エンテロウイルス感染症制御のための診断・予防治療に関する国際連携研究

文献情報

文献番号
201028047A
報告書区分
総括
研究課題名
エンテロウイルス感染症制御のための診断・予防治療に関する国際連携研究
課題番号
H22-新興・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
清水 博之(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 小池 智((財)東京都医学総合研究所)
  • 小柳義夫(京都大学ウイルス研究所)
  • 岩井雅恵(富山県衛生研究所)
  • 牛島廣治(日本大学医学部)
  • 山崎謙治(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 藤本嗣人(国立感染症研究所・感染症情報センター)
  • 吉田 弘(国立感染症研究所・ウイルス第二部)
  • 有田峰太郎(国立感染症研究所・ウイルス第二部)
  • 西村順裕(国立感染症研究所・ウイルス第二部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
43,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症エンテロウイルス感染症の主たる流行地域であるアジア地域の研究機関と連携し、国内外における腸管ウイルス感染症サーベイランス体制を整備するとともに、重症エンテロウイルス感染症の診断および予防治療法開発のための基盤的研究を実施する。
研究方法
アジア地域の研究機関と連携し、エンテロウイルス同定・遺伝子解析に関する技術協力を実施した。病原体の国外移動は困難な場合が多いため、中国等において遺伝子解析結果を公開し、国内外におけるウイルスゲノム情報の整備に努めた。エンテロウイルス71(EV71)特異的受容体であるPSGL-1 およびSCARB2の機能解析を進め、受容体機能を利用したエンテロウイルス検査法への応用研究を実施した。腸管ウイルス病原体サーベイランスや予防治療法開発に応用可能な、ウイルス学的研究およびウイルス遺伝子解析を実施した。受容体特異性に基づいたEV71感染マウスモデルの開発研究を開始した。
結果と考察
アジア地域のエンテロウイルス実験室におけるエンテロウイルス同定・遺伝子解析に関する技術協力を実施した。地方衛生研究所を中心とした国内エンテロウイルス実験室ネットワークとアジア地域のウイルス実験室との国際的技術協力・感染症情報共有体制の強化が期待できる。EV71特異的受容体であるPSGL-1 およびSCARB2の機能解析を進め、受容体機能を利用したエンテロウイルス検査法への応用研究やEV71病原性発現機構の解析を行った。近年新たに発見された様々な腸管ウイルスの遺伝子解析により、アジア諸国における腸管ウイルス伝播状況を明らかにした。今後、特定疾患の流行との関連を含めた、疾患・病原体サーベイランス手法の整備と病原体検出・同定法の改良および標準化が必要である。ポリオウイルス病原体サーベイランスにより、国内のポリオフリーを確認するとともに、我が国における、迅速かつ円滑なIPV導入にむけた調査研究を実施した。
結論
国内外における腸管ウイルス実験室ネットワークを強化することにより、腸管ウイルス感染症サーベイランス体制の整備を進め、EV71、ポリオウイルスを含む重症エンテロウイルス病原体サーベイランスの質的向上に資する基盤的研究を実施した。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028047Z