文献情報
文献番号
201106016A
報告書区分
総括
研究課題名
再生医療早期実現化促進及び汎用性向上のための周辺基盤技術開発
課題番号
H23-再生・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部・第2室)
研究分担者(所属機関)
- 早川 堯夫(近畿大学 薬学総合研究所)
- 掛樋 一晃(近畿大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ヒトの細胞や組織を培養・加工した「細胞・組織加工製品」を用いた再生医療は,治療法に乏しく,重篤・致死的またはQOLを著しく損なう疾病・損傷に対して有効な治療法になると期待されている.難治性疾患等の患者にいち早く有効な再生医療を届けるため,および国際的な再生医療の開発・ビジネス競争でわが国が主導的地位を得るために,将来の開発動向を見据えつつ,細胞・組織加工製品の品質・安全性に関して新規かつ汎用性の高い評価技術・製造法の開発を行い,わが国から世界に向けて先導的に提示していくことを最終目的とする.
研究方法
細胞・組織加工製品の安全性・品質の確保を図るための,効果的・効率的・合理的な①がん化の抑制,②感染リスク・汚染の排除,③免疫原性の低減,に関する技術開発を展開した.
結果と考察
①がん化の抑制技術については,in vitro造腫瘍性細胞検出系としての軟寒天コロニー形成試験の性能と限界を評価すると同時に,国産の重度免疫不全マウスモデル(NOGマウス)のin vivo造腫瘍性細胞検出系としての性能評価・標準化のための基盤的データを取得した.②感染リスク・汚染の排除技術として,既存の定量的PCR法と比較した場合,感染細胞検体に含有される全核酸中のウイルス核酸をもれなく解析でき,かつ高感度,高精度,簡便な検出法として等温遺伝子増幅法(ICAN法)が有用である可能性を示した.③免疫原性の低減に繋がる周辺基盤技術として,各種幹細胞の培養工程からの異種動物由来成分の混入を,糖鎖を指標として明らかにする方法の開発ならびに異種動物由来成分の混入原因を調査した.
結論
本研究の成果は,多くの細胞・組織加工製品に適用可能な基盤技術となり,国内で製品開発を目指す関係者に大いに活用されるとともに,わが国が国際的に先導的立場に立つ上でも意義深いと考えられる.
公開日・更新日
公開日
2012-06-29
更新日
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