文献情報
文献番号
201034062A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒト幹細胞を用いた細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保のあり方に関する研究
課題番号
H20-医薬・指定-028
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
早川 堯夫(近畿大学 薬学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
- 梅澤 明弘(国立成育医療センター 生殖医療研究部)
- 山中 伸弥(京都大学 物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター)
- 小澤 敬也(自治医科大学 医学部内科学講座血液学部門・遺伝子治療)
- 大和 雅之(東京女子医科大学 医学部先端生命医科学系先行・再生医工学専攻)
- 松山 晃文(財団法人先端医療振興財団 先端医療センター研究所・膵島肝臓再生研究グループ)
- 佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
- 澤 芳樹(大阪大学 大学院医学系研究科・外科学講座・心臓血管外科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
32,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ヒトの臓器や組織の確保が難しいわが国の医療状況下において、細胞・組織加工医薬品等による再生医療の実用化への期待が高まっている。本研究は、ヒト幹細胞の細胞・組織加工医薬品等への利用に関連した学問・技術の進歩、倫理上の重要ポイント、各種規制、国際動向等を調査・研究し、適切な品質・安全性等の評価及び確保のあり方を提示することにより、ヒト幹細胞由来製品の実用化推進に寄与することを目的とする。
研究方法
ヒト間葉系幹細胞等を中心とする体性幹細胞、iPS細胞、ES細胞などに由来する製品の薬事法下での臨床応用に向けて、研究・開発、確認申請、評価等を効率的、効果的、合理的に行う上で、必要と思われる技術、製造方法、特性解析方法、品質管理方法及び安定性評価に関する具体的留意事項、並びに安全性及び有効性の評価に関してどのようなアプローチやデータが必要かについて、前年度までの成果を踏まえ、一定の結論を得るべく調査及び研究を行った。
結果と考察
平成20-21年度の研究から、 研究目的達成のためには、原材料となる各種ヒト幹細胞の種類(体性幹細胞、iPS細胞、ES細胞)及び自己細胞由来か同種細胞由来かを踏まえた製品別に特化した品質及び安全性等のあり方をそれぞれ検討すること、先行して通知された親指針とも云うべき「ヒト(自己/同種)由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針(自己指針:薬食発第0208003号、同種指針:薬食発第0912006号)」をもとに由来する細胞別の指針案を作成することが適切との方向性が出された。これを受けてヒト(自己/同種)体性幹細胞、ヒト(自己/同種)iPS(様)細胞、ヒトES細胞にそれぞれ由来する医薬品等の品質及び安全性の確保に関する5つの指針案を作成し、専門誌に中間報告として公表した。この中間報告に対するコメント、海外の動向や学問・技術の進歩等を踏まえて、さらに綿密な検討を加え、5指針に関する最終案を提示した。
結論
ヒト自己及び同種体性幹細胞、ヒト自己及び同種iPS(様)細胞、ES細胞由来医薬品等に特化した品質及び安全性の確保に関する5つの指針案を作成した。また、その背景となる考え方や評価技術、留意事項について明らかにした。これらの研究成果は、我が国におけるヒト幹細胞由来製品の実用化を効率的、効果的、合理的に推進させるために多大な貢献をすると期待される。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
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