生飯塚病院で倫理委員会の承認が得られ、患者情報の収集が始まった。慶應義塾大学病院を含めた症例集積は平成24年3月時点で延べデータ数は25,000件超となった。これらデータを用い、適正な漢方診療のための診療支援ツール開発のために、医師の証診断をコンピューター上で予測するシステムの開発を行った。証の診断についてはWHOのICD改訂作業とリンクして行われているWHO 国際伝統医学分類(ICTM)日本版を参照にして進めた。その結果、虚実、寒熱に関しては80%を超える精度で証の診断予測が可能となった。しかしながら気血水についてはさらなる検討を要する。これら診断支援ツールがブラウザ上で表示されるようにシステムの改修を行った。
結論
本研究は漢方の特性を生かした個別化診療のエビデンスの創生とその結果を基にした診断および漢方の処方の診療支援を行う計画であるが、システムの改修も含め、計画とおりに進行中である。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-03-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201114036Z