保健師等の地域保健従事者の地域住民からの暴力等に対する危機管理のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201036003A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師等の地域保健従事者の地域住民からの暴力等に対する危機管理のあり方に関する研究
課題番号
H20-健危・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
平野 かよ子(東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 鳩野洋子(九州大学大学院医学研究院)
  • 反町吉秀(青森県上十三保健所)
  • 末永カツ子(東北大学大学院医学系研究科)
  • 中板育美(国立保健医療科学院)
  • 妹尾栄一(東京都精神医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
文献検討を基に、全国の精神保健福祉センター、保健所および児童相談所において相談業務に従事する者が住民から受ける暴力の実態と暴力の危機管理体制を明らかにし、これらの実態を基に有識者を交え対応方法および組織としての安全管理体制について検討し、対応のマニュアル案を作成する。これを現場の実践者にフィードバックし実効性を高めマニュアルを完成させ、全国の保健所等に配布する。
研究方法
平成20年度に全国の精神保健福祉センター、保健所及び児童相談所において相談を主業務とする地域保健従事者を対象として、暴力の実態と職場の管理体制について郵送調査を行った。平成21年度は11か所の保健所及び児童相談所のを対象としてインタビュー調査を実施し、暴力に対する所内体制、組織としての危機管理体制、警察あるいは都道府県本庁との関係、暴力防止のための工夫、暴力に対応する職場研修等について詳細な聞き取り調査を行った。平成22年度には暴力防止マニュアル案を作成し、有識者との意見交換を行い、また全国3か所で実践者を対象としたワークショップを開催し、マニュアル案の実効性についての検証を行った。
結果と考察
結果:有識者として公衆衛生医、弁護士1名、DV研究者1名及び保健師2名の計5名で意見交換し、日常的な対応・組織体制、暴力を行った住民へのケア、警察等との連携、関連法令の見直し、暴力を受けた従事者のケア、教育・研修等に関し論議した。ワークショップでは、本マニュアルの実効性に関しての意見が多数得られた。
考察:これらの意見を反映させ、以下の目次のマニュアルが適当と考えた。
目  次
はじめに
Ⅰ.暴力防止の段階的な対応
Ⅱ.組織としての対応
Ⅲ.対応方法
1.基本的な対応方法
2.状況別の対応―事例による対応のポイント―
1)電話での対応、2)所内相談、3)家庭訪問、4)申請等の窓口対応、5)移送時の対応、6)個別に対応する際の留意点
Ⅳ.教育・研修のあり方
おわりに

結論
暴力の発生する状況にあっても地域保健従事者が支援者としてのアイデンティティとモチベーションを維持し、暴力の発生を予測し対処する方法、さらに暴力の発生時に住民と従事者の双方の生命と人権を組織的に守る体制を整備することが重要であり、それを推進する暴力防止マニュアルが求められている。これを全国の都道府県及び保健所等へ配布し、各自治体あるいは保健所が地域の特性を反映させた自治体としてのマニュアル作成の参考となることを期待する。
 

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

文献情報

文献番号
201036003B
報告書区分
総合
研究課題名
保健師等の地域保健従事者の地域住民からの暴力等に対する危機管理のあり方に関する研究
課題番号
H20-健危・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
平野 かよ子(東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 鳩野洋子(九州大学大学院医学系研究院)
  • 反町吉秀(青森県上十三保健所)
  • 末永カツ子(東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻 )
  • 中板育美(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
  • 妹尾栄一(東京都精神医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
文献検討を基に、全国の精神保健福祉センター、保健所および児童相談所において相談業務に従事する者が住民から受ける暴力の実態と暴力の危機管理体制を明らかにし、これらの実態を基に有識者を交え対応方法および組織としての安全管理体制について検討し、対応のマニュアル案を作成する。
研究方法
平成20年度に全国の精神保健福祉センター、保健所及び児童相談所において相談を主業務とする地域保健従事者を対象として住民から受けた暴力の実態と暴力に対する職場の管理体制について郵送調査を行った。成21年度は、組織的な安全管理体制を構築している保健所及び児童相談所の11か所を対象としてインタビュー調査を実施し、所内体制、危機管理体制、警察あるいは都道府県本庁との関係等について聞き取り調査を行った。平成22年度には有識者との意見交換を行い、また全国3か所で実践者を対象としたワークショップを開催し、マニュアル案の実効性について検証を行った。意見交換会及びワークショップは録音し、発言内容を研究班員で分析、これらをマニュアル案に反映させマニュアルを完成させ、全国に配布する。
結果と考察
最終年度の平成22年は有識者との意見交換と実践者とのワークショップでマニュアル案を精緻化させ、下記の目次の暴力防止マニュアルを完成させた。
はじめに、
Ⅰ.暴力防止の段階的な対応
Ⅱ.組織としての対応
Ⅲ.対応方法
Ⅳ.教育・研修のあり方
おわりに
本マニュアルは暴力の発生する状況にあっても地域保健従事者が支援者としてのアイデンティティとモチベーションを維持し、暴力の発生を予測し対処する方法、さらに暴力の発生時に住民と従事者の双方の生命と人権を組織的に守る体制を整備することが重要であり、それを推進するマニュアルと考える。

結論
地域保健福祉従事者が組織として暴力を予測し、対応するマニュアルを作成した。労働者の安全は労働安全衛生法によって保証されているが、暴力や攻撃的なふるまいをする住民に対応する地域保健福祉従事者の安全がより守られ、QOLを高めて従事できるような法の見直しの必要性について今後検討していきたい。

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201036003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
全国の保健所、精神保健福祉センター、児童相談所において主に相談業務に従事する者が住民等から受ける暴力等の実態を把握した。回収率70%で52%の保健所は何らかの暴力を経験していた。組織としての対応マニュアルが準備されているところは少なく、都道府県が策定している行政対象暴力対応マニュアルで対応しているのが現状で、従事者の安全が守られ支援者の立場でかかわることを支援するマニュアル等の必要性が明らかにされた。
臨床的観点からの成果
医療機関において患者および家族等からの暴力への対応マニュアルは開発されているが、地域で生活する住民からの対応方法に関する研究はない。特に暴力を受けた従事者のこころのケアは不可欠であり、職場において同僚や上司からのサポートでデブリーフィングがなされること、また、PTSDが疑われる場合は専門家につなぐことの重要性が示された。
ガイドライン等の開発
暴力を受けた経験があり、暴力を組織的に防止する危機管理体制があり、さまざまな暴力防止の工夫を行っている保健所の聞き取り調査結果と文献等を基に、組織的に暴力の発生を防止し、発生時の対応のあり方についてマニュアルを作成した。
その他行政的観点からの成果
作成したマニュアルは都道府県及び保健所を設置する市の保健衛生部局と保健所、精神保健福祉センター及び児童相談所に配布し、相談等に生かされている。市町村からもマニュアルを要望する声が寄せられている。
その他のインパクト
マニュアル案の段階で仙台、東京、宮崎において公開シンポジウムを開催し、暴力を体験していることの認識を高め、マニュアルの実効性についての検証を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
平野他、保健師等の地域保健従事者への住民からの病力、保健師ジャーナル66(10)46-51
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
地域保健従事者が住民から受ける防汚力の実態(1)保健所、(2)児童相談所、(3)精神保健福祉センター、日本公衆衛生雑誌56(10)p600,2009
学会発表(国際学会等)
3件
Workplace Viorence from Citizens,41th APACPH
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-08-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201036003Z