真菌感染症の病態解明に基づく検査・治療法の確立と国内診断・治療ネットワークの構築に関する研究

文献情報

文献番号
201028040A
報告書区分
総括
研究課題名
真菌感染症の病態解明に基づく検査・治療法の確立と国内診断・治療ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H22-新興・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
河野 茂(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 感染免疫学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所 生物活性物質部)
  • 三鴨 廣繁(愛知医大病院 感染制御部)
  • 谷口 修一(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 血液内科)
  • 渋谷 和俊(東邦大学医学部 病院病理学講座)
  • 槇村 浩一(帝京大学 医真菌研究センタ-)
  • 亀井 克彦(千葉大学 真菌医学研究センター)
  • 川上 和義(東北大学大学院医学系研究科 感染分子病態解析学分野)
  • 比留間政太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院 皮膚・アレルギー科)
  • 望月 隆(金沢医科大学 環境皮膚科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
24,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国における真菌感染症の基盤応用研究や医療現場での真菌症対策は明らかに他先進諸国と比較しておくれを取っており、病態の解明と共に情報発信のためのガイドライン等の充実、診療支援や情報共有やのためのネットワーク構築を目的とする。本研究班では真菌症が問題となる呼吸器、血液内科、皮膚科、外科の各領域の研究者と基盤研究グループとが連携して、各診療領域で問題の大きい真菌症の病態解明のための基盤研究、ならびに、ガイドライン等に用いるべき診断・治療方法を目指した応用研究を行うのが特色であり、並行して、全国に6つの拠点を形成する。
研究方法
1.国内の真菌症ネットワークの構築.真菌症診療とラボ機能の両面において、6つの地域で中核となりうる施設と研究協力体制を構築し発生動向調査を開始する。
2.新規の診断系構築と検証.細胞表層に存在する新規抗原を同定し、診断に応用する抗原の抗体作成を開始した。また、不明感染症例の病理組織から真菌を同定する手法を検討した。
3.地域流行型真菌症の調査. ヒストプラスマやトンズランス、ペニシリウムマルネフェイ感染症など診断や原因菌種同定が困難な真菌症に対する、分子生物学的および病理組織学的な新規診断系の検討を行った。
4.侵襲性真菌症の病態解明.真菌症と感染免疫反応の関連を検討し、診断治療に応用する。
結果と考察
本年度のネットワーク構築については臨床ネットワークの定点7,ラボネットワークの定点8となった。ネットワークにおいては、トンズランス感染症の疫学、造血幹細胞移植の真菌感染、地域流行型真菌症、有効な抗真菌薬の投与法の研究を行った。これらは、真菌感染におけるわが国の疫学データとして使用でき、政策立案に際し有益な情報となる。
 基盤応用研究としては、クリプトコックスや接合菌、トンズランスの新しい診断法を構築や改良、あるいは、病原因子の究明を行った。その成果は、即あるいは応用により診断方法の構築や治療・予防法の開発や適切な実施に結びつくものである。
結論
22年度に構築したネットワークを充実させ、各診療領域で問題の大きい真菌症の病態解明のための基盤研究、ならびに、ガイドライン等に用いるべき診断・治療方法を目指した応用研究を立案する。 成果は、H24年の日本感染症学会総会において市民公開講座として公表する予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028040Z