地域栄養支援活動による多職種参加型人材育成システムの開発研究

文献情報

文献番号
201031003A
報告書区分
総括
研究課題名
地域栄養支援活動による多職種参加型人材育成システムの開発研究
課題番号
H21-医療・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
福尾 惠介(武庫川女子大学 生活環境学部)
研究分担者(所属機関)
  • 辻仲利政(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床研修部)
  • 宮川潤一郎(兵庫医科大学糖尿病科)
  • 鹿住 敏(武庫川女子大学 生活環境学部)
  • 雨海照祥(武庫川女子大学 生活環境学部)
  • 鈴木一永(武庫川女子大学 短期大学部)
  • 鞍田三貴(武庫川女子大学 生活環境学部)
  • 谷野永和(武庫川女子大学 生活環境学部)
  • 山本周美(武庫川女子大学 短期大学部)
  • 前田美也子(武庫川女子大学 文学部)
  • 北島見江(武庫川女子大学 健康科学部)
  • 一ノ瀬智子(武庫川女子大学 音楽学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,795,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、地域の社会福祉・医療機関や企業と連携し、在宅傷病者を対象とした多職種参加の包括的栄養支援チーム(NST)システムを開発するとともに、その実践から、将来の地域医療を支える優秀な人材の育成システムを開発し、地域医療の再生に貢献する。
研究方法
1)包括的な地域NSTシステムの開発と実践:在宅傷病者の多様な問題に対応できるように、多職種参加による包括的な栄養支援システムを構築する。
2)多職種参加による医療実践教育システムの開発:実践型教育により、チーム医療や包括的栄養支援を理解した優秀な人材育成システムを開発する。
3) 在宅の高齢者・傷病者に対する体調不良時のCASを応用した食品の供給システムの開発:CAS凍結食品の供給に向けて、予備試験、アンケート調査、官能評価を行う。
4) 在宅高齢者・傷病者に対する世代間交流を応用した生き甲斐の高揚システムの開発:世代間交流による音楽療法や運動療法の有用性を身体計測などの指標で検証する。
結果と考察
1)包括的な地域NSTシステムの開発:本補助事業により、「栄養サポートステーション」を学内に開設し、病院や開業医から紹介された在宅傷病者に対するNSTを開始した。平成23年度には、新たに地域開放型施設が建設され、そこで活動を継続する。
2) 多職種参加による医療実践教育システムの開発:シラバスに本事業内容を導入し、大学生や大学院生を本事業に参加させ、実践教育を開始した。今後、学生の教育効果の科学的な検証方法を強化する。
3) 在宅傷病者・高齢者に対するCASを応用した食品供給システムの開発:本年度4月に本学内にCASシステムが導入され、高齢者の嗜好調査から、CAS冷凍調理品の提供が独居高齢者への食事支援に有用であると推察された。
4) 在宅の高齢者・傷病者に対する世代間交流を応用した生き甲斐高揚システムの開発:世代間交流による「音楽のつどい」の1年間の活動は、POMSによる疲労感や抑うつ度の低下、ストレスの指標の低下、%肺活量の増加、唾液中IgA濃度の増加など、高齢者の健康増進に有用な効果があることが明らかになった。
結論
在宅医療の推進から、地域では栄養支援が必要な傷病者が急増し、医療・福祉系人材が不足している。本事業は、地域に多職種が参加する包括的栄養支援システムを構築するとともに、この活動を通じて将来の地域医療・福祉を支える優秀な人材を育成できると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

文献情報

文献番号
201031003B
報告書区分
総合
研究課題名
地域栄養支援活動による多職種参加型人材育成システムの開発研究
課題番号
H21-医療・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
福尾 惠介(武庫川女子大学 生活環境学部)
研究分担者(所属機関)
  • 辻仲 利政(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター臨床研修部)
  • 宮川 潤一郎(兵庫医科大学糖尿病科)
  • 鹿住 敏(武庫川女子大学 生活環境学部 )
  • 雨海 照祥(武庫川女子大学 生活環境学部 )
  • 鈴木 一永(武庫川女子大学 短期大学部 )
  • 鞍田 三貴(武庫川女子大学 生活環境学部 )
  • 谷野 永和(武庫川女子大学 生活環境学部 )
  • 山本 周美(武庫川女子大学 短期大学部 )
  • 前田 美也子(武庫川女子大学 文学部 )
  • 北島 見江(武庫川女子大学 健康スポーツ学部)
  • 一ノ瀬 智子(武庫川女子大学 音楽学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域の社会福祉・医療機関や企業と連携し、在宅傷病者を対象として、包括的栄養支援チーム(NST)システム、新規凍結技術CASを応用した体調不良時の食品供給システム、さらに、世代間交流を応用した生き甲斐高揚システムをそれぞれ開発するとともに、多職種参加による医療実践教育システムの開発を行い、地域医療の再生に貢献するものである。
研究方法
平成21年度は、地域NSTシステムや多職種参加による医療実践教育システムの開発や試行を行う。また、アビー社との共同開発により、体調不良時の食品を供給できるシステムの開発や配食サービスシステムの構築に向けた準備を行う。さらに、世代間交流による生き甲斐高揚システムの開発と試行を行う。平成22年度は、試行から得られた結果の分析や、傷病者や高齢者へのアンケートによる満足度調査や地域の開業医や企業との協議等により、システムの見直しや改良を加えた後、それぞれ本格実施する。
結果と考察
高齢者の増加や早期退院・在宅医療の推進から、地域では栄養支援が必要な傷病者や高齢者が急増しているが、現在、支援体制が十分でない。本事業の成果である包括的な栄養サポートシステムは、多様なニーズを持つ地域の傷病者や高齢者の栄養状態の改善により、合併症の併発による再入院や要介護状態への移行を予防し、医療費の削減に貢献する可能性が高い。将来、高齢者の増加等により、地域の医療・福祉系人材が不足することが予想されるが、本事業の成果である医療実践教育システムは、栄養やチーム医療に習熟した在宅医療を担う優秀な人材を育成できるため、社会的意義は大きい。一方、CASを応用した食品提供は、傷病者の多様なニーズに応じた食品の供給システムに発展できる。世代間交流による生き甲斐の高揚システムは、高齢者や傷病者が支援からの脱却や地域社会活動に参加できるシステムであり、このような研究は、国内外で報告されていない。また、世代間交流による音楽療法システムは、がん患者の苦痛の緩和など代替医療として発展できる可能性がある。本事業は、補助期間終了後も継続する。
結論
高齢者の増加や早期退院・在宅医療の推進から、地域では栄養支援が必要な在宅傷病者が急増し、医療・福祉系人材が不足している。本事業は、地域に多職種が参加する包括的栄養支援システムを構築するとともに、この活動を通じて将来の地域医療・福祉を支える優秀な人材を育成できると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031003C

収支報告書

文献番号
201031003Z