看護基礎教育の充実及び看護職員卒後研修の制度化に向けた研究

文献情報

文献番号
201031058A
報告書区分
総括
研究課題名
看護基礎教育の充実及び看護職員卒後研修の制度化に向けた研究
課題番号
H21-医療・指定-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
中山 洋子(公立大学法人福島県立医科大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 小山眞理子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部)
  • 永山くに子(国立大学法人富山大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、社会の変化に対応できる看護専門職の育成に向けて、1)看護基礎教育の充実に向けての検討、2)看護教員養成における課題の検討、3)新人看護師の卒後研修の制度化に向けての検討、4)高度実践看護師教育の制度化に向けての検討を行い、看護基礎教育と看護卒後教育のあり方を検討するための基礎資料を作成することを目的とする。
研究方法
本年度は、3つの研究プロジェクトを立ち上げ、研究代表者、研究分担者がそれぞれの研究課題を担当し、質問紙調査と面接調査を中心に研究を実施した。人を対象とする質問紙調査と面接調査は、研究者の所属する大学の倫理委員会の承認を得て、実施した。
結果と考察
「看護基礎教育の新しいカリキュラムのあり方と教育内容の検討プロジェクト」では、看護基礎教育のコアとなる概念を抽出し、「看護師の基礎教育修了時に求められる看護実践能力と到達目標(案)」を作成して、その妥当性についての調査を行った。対象は看護教育機関と病院で151の回答が得られた。その結果、概ね「妥当」の回答を得て、作成した到達目標(案)の妥当性を検証することができた。「看護実践能力の育成・向上のための臨床教育方法の検討プロジェクト」は、基礎教育で育成する能力と卒後の実践のなかで育成する能力を明確にする調査を行った。質問項目は50項目で、それぞれの項目について、基礎教育、新人研修、継続教育のうち、どのレベルで育成することが適切な能力であるかを質問した。その結果、「基礎教育での育成」については、教員と臨床指導者の間に大きな認識の差があった。また、臨床教育方法についての実践例の検討も行った。「看護教員養成における課題の検討プロジェクト」は、102名の看護教員を対象に面接調査を行い、教員のキャリア形成について質的に分析した。平成21年度の実態調査結果と併せて、看護教員の養成とキャリアアップに必要な現任教育システムの再構築について検討した。
結論
今年度は、看護基礎教育におけるカリキュラムと教育内容を見直すとともに、看護基礎教育で育成する看護実践能力の到達目標や教育方法の基礎資料を作成することができた。また、教員の養成については、課題がより明確になり、教育ニーズに合わせた体系的な研修やキャリアアップのための現任教育システムの再構成の必要性が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2011-08-02
更新日
-

文献情報

文献番号
201031058B
報告書区分
総合
研究課題名
看護基礎教育の充実及び看護職員卒後研修の制度化に向けた研究
課題番号
H21-医療・指定-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
中山 洋子(公立大学法人福島県立医科大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山内豊明(国立大学法人名古屋大学 医学部)
  • 小山眞理子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部)
  • 永山くに子(国立大学法人富山大学 医学部)
  • 衣川さえ子(国際医療大学 小田原保健医療学部)
  • 坂本すが(東京医療保健大学 医療保健学部)
  • 山本あい子(兵庫県立大学 地域ケア研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、社会の変化に対応できる看護専門職の育成に向けて、1)看護基礎教育の充実に向けての検討、2)看護教員養成における課題の検討、3)新人看護師の卒後研修の制度化に向けての検討、4)高度実践看護師教育の制度化に向けての検討を行い、看護基礎教育と看護卒後教育のあり方の検討の基礎資料を作成することを目的とした。
研究方法
研究方法としては、研究代表者、研究分担者が、それぞれの課題を分担し、質問紙調査を中心に、面接調査やヒヤリング、研究協力者会議等によってデータ収集を行い、分析した。人を対象とする質問紙調査や面接調査等は、研究者の所属する倫理委員会の承認を得て実施した。
結果と考察
1)では、看護学校において教員が直面している教育上の困難さを把握するとともに、学生の人間としての成長・成熟度を支えていくような教育のあり方の課題が浮き彫りになった。看護基礎教育卒業前の学生の看護実践能力の習得度に関する調査においては、学生は実践能力や看護技術について一定の自信があることが明らかになった。生体シミュレーターを用いての教育においては、看護実践能力の育成に効果的であることが示された。平成22年度に行った調査からは、看護実践能力の育成を基盤にした基礎教育カリキュラムに関心が向けられ始めていることが伺えた。その一方で、看護実践能力は経験を積み重ねて育っていくものであることが明確になり、看護基礎教育と継続教育をつなぐ臨床教育の重要性を認識することができた。2)では、看護基礎教育の大学化が進む中で、看護学校教員が置かれている状況と看護教員養成の実態が明らかになった。とくに看護師の資質の向上や看護教員のキャリア形成については、今後の課題となっている。3)では、継続教育の体系化と現任教育の構築には各施設に合わせた支援が必要であることが明らかになった。4)においては、看護専門職の専門分化のあり方や教育制度の違いが、裁量権の問題にも関連していることが明らかになった。
結論
看護教育は、基礎教育から新人看護師研修、継続教育へと体系的に行われていくものであることが明確になり、カリキュラム検討、教育方法の開発、看護教員の質の向上、新人看護師研修の質の向上と推進、看護専門職の裁量権の拡大と系統的・総合的におこなった本研究の成果は、基礎資料として広く活用できると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-08-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-10-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031058C

収支報告書

文献番号
201031058Z